連続テレビ小説「ブギウギ」 (第1回・2023/10/2) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ブギウギ』
公式リンク:Website、X(旧Twitter)、Instagram、YouTube
第1回/第1週『ワテ、歌うで!』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
今から75年前、戦後の世の中に、人々を楽しませ、励まし、生きる活力を与えた歌手・福来スズ子(趣里)。歌で日本中をズキズキワクワクさせた、笑いと涙の物語が始まる!大正15年、大阪・福島にある銭湯の看板娘・花田鈴子(澤井梨丘)は、いつも父・梅吉(柳葉敏郎)、母・ツヤ(水川あさみ)、そして個性豊かな常連客の前で歌を披露している。ある日、鈴子は親友のタイ子(清水胡桃)から好きな人はいないのかと聞かれ…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
原作:なし
脚本:足立紳(過去作/六畳間のピアノマン,拾われた男 Lost Man Found) 第1週
櫻井剛(過去作/表参道高校合唱部!,あなたのブツが、ここに)
演出:福井充広(過去作/てるてる,家族純情きらり,ミス・ジコチョー) 第1週
二見大輔(過去作/半分、青い。,なつぞら,カムカムエブリバディ)
泉並敬眞(過去作/まんぷく,スカーレット,カムカムエブリバディ)
鈴木航(過去作/あさが来た,べっぴんさん,スカーレット)
盆子原誠(過去作/カーネーション,とと姉ちゃん,おちょやん)
音楽:服部隆之(過去作/王様のレストラン,翔太の寿司,のだめカンタービレ,HERO)
歌劇音楽:甲斐正人(過去作/映画「蒲田行進曲」(松竹/1982)劇伴担当)
舞台演出:荻田浩一(過去作/元宝塚歌劇団所属の演出家)
ロゴ・OP映像:牧野惇(過去作/東京パラリンピックのオ-プニング映像)
主題歌:中納良恵・さかいゆう・趣里「ハッピー☆ブギ」
語り:高瀬耕造(NHK大阪アナウンサー)
制作統括:福岡利武(なつぞら,青天を衝け)
櫻井壮一(過去作/おちょやん,あなたのブツが、ここに)
※敬称略
「タイトル制作 牧野惇」のお仕事をご紹介…
ディレクター目線として注目していたし、気になったのが、番組ロゴとメインタイトル(オープニング)映像だ。
番組ロゴを見た時から「もしかして、あの人が担当?」と思っていたが。
クレジットタイトルには、予想どおり「タイトル制作 牧野惇」とあった。
牧野氏の過去の仕事については、私が語るより一目瞭然だと思うから、まずはこちらをどうぞ。
森七菜、神尾楓珠出演/NTTドコモ新CM「ahamo はじまるよ」篇
YOASOBI「群青」Official Music Video
[OFFICIAL VIDEO] Midnight In Tokyo - Pentatonix ft. Little Glee Monster
そう、お気づきの人もいると思う。
東京パラリンピックのオープニング映像のディレクターだった映像作家・牧野惇氏だ。
牧野惇氏の映像の特徴は…
彼の得意技は、以下の二つ。
細かな “曲線” の描き込みをコマ撮りして生まれる「ドローイングアニメーション」という手法。
絵ではなく、人形やぬいぐるみを主な被写体としたコマ撮りでつくる「パペット・アニメーション」という手法。
この2つに、今どきの世代の人には特に突き刺さりやすいノスタルジックなモチーフ(着想)やスケール感(空間感覚のものさし)を加える。
そして、今風のデジタル要素やリリック(内面的な世界を伝える歌詞)を加えて、独特な世界観を創出する。
この『ブギウギ』のメインタイトル映像では…
昭和の時代に世界を圧巻した、人形作家・辻村寿三郎や、芸術家・岡本太郎、影絵作家・藤城清治らの意匠を基礎にし。
サイケデリックアートの陶酔的な世界と、東洋美術の神秘性が融合されて…
と、まあ、素人が頭でっかちに解説したところで。
ちょっと気味が悪い… と、思った人もいるかもしれない。
そりゃあ、『らんまん』の分かりやすいイメージビデオ風の直後には、かなり刺激的だから。
この辺は、好みもあるだろうし、慣れてくるかも?
戦後の歌手で「ブギの女王」といわれた「笠置シヅ子」がモデル
さて、まくらが長くなってしまったから、早速本編の感想だ。
戦後の歌手で「ブギの女王」といわれた「笠置シヅ子」をモデルにしたフィクションが、この『ブギウギ』だ。
もちろん、知る人ぞ知る… だが、むしろ、美空ひばりさんが登場するまでの「ブギの女王」といったほうが、しっくりくる人も多いと思う。
それもそのはずで、50過ぎのオッサンの私も、笠置シヅ子さんは、テレビ東京で大晦日に放送されていた『年忘れにっぽんの歌」で晩年の姿を拝見したくらいで、あとは懐かしVTRで見た程度。
従って、60歳以上の人にはグッとくるかもしれないが、SNSでバズってもらえる視聴者層にどう映るのか? やや心配ではある。
ただ、前作の「牧野富太郎博士と妻・壽衛さん」だって、やり方次第であれだけメジャーになるのが、朝ドラのパワーだ。
従って、いつもどおりに挑戦的な人選は評価したいところだ。
安定のJOBK(NHK大阪放送局)制作の朝ドラ・クォリティー
第1回を見て感じたのは、安定のJOBK(NHK大阪放送局)制作の朝ドラ・クォリティーだってことだ。
全編コテコテの大阪弁、3秒と静かな場面がないセリフ三昧などが、今作も第1回から踏襲された。
東京制作と大阪制作の朝ドラのそれぞれの特徴
因みに、JOAK(NHK東京放送局)制作の朝ドラが終わったばかりだから、特徴を比べてみよう。
もちろん、私の勝手な判断基準だし、過去の全作品に当てはまるというわけではないが。
まず、AK朝ドラは、若者や新たな視聴者層の獲得するために、とにかく派手で豪華なキャスティングを揃えて、今風にいえば “映える画作り” が特徴だ。
一方の BK朝ドラは、古参の朝ドラファン向けに、じわじわと心に沁み込んで行くような物語のうねり、起伏、波動でキャラクターを描くのが特徴だ。
従って、小さなことからコツコツと積み上げ、結果を重視するサクセスストーリーというよりも、過程や経過を重視して “日常にある幸せ” を紡ぐ作品が多い。
何も知らない人でも、す~っと入っていける工夫
従って今作も、事前の番宣を見なくて、アバンタイトルのナレーションを聞けば分かる仕掛けだ。
N「これは 歌手 福来スズ子の 愛と笑いの物語です」
そして、BK朝ドラらしい提示も、しっかりされた。
終盤での、鈴子(澤井梨丘)に母・ツヤ(水川あさみ)がいうセリフだ。
ツヤ「この世はな 義理と人情で出来てんねん」
前作とは、かなり雰囲気が違うから、まだまだ違和感を覚えるが。
前作で「はじめの2か月は別物」を学習したから、とにかくしばらく見てみようと思う。
脚本の二人体制について
今作で、もう一つ気になったのが、脚本の二人体制だ。
制作発表当初は、足立紳氏のみだった。
しかし、しばらくして櫻井剛氏が加わり、二人体制になった。
これと同じパターンが、同じBK制作の『舞いあがれ!』だ。
当初、桑原亮子氏の一人担当だったが、書いているうちに飛行機パートが増えたために、嶋田うれ葉氏と佃良太氏が加わった。
その結果、担当する脚本家で “ドラマの作風” が異なるということが起こってしまった。
脚本家が増え、物語にも訴求色が増えれば良いのだが。
さて、今作も、BKとしては『舞いあがれ!』の次作だけに “二の舞” にならないことを願いたい(笑)
あとがき(その1)
第1週の、第1回ですから、説明過多になるのは致し方ないと思います。
また、前作が前作だったので、賑やかすぎる感じがするのもやむを得ないかな。
とりあえず、「朝からうるさい!」「朝から疲れる!」ではなく、「朝から元気をもらえる」「朝からテンション上がる」と言わせる作品になりますように。
あとがき(その2)
全然関係ないですけど。
今朝のワイドショーで流れていた、サザンオールスターズ45周年「茅ヶ崎ライブ」のステージ映像は、私が見た3番組のすべてが昨日(千秋楽)ではなく、土曜日(3日目)でした。
桑田さんの衣装とイヤモニ(イヤーモニター)と、コーラスの音のバランスが3日目です(笑)
最終日は、円盤化されるそうですよ。
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