映画「ブラック・スワン」 感想と採点 ※ネタバレあります

本家ブログのトラックバックURL
http://director.blog.shinobi.jp/Entry/2689/
↑TBとコメントは上記へ願います!
クリックで本家記事へ飛べます!!



ブラック・スワン

映画『ブラック・スワン』公式)を、初日のレイトショーで鑑賞。平日で、しかも終演23時過ぎの割りに観客は約20名は多いと思う。。

採点は、★★★★☆(5点満点で4点)。100点満点なら85点。

ざっくりストーリー

ニナ(ナタリー・ポートマン)はニューヨーク・シティ・バレエ団のバレリーナ。技術は完璧で優等生タイプの女性。ニナを産み引退した、元バレリーナでステージママ的な愛情の持ち主の母親エリカ(バーバラ・ハーシー)と一緒暮らしている。
ある時、芸術監督のトーマス(ヴァンサン・カッセル)が花形プリマ(主役)のベス(ウィノナ・ライダー)を新シーズンの『白鳥の湖』から降板させることを決め、ニナがプリマの第一候補として躍り出る。
しかし、優等生のニナが演じる「白鳥」は自他共に認められたが、官能的で強(したた)かな「黒鳥」を演じるには大きな壁が立ちはだかっていた…

人間の心に潜む様々な対極の世界を自由に行き来する!

久し振りに奇を衒わない映画らしい映画を楽しめた。人間の心の中に潜む様々な対極的な要素を見事に映像化していると思う。
もちろんキャスティングは良い。しかし、それ以上に監督の演出(特にカット割りと音楽の使い方)やキャメラも編集もCGも素晴らしい。
いずれも「明るい舞台と暗い舞台裏」、「舞台上の笑顔と日常の苦悩」と言った対極の世界の境界線を、自由に行き来する独特の感覚を創造している点も見逃せない。

名作だが、誰にでもおススメはできないのが残念…

まず、バレエが好きで、美しい『白鳥の湖』を演じるプリマが主役を射止めるまでのヒューマン・ドラマを期待しちゃダメ。また、お子様にバレエを習わせていて、親子で観ようと言う方はまず『R15+(15歳未満は観覧禁止)』だからお察しを。また、カップルで気軽にバレエ映画でも観ようか?と言うのも厳しいかも。
最後に、第83回アカデミー賞「主演女優賞 」の演技を見ようと思ってる人へ。私の左隣の50代のご夫婦と右隣の30代の男性二人組が、中盤から最後まで「わからない」を連呼して帰って行ったのを付け加える…


今回も相当辛口の感想なので、出演者や監督はじめスタッフのファンの方や、最初から4点の採点に異論のある方は、読まないほうが良いかも。
「意見には個人差があるから」と寛大なお心の方のみ、採点理由も含めて、詳細はネタバレが含まれますので、ご理解の上、“続きを読む”よりお進み下さいませ。

ここからネタバレあります!














事前にバレエ『白鳥の湖』を知っておくと楽しめる!

劇中でも解説されるが、バレエ『白鳥の湖』をご存じない方は、知っておくと特にラストの舞台のシーンをより楽しめるはず。そこで簡単にご紹介。ご存知の方はスルーで。

バレエ「白鳥の湖」のあらすじ…

昔々、ある森の湖に、美しい白鳥たちが住んでいました。実はその白鳥たち、悪魔ロットバルトによって、昼間は白鳥、夜は人間の姿に戻ると言う魔法をかけられた囚われの身でした。
ある晩、湖の近くに住む王子ジークフリートは、美しいオデット姫と出会い恋に堕ちます。そして、王子は姫は魔法をかけられていることを知り、魔法の解き方を聞きます。 その方法は、王子が姫に永遠の真実の愛を誓い、裏切らず結婚をすると言うもの。そして、王子は姫に永遠の愛を誓います。
翌日、お城で王子の婚約相手を選ぶ晩餐会が開かれます。ところが、王子は悪魔の魔法で姫そっくりに化けた女性オディール(悪魔の娘)に心を奪われてしまいます。
誓いを破られ絶望の淵に立たされたオデット姫は、自ら湖に身を投げ、王子もその後を追う…
※版によってハッピーエンドもある。例えば、王子が悪魔の企みに気づいて倒して魔法が解けたり、二人の愛の強さで悪魔が死んで魔法が解けたり。

重圧に耐えられず精神崩壊する過程を描いただけでない!

簡単に言えば確かに「プリマになる重圧に耐え切れずに、精神崩壊していく過程を描いたサイコ・サスペンス・ホラー」とでも言おうか。しかし、そんな簡単な作品ではない。一人の孤独なバレリーナの生き様を、最も美しく、最も難しく、最も怖く描いた作品だ。そして、その生き様をナタリー・ポートマンが見事に演じきる。
後日談でバレエのシーンは、ボディダブルの部分もあったと噂されるが、そんなことが吹き飛んでしまうくらいの狂気の世界に浸り、鑑賞後はどっぷりと疲れるのが、本作の正しい楽しみ方のように思う…

全てが白と黒の「対極」の世界に凝縮されている!

冒頭でも書いた通り、人間の心に潜む様々な対極の世界が描かれる本作。
名誉と恥辱、喝采と罵声、自由と束縛、享楽と禁欲、正気と狂気、受諾と拒絶、緩和と緊張、自己再生と自己崩壊、生と死、そして男と女など…
これらの「対極」の世界が、鏡やホラー映画的手法を上手く取り入れ、WHITE SWANとBLACK SWANに凝縮される。このメリハリ感とも曖昧さともどちらにも解釈できる脚本・演出・演技が素晴らしい。


久し振りに観た後に興奮しまして、上映後すぐに席を立てませんでした。私としては全体を通して「(予想以上の作品の良さに)やられたぁ」と言う爽快感と、主人公ナタリーの苦悩とラストでの恍惚の表情とも言える微笑が印象的でもあり、重く深く考えさせられました。

映画らしい映画を観たい方に、是非お勧めしたいです。少なくとも最近の全部セリフで説明しまくりの日本映画にうんざりしている方は、トウシューズの床と擦れる音などの微妙な効果音や洗練された音楽をじっくり楽しんではいかがでしょう。きっと満足するはずです。


blogram投票ボタン 人気ブログランキングへ Yahoo!ブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク livedoorClip del.icio.us newsing FC2 Technorati ニフティクリップ iza Choix Flog Buzzurl  あとで読む
   

レスラー スペシャル・エディション [Blu-ray] ダーレン・アロノフスキー (監督)
レオン 完全版 [Blu-ray] ナタリー・ポートマン (出演)
ブラック・スワン オリジナル・サウンドトラック
Soundtrack [Soundtrack, Import, from US]
関連記事
スポンサーサイト



トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

映画「ブラック・スワン」 感想と採点 ※ネタバレあります

映画『ブラック・スワン』(公式)を、初日のレイトショーで鑑賞。平日で、しかも終演23時過ぎの割りに観客は約20名は多いと思う。。 採点は、★★★★☆(5点満点で4点)。100点満点なら85点。 ざっくりストーリー ニナ(ナタリー・ポートマン)はニュー?...

コメント

コメントを残す

Secret

※なお、送られたコメントはブログ管理人が承認するまで公開されません。
※また、当blogの「コメント,トラックバック&リンク・ポリシー」に基づき、管理人が不適切、不適当、不愉快と感じたコメントは非公開、または予告無く削除します。

楽天市場PR

TB送信について

一部のブログサービス(特に、FC2ブログ)宛に、FC2からトラックバックが届かないケースが発生中です。

最新記事

PR


カテゴリー+月別アーカイブ

 

検索フォーム

PR