妖怪人間ベム (第5話 11/19) 感想
10/22から日テレで始まったドラマ『妖怪人間ベム』(公式)の第5話『ベムベラベロ誕生の秘密…さよなら妖怪』の感想。第1作目(1960年代後半)原作アニメは幾度も鑑賞済み。
人間を助けるも、怖がらせるも妖怪と言う容姿…
今回も完成度の高いドラマだった。まず、表面的な部分では、人間を助けるのも、人間を怖がらせるのも妖怪と言う容姿(助ける際は妖怪と言う“能力”だが)であると言う設定が、全体的に効果的に使われていた。
特に、当初はどうかと心配になった変身シーンだが、変身に要する時間やCG編集(簡素化したり詳細に見せたり)で、妖怪人間たちの抑揚が上手く表現されたと思う。例えば人間を助けたい時は急激な感情の高揚を短時間で見せたり、「むしろあなたたちこそ人間だ」と言われた高揚は若干じっくり見せたり。
他にもこう言う妖怪人間の細かい感情表現が随所に配慮が、脚本を下支えしているのだろう…
妖怪人間たちの呼び方に細心の注意が払われた脚本も良い…
前回に“視聴者に「家族」に見えることを、うまく利用している”と書いた。今回も冒頭近く、優以(杉咲花)が無くした石を探しに行く際、ベラ(杏)がベロ(鈴木福)にこう言う。
「全く世話しない子だねぇ」
この「子」と言う表現で、さりげなくベロの人間らしさをアピールしておいて、今回は更に中盤で夏目(北村一輝)が犯人に対してこう言う。
「想像できないほどの宿命を背負って、それでも必死で生きている奴らもいるんだぞ」
ここで夏目は敢えて「人たち」と言わずに「奴ら」と言う。これによってまだ夏目の心の迷いを表現しつつ、視聴者にも妖怪であることを再認識させようとしている。そのために、妖怪人間の謎の部分に興味を持ち続けられるわけで、この辺の西田征史氏の脚本の書き込みが良いと思う…
「気付かない」でなく「気付けない…
前回、“週毎に増す「人間になれないエレジー」が良い”と書いた。今回は更に「人間になりたい=俺たちの生きている意味」と言う部分に加え、「人間になりたいと言う願望」が彼らのエネルギーであることがより強く表現されたと思う。
そのためベム(亀梨和也)が犯人に言う、
「なぜ気付けない。人間に生まれた幸運を」
の台詞が効いてくる。「なぜ気付かない」のでなく「なぜ気付けない」のだ。ルールを守れない人間はルールを守る気がない訳で、「わかっちゃ入るけど止められない」のは「わかってない」のと同じ。
そう、ベムたちは「人間」をいつも強く意識しているのだ。だからこそ人間が人間であることを無意識に受け入れているだけの現状(事実)に怒りを込めるし、羨ましくも思う。うまいなぁ…
夏目への告白と言うことで、多少ありきたりな展開ではありましたが、夏目を助けに行く起承転結の“転”辺りから一気に盛り上がり、ラストの直前でストンとしんみりさせて、直後に次週へ繋げると言う、まあ上手い展開でした。
とにかく脚本、演出、俳優の3つのバランスが良いです。次週にも期待します。
妖怪人間ベム 初回放送('68年)オリジナル版 DVD-BOX<通常版> 小林清志 (出演)
妖怪人間ベム大全 [単行本] 不知火プロ (編集)
妖怪ソングセレクション お化けは死なない
日本テレビ系土曜ドラマ「妖怪人間ベム」オリジナル・サウンドトラック [Soundtrack]
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