映画「ミッション:8ミニッツ」 感想と採点 ※ネタバレあります
映画『ミッション:8ミニッツ』(公式)を本日映画の日昼の回で劇場鑑賞。キャパ112名に老若男女で50名ほど。意外に多かったかも。
採点は、★★★★☆(5点満点で4点)100点満点なら70点にします。
ざっくりストーリー
シカゴで乗客全員死亡と言う列車爆破事故が起こり、次なる爆破予告が送られる。何とか次の爆破を阻止するため、犯人探しの政府の極秘ミッションが始まる。
任務に選ばれたのは、米軍のエリート、スティーヴンス(ジェイク・ギレンホール)。彼の任務は「爆破の被害者の8分前の意識に入り込み、その男に成りすまして犯人を見つけること」。任務達成のために幾度も8分間の生死を繰り返すスティーヴンスは、あることを思いつく…
低予算でもアイデア一つで良作が出来るプロの仕事…
私も映像屋の端くれとして言わせて貰うと、「うまいこと作るなぁ」と言うのが第一印象。決して豪華キャストでないし、煌びやかなVFXもない、所謂「低予算のB級サスペンス・アクション映画」だ。
しかし、それらを逆手に取ったありきたりな通勤列車と言う日常に、列車爆破と言う非日常を突っ込み、主人公は時空を縦横無尽に駆け巡るタイムトラベラーでなく、わずか8分間だけ他人の意識の中に進入して事故を未然に防がずに、ただ犯人を見つけるという制約付き。
この限られたシチュエーションこそ、本作の面白さであり個性でもある。そして、少ない登場人物たちの名演技も手伝って、エンディングまで細かいことを気にせず楽しめる娯楽作品に仕上がってる。こう言う作品を観ると嬉しくなる。
今回も相当辛口の感想なので、出演者や監督はじめスタッフのファンの方や、最初から4点の採点に異論のある方は、読まないで下さい。また、誹謗中傷の類のコメントは掲載及び返事を控えさせて頂く場合があります。
それでも、「意見には個人差があるから」と寛大なお心の方のみ、採点理由も含めて、詳細はネタバレが含まれますので、ご理解の上、“続きを読む”よりお進み下さいませ。
「列車」と「映画」は相性が良い!
私は基本的に「列車」と言う設定のアクションやサスペンス映画が好きだ。生まれて初めて小遣いを貯めて観た映画は『カサンドラクロス』だし、今年は『アンストッパブル』と言う傑作もあった。
「列車」と「映画」は相性が良いと思う。どちらも客は椅子に固定され、四角い枠の外の動く景色を見て楽しむと言う点で似ているからだ。また、周囲の見知らぬ客を気配で想像したりするのも似ているし、何より同じ目的(地)まで全員一緒だ。
このような意味でも、本作の93分間と言う上映時間も小旅行な雰囲気で悪くない。これが2時間以上になると、もっと刺激が欲しくなるからだ。
誰でも楽しめる作品かどうかはビミョーな仕上りだ!
まず、単なる時間旅行の話でない。だから、「過去に行って未来を変えちゃダメ」とかそう言う次元の話でもない。ただ、『インセプション』のような複雑な夢や潜在意識の世界でもない。
私なりの解釈だと、主人公は死ぬ前の他人の8分間の意識に入り込み動くことが出来、それによって影響(干渉)受けた世界(未来)は、幾重にもパラレルワールドとして存在するって感じ。
言葉で説明すると複雑そうだが、映像ではテンポ良く見せてくれるから、SF映画が好きな人なら十分に楽しめるはず。ただ、「予測のできない結末」だけを目当てに行くと、途中が難しかったりダレるかもしれない。
突っ込み所も無いわけで無い…
まず、「予測のできない結末」だが、私はこれに期待をしたわけで無いが、正直言うと想定内。ただ、エンディングでストップモーションで終えるか、続くかは賛否両論ありそう。
また、主人公は犯人を見つけるために妙に暴力的になったり、爆弾の起爆装置を簡単に解除しちゃったり、主人公に乗り移られた教師の立場とか、主人公が中盤から軍人魂を語りだしたり、些か解せない部分もチラホラあるのも確か。でも、それらに目をつぶっても良いほど面白いと思う。
低予算でも、クリエーターたちの豊かな創造力さえあれば、面白い作品が作れると言う良い例だと思います。犯人探しの楽しみは少な目ですし、解釈も簡単なものではありません。でも、たまには「このラスト、映画通ほどダマされる!」って宣伝文句にダマされるのも悪くなかった、低予算のB級サスペンス・アクション映画です。
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