連続テレビ小説「ブギウギ」 (第2回・2023/10/3) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ブギウギ』
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第2回/第1週『ワテ、歌うで!』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
アホのおっちゃん(岡部たかし)だけを、いつもタダで銭湯に入れてあげていることが気になった鈴子(澤井梨丘)は、ツヤ(水川あさみ)に理由を聞く。ツヤは銭湯を開いた初日のアホのおっちゃんとの思い出話をして、「義理と人情」だからだと言う。自分も「義理」を返したいと思い立った鈴子は、親友のタイ子(清水胡桃)に義理を返すため、タイ子の片思いを成就させてあげようとお節介をするのだが…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
原作:なし
脚本:足立紳(過去作/六畳間のピアノマン,拾われた男 Lost Man Found) 第1週
櫻井剛(過去作/表参道高校合唱部!,あなたのブツが、ここに)
演出:福井充広(過去作/てるてる,家族純情きらり,ミス・ジコチョー) 第1週
二見大輔(過去作/半分、青い。,なつぞら,カムカムエブリバディ)
泉並敬眞(過去作/まんぷく,スカーレット,カムカムエブリバディ)
鈴木航(過去作/あさが来た,べっぴんさん,スカーレット)
盆子原誠(過去作/カーネーション,とと姉ちゃん,おちょやん)
音楽:服部隆之(過去作/王様のレストラン,翔太の寿司,のだめカンタービレ,HERO)
歌劇音楽:甲斐正人(過去作/映画「蒲田行進曲」(松竹/1982)劇伴担当)
舞台演出:荻田浩一(過去作/元宝塚歌劇団所属の演出家)
ロゴ・OP映像:牧野惇(過去作/東京パラリンピックのオ-プニング映像)
主題歌:中納良恵・さかいゆう・趣里「ハッピー☆ブギ」
語り:高瀬耕造(NHK大阪アナウンサー)
制作統括:福岡利武(なつぞら,青天を衝け)
櫻井壮一(過去作/おちょやん,あなたのブツが、ここに)
※敬称略
今作は徹底的に "義理と人情" に拘るようだ
前回と今回で、これでもかと言わんばかりに “義理と人情” に重点を置いて展開する今作。
この辺は、大きく好みが分かれるとは思う。
しかし、“連ドラ” の第1回と2回目と考えると、前回の終盤での鈴子(澤井梨丘)に母・ツヤ(水川あさみ)がいったセリフ…
ツヤ「この世はな 義理と人情で出来てんねん」
を、第2回は真正面で受け止めて。
更に、母・ツヤの「義理を返すんが 人情や」を経由して、次のセリフまでけん引した。
ツヤ「あんたの そのおせっかいなところが いいとこでもあんねんけどな(字幕ママ)」
どうやら、今作は徹底的に “義理と人情” に拘るようだ。
各種説明が "物語" の流れの中で行われている
繰り返しになるが、好みはあるとは思うが。
まだ、今作のテーマは見えてこないが、きっと “義理と人情” はテーマにとても隣接しているとは思う。
だとすると、初期段階でしっかりと強調しておくのは良いこと。
そして、“義理と人情” を強調しつつ、各登場人物らのキャラクターを見せつつ、それぞれの人間関係と現在の状況説明が、ちゃんと “物語” に組み込まれて展開している。
とかく、朝ドラに限らず最近のテレビドラマは、いろいろな説明は、“物語” を中断して行われることが多い。
しかし、今作は “物語” の流れの中に上手く盛り込んでいるから、「只今、説明中!」みたいな取って付けた感じが薄い。
更に、各種説明が “物語” の流れの中で行われているため、テンポがよく、展開も早く感じる。
第2回で、「歌が好き」と"進む道"を提示したのは早い展開
だって、まだ第2回なのだ。
しかし、第2回で、「小さいころから母が歌う歌が好き」というキャラ説明をさらっとやって)。
「花咲少女歌劇団」という “進む道” までつなげてきた。
これ、朝ドラとしては早いと思う。
そこで最近の朝ドラを調べてみた。
前作の『らんまん』の第2回は、まだ「バイカオウレン」すら見つけていない。
『舞いあがれ!』は、久留美からの手紙を貴司が紙飛行機にして舞に渡し励ました。
『ちむどんどん』は、暢子が和彦と山で遭難…
『カムカムエヴリバディ』は、安子が和菓子職人になりたいと願うが「おなごだから」と却下される。
こうしてみると、ヒロインの “未来” を匂わせる作品はあるが、そっちに進む提示は弱いのだ。
先日も書いたが、実在のモデルが明確になっている題材の場合、無駄に引っ張るのも引き延ばすのも、あまり得策とは思わない)。
だって、視聴者の多くが “進む道=未来” を知っている。
敢えて書かないが、今回登場した「花咲少女歌劇団」が “あれ” で、受験するも “ああ” なるのは歴史としてあるわけだから。
始まったばかりで何ともいえないが、王道のNHK大阪局制作朝ドラとしては悪くないと思う。
「音楽を扱う朝ドラ」では、劇中と自分の思い出が連鎖する
個人的な話を描こうと思う… ので、興味のない方は「あとがき」へどうぞ。
以前にも書いたことがあるが、私、NPO時代に地域SNS立ち上げにかかわっており、25年くらい前から兵庫とご縁がある。
きっと、兵庫近隣の人は「知っていて当然」のことだと思うが、関東圏の人は知らないと思うので書いてみる。
今回で登場した、母・ツヤが生まれたばかりの鈴子に歌って聞かせていたというあの曲のことだ。
あれ、神戸に住んでおられたご老人から聞いた歌で、兵庫に伝わるわらべ歌『れんげ摘もか』だ。
古くは、ゲンゲの花を歌った歌で、ゲンゲとは「紫雲英=レンゲ」のこと。
だから、劇中のツヤは「れんげ摘もか」と歌っていたわけだが、「げんげ摘もか」など、京都、大阪、兵庫、岡山では微妙に歌詞が違うという。
で、この歌は「鬼ごっこ」を始める前の準備段階で唄われることが多とのことで。
思い出したのが『今年の牡丹は よい牡丹』と『あぶくたった にえたった』だ。
どちらも「鬼ごっこ」の時、子供のころに歌った童謡だ。
こういう懐かしい歌、懐かしい風景を、一瞬で思い出させてくれるのも “音楽” の魅力。
今回の『れんげ摘もか』には私の幼少期の思い出はないが、「音楽を扱う朝ドラ」ではこうやって思い出が連鎖するものだ。
そう、『エール」が正にそれだった… だけに、期待が膨らむ。
あとがき
今回で、さりげないけど、最も良かったのは、ナレーションですね。
短い説明で、的確に「花咲少女歌劇団」を説明できていました。
ああいう場面では、再現VTRみたいなのを入れて奇を衒う脚本や演出が多いと思いますよ。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/18251/