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映画「モールス」 感想と採点 ※ネタバレあります

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モールス

映画『モールス』公式)を、初日の初回(8:45開演)にて鑑賞。130席余りに6名は多いのか少ないのか…。

なお、リメイク元のスウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』は未見。原作小説も未読。ですから、『ぼくの~』や原作と比較はありません(って言うか、出来ません)。

採点は、★★★★☆(5点満点で4点)。100点満点なら70点。

ざっくりストーリー

雪に閉ざされたある町。片親(母)でいじめられっ子の少年オーウェンが暮らすアパートの隣室に、アビーと言う美少女が越してくる。彼女は雪の上でもなぜか裸足で、自分の誕生日も知らない不思議な少女。やがて徐々に二人は惹かれあい、壁越しのモールス信号で心を通わせていく。
ある日、自分の隠れ家で絆を確かめようとするオーウェンは、アビーに隠された哀しくも恐ろしい秘密を知ってしまう。
一方、町では残虐な連続猟奇殺人が続いていた。事件を担当する刑事は、やっと二人の住むアパートへ辿り着く。そして全容が明らかになったその時、オーウェンは究極の選択をする…。

リメイク元を観ていなくても、十分楽しめる!

前述の通り、私はリメイク元を観ずのままだったが、本作だけで十分に楽しめた
予告編からは容易に想像できない(よく見ればわかるが)12歳の少女・アビーの抱える運命と、彼女に惹かれていく12歳のオーウェンの純粋な感情が、正に切ないラブストーリーになっている。
問題は、ホラー(スリラー)要素とのバランス。ここが判断の分かれる所。私は良くも悪くもハリウッド映画らしいと高評価した。


今回も相当辛口の感想なので、出演者や監督はじめスタッフのファンの方や、最初から4点の採点に異論のある方は、読まないで下さい。また、誹謗中傷の類のコメントは掲載及び返事を控えさせて頂く場合があります。
それでも、「意見には個人差があるから」と寛大なお心の方のみ、採点理由も含めて、詳細はネタバレが含まれますので、ご理解の上、“続きを読む”よりお進み下さいませ。

ここからネタバレあります!














「モールス」よりも原題「LET ME IN」がピッタリ!

オーウェンもアビーも非常に孤独と言う共通点がある。そして、オーウェンは唯一の理解者である別居中の父親に、アビーは彼女のために殺人を犯し生き血を採取する男に、頼るべきか一人で生きていくべきかを悩む。
そこが原題『LET ME IN』とつながる。「部屋に入れて」と言うこの言葉は、自分の存在を受け入れて欲しいことを意味しつつ、理解者がいないと生きていけない厳しさを表した秀逸なタイトルだと思う。
確かにモールス信号が一つのアクセントであるが、気が利いた使われ方は、最後の汽車の中での二人の会話くらい。アビーのために悲惨な運命を辿った男と同じ、究極の愛の生きざまを選択した12歳のオーウェンが、“PUSS(スウェーデン語で「小さなキス」”というモールスを打つシーンは深く考えさせられるが…

30点の減点理由…

劇中でアビーが幾度か「私は普通の女の子ではない」と言うが、「私は人間ではない」とは一度も口にしない。だとすれば、もっと12歳のアビーの微妙な「性」がより深く表現されないとバランスが良くない。そうすれば、アビーと共にそれを乗り越えようとするオーウェンの意志の強さや重さを増したはず。
しかし、本作がそうしなかった理由は、ハリウッド映画らしい「わかりやすい表現」を多用したからだろう。台詞回しはテンポ良く、前半を除けば映像より台詞での直接表現が多く、喜怒哀楽や敵味方のわかりやすさ。
特に顕著なのが、ラスト間近のプールのシーン。アビーの姿こそ見えないが、以前に学校でのいじめを告白したオーウェンに、「仕返しするのよ。私が守ってあげるから」と力強くもやさしく答えたアビーの行動とは思えぬほどの、残虐な描写。これこそハリウッド版とも言えるが、切ないラブストーリーとホラー(スリラー)のバランスとしては、私はホラー要素は若干抑え目で心理描写中心でも良かったと思う。
ただ、こうして書いていて思ったのは、もしかしてこちらの方向性が、スウェーデン版だとしたら、一度観てみる必要がありそうだ。


私が大好きなヒッチコック監督の『裏窓』をモチーフにした、冒頭からの雪に閉ざされた町の閉塞感は見事でした、ただ、その「寒さ」や「静けさ」をベースに重くずっしり描くのではなく、「孤独」を前面に押し出したホラー(スリラー)映画になり過ぎていたようにも思います。

また、ヴァンパイアのCGや特殊メイクは、何かの効果を狙っているのでしょうが、私にはしょぼく見えました。でも、暴走する自動車が崖から転落するシーンで、事故の一部始終を男の一人称目線でワンカットで描いたのは新鮮でした。

★★★と悩みましたが、二人の主役の演技力と存在感を一つプラスしました。ホラー映画が苦手な人には積極的に勧められませんが、謎の少女に恋をした少年が、やがて彼女の秘密を知り、自分はどう生きていくかと言う衝撃のラストは、観る人によって様々に受け取れて楽しめるはずです。夏にヒヤッとしつつ、切なく怖ろしいラブストーリー、お勧めの1本です。


【追記 2011-08-08 07:00】
リメイク元の映画『ぼくのエリ 200歳の少女』をDVDにて鑑賞しました。『ぼくエリ』を未見なら、そのまま『モールス』を先に観ることをおススメします。
映画「ぼくのエリ 200歳の少女」DVD鑑賞 感想と採点 ※ネタバレあります


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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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