妖怪人間ベム (第4話 11/12) 感想
10/22から日テレで始まったドラマ『妖怪人間ベム』(公式)の第4話『オイラが守る…放火魔にベロ涙の変身!』の感想。第1作目(1960年代後半)原作アニメは幾度も鑑賞済み。
週毎に増す「人間になれないエレジー」が良い!
先週も書いたが、西田征史氏の脚本が良い。特に、週を追う毎に増す妖怪人間たちの“人間になれないエレジー”が良い。
「エレジー」がピント来ない方もいるだろう。似た言葉に「バラード」がある。「バラード」が感傷的な雰囲気を作り出す曲調(メロディーなど)に対し、「エレジー」は「哀しい」や「悲しい」心情そのものを歌にしたものと言える。
そう、本作が素晴らしいのは、単純に「哀しさ」や「感傷的」な雰囲気を描いているのではなく、「人間に(なりたいか、なりたくないかで無く)なれない」と言う妖怪人間の根本的な「哀しさ」を根っこで描こうとしているから。
簡単に言えば、単純なドロドロ劇とか引き伸ばし作戦とは相反するドラマだってことだ。
視聴者に「家族」に見えることを、うまく利用している…
ご存知の通り、ベム(亀梨和也)とベラ(杏)とベロ(鈴木福)は3人家族ではない。もちろん形体が少年と言うだけでベロは少年では無いし、ベムとベラも成熟した人間の大人でもない。
しかし、ドラマを観ている私たちは、よくできたエピソードのために、今回であれば、ベロが朝比奈光(紺野まひる)に母子のような感情を持っているかのように錯覚してきてしまう。しかし、最後に女が人間の本性をさらけ出し、ベロも妖怪の容姿をさらけ出してしまい、それを観た私たちは(3人が妖怪人間であると言うドラマの中の)現実に引き戻され、ハッと我にかえる。更に夏目刑事(北村一輝)の存在で更に一視聴者に戻る。
こう言う数段構えの練られた脚本によって、この有り得ないドラマの世界観を楽しめているのだと思う。今週もしてやられたと言った感じ…
脚本は緻密で丁寧だし、演出も奇を衒わず正攻法だし、何より妖怪人間を演じる3人が設定にピッタリ。おかげで、唯一のアバタである「変身シーン」もエクボになってしまいます。
いよいよ夏目刑事に正体がばれてしまった。今後の展開も楽しみです。
妖怪人間ベム 初回放送('68年)オリジナル版 DVD-BOX<通常版> 小林清志 (出演)
妖怪人間ベム大全 [単行本] 不知火プロ (編集)
妖怪ソングセレクション お化けは死なない
日本テレビ系土曜ドラマ「妖怪人間ベム」オリジナル・サウンドトラック [Soundtrack]
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