映画「リアル・スティール(字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレあります
映画『リアル・スティール(字幕版)』(公式)を本日初日第1回目の回で劇場鑑賞。キャパ182名に10名ほど。
採点は、★★★★☆(5点満点で4点)。100点満点なら70点にします。不覚にも?ロボット格闘技で応援しちゃいました。
なお、本作の原作、リチャード・マシスンの短編小説『四角い墓場』を原作としたアメリカのテレビシリーズ『トワイライト・ゾーン』の『Steel(1964)』は鑑賞済み。
ざっくりストーリー
西暦2020年の格闘技は、人間に代わって高性能なロボットがボクサーとなって活躍する時代。かつては優秀なボクサーだったチャーリー・ケントン(ヒュー・ジャックマン)は、チャンピオンになる夢のために妻子とも別れ、ボクシングに熱中していたが、もはや時代はボクサーとしての彼を必要としていなかった。
今やロボット格闘技のプロモーターとして貧しい生活を送るチャーリーのもとに、赤ん坊以来ぶりに母を亡くした11歳の息子マックス(ダコタ・ゴヨ)が現れる。そして、2人は雨のゴミ捨て場で古い一体のロボット“ATOM”を見つける…
確かに面白い!リメイクも上手い!ただオリジナリティが…
ショーン・レヴィ監督の説得力のある演出力と、マックス・ケントン役のダコタ・ゴヨ君の演技力で、最後までグイグイ引っ張ってくれから、親権譲渡やら悪徳興行主など都合の良い部分のある脚本も、何とか違和感無く見せてくれる。その意味では、誰が観ても楽しめると思うし、上映時間128分もお子さんでも我慢できる範囲だと思う。
また、上記の通り本作は原作も映像化作品もありの所謂リメイクものだが、ロボットボクシングと主人公がロボットと対比されると言う程度が共通点で、現代風のSF映画に上手に仕立て直していると思う。
ただ、全体的は『ロッキー』『オーバー・ザ・トップ』『チャンプ』とか既視感が漂うのが残念。ただ、総じて単純なお話でよく出来た作品だと思う。
「意見には個人差があるから」と寛大なお心の方のみ、採点理由も含めて、詳細はネタバレが含まれますので、ご理解の上、“続きを読む”よりお進み下さいませ。
父と息子とロボットの三人四脚ってのが良い!
設定は2020年の未来なのに、関係の冷え切った父と息子の接着剤になるのが、オンボロ・ロボットってのが効いている。“トランスフォーマー”みたいな変幻自在の最新鋭ロボットでなく、強力な武器も持たず、人間と会話も出来ず、ただ相手の動きを真似る“シャドー機能”だけが卓越したスパーリング用ロボット。
だからこそ、なかなか心の通じ合わない親子の二人三脚の中に、物言わぬ“ATOM”がそっと入り、「相手を倒す」と言う単純な目的を共有する三人四脚に妙な説得力が生まれる。そう「子供は親の背中を見て育つ」さながらに。正にアイデアの勝利と言えよう。
父子愛のドラマとしては定番過ぎるくらい定番だが…
これまで幾度も描かれてきた“ロボットもの”であり、“ボクシングもの”であり、“父子愛もの”と言う意味では既視感が漂うのも無理は無い。ただ、本作は、何でも力や金でねじ伏せる偏重社会や、対人関係がうまく築けない人が多いと言った現代社会などの様々な問題も背景に置いてあることで、何とか新しさを魅せるのにも成功していると思う。
ただ、出来れば“ATOM”の正体(出所とか)を観たかったし、もっと“ATOM”と息子マックスとの強い絆が描かれていれば、最後の名勝負での“三人四脚”感と言うか“一体感”に繋がったように思う。それに、判定に持ち込まずに思い切った結末で、スッキリさせても良かったかもしれない…
基本的に“ロボットもの”は好きなんで高評価になります(笑)。しかし、これほど“感情”を持たない(表現しない)ロボットで“感動”できるとは思いませんでした。その意味では“ATOM”以外のロボットの意匠も良かったし、何より前向きなのが良いです。デートにも家族サービスにもお勧めの一本です。
リアル・スティール [文庫] リチャード・マシスン (著)
ロッキー [Blu-ray] シルベスター・スタローン (出演)
チャンプ [DVD] ジョン・ボイト, フェイ・ダナウェイ (出演)
リアル・スティール-オリジナル・サウンドトラック
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