連続テレビ小説「ブギウギ」 (第35回・2023/11/17) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ブギウギ』
公式リンク:Website、X(旧Twitter)、Instagram、YouTube
第35回/第7週『義理と恋とワテ』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
日宝からの引き抜きの話を断ったスズ子(趣里)は、辛島部長(安井順平)に謝りを入れる。初めは辛島に怒られるスズ子だったが、羽鳥善一(草彅剛)のとりなしもあり、これまで通り梅丸で活動していくことになる。一方、中山からのプロポーズを断わった秋山(伊原六花)は、大阪へと戻っていく。そして迎える本番の日。スズ子の「センチメンタル・ダイナ」が響き渡る。仕事に、恋に、悩むスズ子と秋山、青春のセッション!
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
原作:なし
脚本:足立紳(過去作/六畳間のピアノマン,拾われた男 Lost Man Found) 第1~7週
櫻井剛(過去作/表参道高校合唱部!,あなたのブツが、ここに)
演出:福井充広(過去作/てるてる,家族純情きらり,ミス・ジコチョー) 第1,3週
二見大輔(過去作/半分、青い。,なつぞら,カムカムエブリバディ)
泉並敬眞(過去作/まんぷく,スカーレット,カムカムエブリバディ) 第2,7週
鈴木航(過去作/あさが来た,べっぴんさん,スカーレット) 第4,5週
盆子原誠(過去作/カーネーション,とと姉ちゃん,おちょやん) 第6週
音楽:服部隆之(過去作/王様のレストラン,翔太の寿司,のだめカンタービレ,HERO)
歌劇音楽:甲斐正人(過去作/映画「蒲田行進曲」(松竹/1982)劇伴担当)
舞台演出:荻田浩一(過去作/元宝塚歌劇団所属の演出家)
ロゴ・OP映像:牧野惇(過去作/東京パラリンピックのオ-プニング映像)
主題歌:中納良恵・さかいゆう・趣里「ハッピー☆ブギ」
語り:高瀬耕造(NHK大阪アナウンサー)
「土曜日版」ナレーション:北郷三穂子(NHK大阪アナウンサー)
制作統括:福岡利武(なつぞら,青天を衝け)
櫻井壮一(過去作/おちょやん,あなたのブツが、ここに)
※敬称略
金曜日の冒頭で、ちゃんとツヤを組み込んできた
ウチのブログに来てくれて、ありがとさん。
(私のブログに来てくれて、ありがとうございます。)
「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、ウチが管理人のみっきーやで!
(「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、私が管理人のみっきーです!)
今週は、ず~~~っと褒め続けてきて、私の人間性が変わったのかと思うくらいだ(苦笑)
今回も冒頭から褒めていこう。
やはり、やはり、気になっていたのだ。
そう、母・ツヤ(水川あさみ)の病状含めて、大阪のことが。
しかし、ここ数回は描かれなかった。
でも、金曜日の冒頭で、ちゃんとツヤを組み込んできた。
それも、子供時代の花田鈴子(澤井梨丘)と六郎(又野暁仁)のセピア色の写真と共にだ。
やはり、良くできているドラマは “世界観” の作り方がうまい。
特に今作は、「主人公が生きている世界」と「主人公が生かされている世界」の両方をちゃんと盛り込んでくる。
もう一つ加えれば「主人公が生きているから成立する世界」とでも言おうか。
主人公が画面にいなくても、主人公がその舞台にいなくても、しっかりと主人公の存在が分かる。
今回のアバンタイトルのツヤの手紙の朗読シーンなんて、正に3つが合体している。
その上、多くの視聴者は、前回でスズ子(趣里)が日宝の大林社長(利重剛)に啖呵を切って、辛島部長(安井順平)との仲がどうなるかヤキモキしているのを察して、僅か35秒間でサクッとメインタイトルへ。
この辺の潔さ、メリハリの良さ、テンポ感こそが、今作の魅力の一つだと思う。
足を負傷した辛島部長で二階から飛び降りたくだりを"回収"
本編の感想だ。
あまり、こういう表現で褒めたくないのだが、最も分かりやすいし的確だから使わざるを得ない。
本当に、丁寧に詳細に至る部分まで “回収” しまった15分間だった。
もちろん、やや置き去りにしていたアバンのツヤも然りだが。
まず、足を負傷した辛島部長で二階から飛び降りたくだりを “回収” だ。
別に、「大したケガが出なかった」「数日たって治った」でも良いのに、ギプスを装着して、羽鳥善一(草彅剛)が松葉杖で遊んで(笑)
しかも、足底部分の包帯がきれいだから、辛島が足を床や地面につかないように気を遣っていることや、松葉杖がちょっとお気に入りのものであることなども匂わせて。
辛島の性格の細かさと同時に、“広い心” をもつ羽鳥との性格の違いも見せている。
母の治療費の問題も"回収"
更に、母の治療費の問題も “回収” した。
因みに、[史実]は笠置シヅ子さんの月給は200円で超破格だったが、150円を実家に仕送りしていた。
当時の資料が乏しく、このころは社会的な要因や業種によっても大きなばらつきがあったため、単一の平均値を特定するのは難しい。
更に、日中戦争(支那事変)が進行している時期で、日本人全体の収入が少なかったと思われる。
因みに、劇中の時代の10数年前のことだが、下記のサイトに次の記載があった。
今から100年前「大正時代」はどんな時代だった?物価は?初任給は? | コラム | auじぶん銀行
大正末期の大卒サラリーマンの初任給(月給)は、50~60円というデータがあります。また、職業婦人の平均月給はタイピストが40円、電話交換手が35円、事務員が30円だったそうです。
やはり破格の月給だったことは間違いなさそうだ。
不倫疑惑は、妻の麻里と息子・カツオで"回収"
さて、お次の “回収” は、不倫疑惑の羽鳥善一のことで、回収担当は妻の麻里(市川実和子)だ。
更に、息子・カツオ(髙田幸季)を利用して、スズ子と顔芸でコント!
外は大雨が降っており昼間なのに真っ暗だが、雨が吹き飛ぶくらいに朝ドラで笑ったのは久しぶりだ。
ここからは完全に私の推測だが。
スズ子と麻里の間で妙に存在感があった生け花に注目してみた。
黄色の花が「レンギョウ(連翹)」で、緑色が「キバデマリ(黄葉手毬)」だっただろうか?(自信なし)
「レンギョウ」の開花時期は3月下旬~4月上旬で、春に咲く黄色い花の代表格だ。
樹形がアクティブなので生け花にも使われる。
花言葉は、青い空に向かって真っすぐ枝を伸ばして花を咲かせる姿から「希望」だ。
もう一つの「キバデマリ」は、生け花で枝物として使われる品種で、春に鮮やかな黄緑色の葉っぱを見せるのが特徴。
葉っぱの間に小さな白いまん丸の花をつけることから「黄葉手毬」というわけ。
花言葉は、細い枝を上手に伸ばしながら白くて丸い小さな花をつけることから「努力」。
スズ子「お給料が どんなに上がっても
ワテを大切にしてくれ場所におりたいと思たんです」
あくまでも妄想だが、「希望」と「努力」はこのシーンにピッタリな花言葉だと思う(… ホント思うだけ・笑)
ご丁寧なことに「せっせっせ~」までも、涙なみだで"回収"
中盤では「待ってました!」と言わんばかりに、ここから「東京編」が始まった… 下宿の場面で。
効果音付きの土俵入り! って(笑) それも夕景の俯瞰ショットで影の長さが怖い(笑×2)
その上、まわしを締めた秋山(伊原六花)の「Y字バランス」か~ら~の~「 アラベスク アラセゴン=バレエで片足で立ち、もう片方の足を上げるポーズ」で “一本” がスゴすぎ!!
その後は、ホームドラマらしくちゃんこ鍋の俯瞰ショットから、子供がいない夫婦の小村チズ(ふせえり)と夫・吾郎(隈本晃俊)との “4人家族の団欒風景” だ。
小林夫妻の大阪訪問の “夢” につなげつつ。
几帳面な文字の「梅丸楽劇団 秋山美月」のサイン色紙と、土俵入り姿の博多人形? が、いい感じで “夢” にも重なった。
更に、ご丁寧なことに「せっせっせ~」までも、涙なみだで “回収” しちゃった。
本当にスゴイのは、"映像"で"結末"として描き切ったこと
馬鹿の一つ覚えのように「回収」を言いまくったついでに、野暮なことまで書いちゃうと。
秋山が、東京の梅丸楽劇団(略称・UGD)を去り、大阪の梅丸少女歌劇団(略称・USK)に帰ること。
そのこと自体が、月曜日に大阪からやって来た林部長(橋本じゅん)の次のセリフの “回収” であり、“ふたりの答え” になっている。
林「どっちか1人だけでも戻ってくれると うれしいんやけどな」
とにかく、今作がスゴイのは、ことごとく “回収” したことではない。
本当にスゴイのは、ことごとく “映像” で “結末” として描き切ったことだ。
前作『らんまん』も、あれこれ頑張って回収はしていたが、半分近くはナレーション処理だった。
でも今作は、回想シーンでもなく、新撮影の “映像” で見せて魅せたのだ。
ホント、ここまでやらなくてもいいのに… のレベルまでやり切った。
ここには、是非とも気づいてほしい。
随所に、作り手のこだわりや矜持が見えた放送回
そして、大ラスのステージシーンだ。
ハッキリ言うが、列車中にいる秋山のタップも、歌にシンクロさせる必要も。
いいや、ここまで描き切ったら、スズ子のステージシーンも、盛り込まなくても伝えるべきことは伝わっているのだ。
しかし、作り手たちは、ステージもタップも、列車の中も作り込んだ。
専門的になるが、ステージ照明なんて、今どきは舞台も映像の現場も全部 LED照明だ。
だから、当時の当時の舞台照明の色合いを再現するのは大変なのだ。
当時の舞台照明器具には、主に白熱電球や蛍光灯が使われていた。
色をつけるためには、カラーフィルターやゲル(ゲルフィルター)が使用されていた。
だから、どうしてもパリッとした色合いになってしまう。
でも今作は工夫して、当時の色合いの再現、特に黄色と青緑色は頑張ったと思う。
随所に、作り手のこだわりや矜持が見えた放送回だったと思う。
列車中の秋山のシーンで、作り手のこだわりが見えた部分
そして、最後にもう一つ付け加えておこう。
列車中の秋山のシーンで、作り手のこだわりが見えた部分。
それは、最後にお客さんにお礼をいうカット以外のほぼすべての秋山が上手(画面右)向きだったことだ。
細かい理由は、下記の投稿を読んでいただくとして。
[演出プチ講座] 映像の掟~画面内の人物の位置や視線(目線)の向きには意味がある~
簡単にいうと、秋山が画面右側を見ているようなカットのほうが。
秋山が自身の将来、スズ子の将来、梅丸の将来について、明るく前向きに捉えていると見えるのだ。
そして、敢えて「窓の外の風景」を白で飛ばして見えなくすることで、「大阪へ向かう」のでなく、「白いキャンバスのような夢に向かう」イメージにしているのだ。
なかなか、考えられた演出だと思う。
あとがき(その1)
作り手のこだわりが随所に見えた秀逸な回でした。
月曜日から木曜日の4日間で「起承転結」をやって。
金曜日は、1週間分のエピローグであると同時に。
ストーリー全体の区切りとして、スズ子の成長、変化で見せて魅せる。
いい構成だと思います。
あとがき(その2)
今回登場したのが、1940年4月に発売されたスローテンポの「センチメンタル・ダイナ」です。
1935年の大ヒット曲で、ディック・ミネの「ダイナ」へのアンサー・ソングと言われている曲です。
前半がスローテンポでブルースのように哀愁漂う旋律なのに対して、後半は一気に軽快にスイングする構成で。
1968年リリースのザ・ビートルズの「ヘイ・ジュード」の曲構成に似ているので、聞いてみてほしいです。
The Beatles - Hey Jude YouTube
あとがき(その3)
このあと、『"史実"「ブギウギ」笠置シヅ子の東宝移籍騒動ミステリー』をすぐに投稿します。
“史実”朝ドラ「ブギウギ」笠置シヅ子の東宝移籍騒動ミステリー
今回、今週を見終えた後のほうが「史実は史実」として受け入れやすいかなと思ったからです。
もちろん、興味関心のない方は「土曜日版」の感想で、またお会いしたいと思います。
みっきーの植物図鑑(第165回)
先日訪問した、‘歴博’こと国立民族歴史博物館の「くらしの植物苑」での写真です。
この花の名前は何でしょう?

私にとっては、秋の訪れを感じさせる花「シュウメイギク(秋明菊)」です。
「キク(菊)」とありますが、菊の仲間ではなく、キンポウゲ科の植物です。
キンポウゲ科の植物の多くが花びらを持っておらず、シュウメイギクも花びらに見えている部分は「ガク」になります。
では、なぜ「菊」なのか?
もともと、中国では「秋に咲くこの世のものとは思えない美しい菊」との意味で「「秋冥菊(シュウメイギク)」と書いたそうで。
日本では「冥」の文字が「冥土=死後の世界」をイメージされるとのことで、「秋に咲いて明るく彩る菊の花」と縁起が良いように後付けして「シュウメイギク(秋明菊)」に。
花言葉は色に関係、「薄れゆく愛」「淡い思い」「多感な時」「忍耐」などがあります。
淡い色合いと、ふんわりした雰囲気、風に揺れる様子から由来したと思われます。
日本では野生化しているので、近くにもあると思います。
結びに
ほんなら、また来てな。
それでは、また来てね。
★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/18355/