映画「ハンナ」 感想と採点 ※ネタバレあります
映画『ハンナ』(公式)を、先日鑑賞。新宿ピカデリーでは八月末から公開しているため観客は少な目。
全く期待はしていなかったので、裏切られはしませんでしたが、ただただ残念って感じで、採点は、★★☆☆☆(5点満点で2点)100点満点なら45点、にします。
ざっくりストーリー
元CIA工作員の父親に、フィンランドの山奥で、まるで戦闘マシーンのように、感情を持たず相手の痛みも知らないまま育てられた16歳の少女・ハンナ(シアーシャ・ローナン)。その能力は父親をも凌ぐほど強力だった。
ある日、ハンナは父親の許からヨーロッパへ旅立つ決意をする。しかし、父の元同僚捜査官・マリッサ(ケイト・ブランシェット)がしつこく命を狙ってくる…
見所は、最初と最後の各10分だけ。中盤はグダグダ…
ネタバレはあとにするとして、冒頭の10分はグイグイと引き込まれる。この緊張感とテンポで突き進めば面白そう。と思いきや、その後は一気にトーンダウン。
最も困るのが、ハンナがあそこまで追跡される理由も、逃げる理由も、よくわからないままに物語りが進行してしまうこと。途中、いろいろ散りばめられている謎が解かれたりするるが…
言いたいこと伝えたいことは何となくわかるし、この類の作品ではその辺はスルーすべきかもしれないが、プロローグとエピローグの各10分が上手にシンクロされるように工夫されている脚本を考えると、中盤にも工夫が欲しかった。ホント残念…
今回も相当辛口の感想なので、出演者や監督はじめスタッフのファンの方や、最初から2点の採点に異論のある方は、読まないで下さい。また、誹謗中傷の類のコメントは掲載及び返事を控えさせて頂く場合があります。
それでも、「意見には個人差があるから」と寛大なお心の方のみ、採点理由も含めて、詳細はネタバレが含まれますので、ご理解の上、“続きを読む”よりお進み下さいませ。
ジョー・ライト監督のシアーシャ・ローナン愛…
ジョー・ライト監督は、余程シアーシャ・ローナンが気に入っているのだろう。それがキャメラを通してビンビン伝わってくる。だが、残念ながらそれだけ。
特に屋内シーンのキャメラワークが良くない。本作の見せ場であるアクションに全くスピード感が無い。屋外シーンも、ドカーンと引くのはスケール感があってよいのだが、中途半端に引いたサイズでアクションさせるから、何とも中継みたいになっちゃって。
ケミカル・ブラザーズの音楽も、楽曲自体は良いのだが、画と雰囲気が合っていないと言うか、楽曲を生かすような斬新なキャメラワークが必要だったと思う。
総じて何か物足りないような演出だった…
やはり問題は脚本…
冒頭で書いた通り、最後まで“無駄”の一語。無駄に親元を離れ、無駄にCIAに捕まり、無駄にCIAから逃げ、無駄にアメリカ人家族と集い、無駄に人を殺す。
結局、中盤の青春映画みたいなくだりを入れたい監督(脚本家か?)の気持ちは察するが、ならば脚本家はもっとアメリカ人家族の人物描写をちゃんとやらないと、あそこだけ別作品みたいになってしまう。
もちろん、CIAの追っ手も、ハンナの母親も、些か人物描写が甘い。その辺が違えば、だいぶ作品が締まってくると思うのだが残念…
『ニキータ』『レオン』『ソルト』のような無敵の女が大活躍するバイオレンス・アクション系の少女版だと思うと、痛い目に合うと思います。
シアーシャ・ローナンのファンなら是非劇場の大画面で必見です。その他の方はDVDでマッタリ鑑賞で良いような…
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/3044/

















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