連続テレビ小説「らんまん」 "最終週の土曜日版(9/30)"の感想と "全編"の総括 ※みっきーの植物図鑑3連発

NHK総合・連続テレビ小説『らんまん』
公式リンク:Website、NHK高知局応援ページ、東京もご当地!首都圏の「らんまん」情報、X(旧Twitter)、Instagram
第26週/最終週『スエコザサ』の「土曜日版」の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
渋谷にあった寿恵子(浜辺美波)の店は高値で売れ、その資金をつぎ込んで、練馬に広大な土地を手に入れる。そこに大きな屋敷を構えた槙野家、しかし寿恵子は具合を悪くしていた。万太郎(神木隆之介)は看病をしながら、「日本全国の草花を載せた図鑑を完成させる」という寿恵子との約束を果たすため、日々研究に取り組むのだった。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
原作:なし
脚本:長田育恵(過去作/マンゴーの樹の下で、群青領域、旅屋おかえり)
演出:渡邊良雄(過去作/ゲゲゲの女房、花燃ゆ、まんぷく) 第1~3,6,7,12,13,18,19,25週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん) 第4,5,8,16,21週
深川貴志(過去作/とと姉ちゃん、半分、青い。、カムカムエブリバディ) 第9,10,14,20,24週
渡辺哲也(過去作/マッサン、ひよっこ、なつぞら、青天を衝け) 第11,17週
石川慎一郎(過去作/カムカムエヴリバディ/第18週のみ) 第15,23週
小林直毅(過去作/鎌倉殿の13人/第37回のみ) 第22週
廻田博思(過去作/「らんまん」植物担当の助監督) 第24週
※「第26週/最終週」の演出担当は不明。
※「第130回/最終回」のみ、クレジットに「渡邊良雄」記載あり。「
※
音楽:阿部海太郎(過去作/恋せぬふたり)
撮影:西鍵真治(過去作/カーネーション、マッサン、べっぴんさん、まんぷく)
照明:前田藍里(過去作/大阪発地域ドラマ「アオゾラカット」)
主題歌:あいみょん「愛の花」
語り:宮崎あおい
植物監修:田中伸幸(現・国立科学博物館、高知県立牧野植物園[2000-2015])
制作統括:松川博敬(過去作/篤姫、てっぱん、カーネーション等の演出担当、エンディングカット)
※敬称略
「本編」では未放送のカットがいくつかあった?
あしのブログに、ようきんしゃったなぁ。
(私のブログに、よくぞいらっしゃいました。)
「ようきんしゃったなぁ」のみんなぁも、ご常連のみんなぁも、あしが管理人の “みっきー” やか!
(「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、私が管理人の “みっきー” です!)
「土曜日版」を見て、ふと思ったのは。
細部まで録画分と照合はしていないが、「本編」では未放送のカットがいくつかあったような。
月曜日と火曜日分のダイジェスト部分に演出の工夫があった
「土曜日版」としての工夫が見られたのが、月曜日と火曜日分のダイジェスト部分だ。
2日分で約1.5回分の尺を約3分間にまとめてきた。
そして、そこを次のナレーションと、画面のホワイトアウトで締めくくる編集になっていた。
N「博士の行動を ひもとく日々が始まったのです」
補足のナレーションによって、残りの展開が、万太郎の遺品整理のバイト・藤平紀子(宮崎あおい)が作った「槙野博士の行動録」の映像化であることを強調した。
更に、本編とは違った部分でホワイトアウトして、「行動録のシーン」に移行したため、時間軸が巻き戻る際の違和感も払拭した。
まだまだサプライズ出演による唐突感は残るが。
“連ドラ” の構成としては「本編」よりも自然でスムーズだと思う。
いい感じのナレーションの補足
もう一か所、いい感じのナレーションの補足があった。
N「よくとし 4月 甑倒しを終え
沼津から竹雄と綾が訪ねてきました」
「本編」では「甑倒しを終え」という部分がなかったから、本当に唐突感が凄かった。
しかし、この補足によって、竹雄(志尊淳)と綾(佐久間由衣)が新酒を丁寧に仕込んできたことや、酒蔵を大切にしていることが強調され。
逆に、“大人の事情” によるサプライズ出演であることが薄まった。
たった、これだけのことを、なぜ「本編」でやらなかったのか???
最終回に、珍しく洒落た演出があった
「本編」の最終回の感想で書かなかったこと。
いや、書き忘れたことがある。
それは、珍しく洒落た演出があったことだ。
それは、金曜日分の最後で、寿恵子の「万太郎さん」の声で万太郎が振り返ってからの夫婦のやり取りのシーンだ。
声に振り返ると、白髪交じりの万太郎は若かりし姿になり、寿恵子も助手時代の若々しい姿で描写される。
ファンタージーな表現であると同時に、万太郎の植物学への探求心も、夫婦二人三脚も、終わることはないという物語の永遠性みたいな後味を残した。
「めでたし、めでたし」的に締めくくる朝ドラが多い中で、「完」ではなく「続く」を印象付けたのは洒落ているし、意外に朝ドラらしくて良かったと思う。
全体の採点は「100点満点の50点か、及第点ギリギリの60点」
ここからは、『らんまん』自体の総括を書いてみる。
今作を採点すると「100点満点の真ん中の50点か、及第点ギリギリの60点」が正直なところだ。
かなり悩んだ結果の採点だから、その理由を述べてみよう。
更に、せっかく「土曜日版」の感想まで読みに来てくだざった読者様のために、「最終回」とは違った目線で書いてみる。
"ある種の群像劇" としては、85点!!!
永遠の自然児である “万太郎が存在する世界” に集まってきた、人生という冒険を楽しみながら生き、宝物探しをする人たちを描く…
“ある種の群像劇” としては、85点くらいあげても良い。
個々の登場人物名を挙げるまでもないと思う。
ほぼすべての登場人物が、それぞれの、夫婦の、家族の、きょうだいの、まだ見ぬ宝物を探す冒険者として生き生きと描かれたのは大いに永遠の自然児である “万太郎が存在する世界” に集まってきた、人生という冒険を楽しみながら生き、宝物探しをする人たちを描く…
“ある種の群像劇” としては、85点くらいあげても良い。に認める。
ただ、100点に満たないマイナス15点の理由は、主人公・万太郎と妻・寿恵子も “群像劇” を構成する要素で終わってしまったこと。
やはり、「主人公」なのだから、他のキャラクターたちとの一定以上の差別化、区別化はするべきだ。
でなければ、「主人公」という肩書の意味がない。
もっと "万ちゃんと寿恵ちゃんの冒険活劇" を見たかった…
個人的には、単純に、もっともっと “万ちゃんと寿恵ちゃんの冒険活劇” を見たかった。
特に、結婚して、第一子の園子が生まれ失い、そこからのいい意味で家族を巻き込んだ “万ちゃんと寿恵ちゃんの壮大な宝探しの冒険活劇” だ。
出会う人たちだって…
生まれくる子供たちだって…
石版印刷だって…
図鑑だって…
博士の称号だって…
土地付きの一軒家だって…
万ちゃんと寿恵ちゃんにとっての “大切な宝物たち” だったはず。
だから、その “大切な宝物たち” との出会い、次の宝物の出現、そして宝物の獲得の日々を、丁寧に描いて見せてほしかった。
なのに、今作がやったのは一つひとつの “宝物側の宝物探しの物語” の掘り下げだった。
そりゃあ、これだけの宝物が登場したわけだから、個々を掘り下げたら、万太郎と寿恵子に割く尺が削られるのは素人でも分かること。
それをやり切ってしまった制作陣の罪は、本当はマイナス15点では済まないと思う。
でも、“ある種の群像劇” としては、それなりに秀逸だったと思う。
万太郎のサクセスストーリーとしては、100点満点で40点…
そして、永遠の自然児である万太郎が妻・寿恵子の支えがあって「日本植物学の父」を呼ばれるまでの…
主人公が万太郎のサクセスストーリーとしては、100点満点で40点くらいだろう。
とにかく、主人公の描写を置き去りにして、サブキャラクターの人生を描くのが必死だった時期があったのは残念だった。
思えば、万太郎の出番がほぼ無い「寿恵子のスピンオフ週風」も数週間あったし。
確かに、メインキャラの万太郎からあふれ出るエネルギーが供給され続けたから、サブキャラたちが生き生きと動き回れたのは、前段で書いたとおり良いことではある。
しかし、いくら脚本家が推しだからといって、メインキャラよりもサブキャラを描く尺を長く、印象も強く残るように描くのは本末転倒だ。
だったら、思い切って朝ドラ『エール』(NHK/2020年度前期)のように、完全にスピンオフ週として、「田邊教授と聡子の恋バナ」「竹雄と綾の恋バナ」「クサ長屋人情噺」の三本立てくらいにして…
「徳永と波多野の出世物語」「藤丸のウサギ日記」「クサ長屋人情噺」あたりで1週作って。
1が月丸々スピンオフにして、メインキャラを休ませても良かったくらいだ。
それくらいに、もっと万太郎と寿恵子の物語を集中して描いてほしかった。
"朝ドラ"のためにきちんと時間を作ってくれる俳優さんに!
最後に、出演者について。
先日、下記のニュースを目にした。
野田秀樹氏、ジャニーズのタレントを使わない理由明かす 「スケジュールがひどいから」
劇作家で演出家の野田秀樹氏が、「自身がつくる舞台ではけいこに十分な時間を割いてくれる人を使うと述べた…」という内容だ。
これを読んで、私も、そろそろ “朝ドラ出演のため” に、きちんと時間を割いてくれる俳優さんを主人公をはじめとしたメイン数名の役に採用してほしいと願う。
もちろん、神木さんや浜辺さんを責めるつもりはない。
所属事務所の幹部は別にして…
やはり、「まとまった時間が確保できない」や「スケジュールが合わない」や「今のご時世、働き方改革があるから」なんて言い訳はもう聞き飽きた。
視聴者だって、時間と労力を割いて毎日見ているのだ。
キャストも出演者も…と、思う。
このことは、NHK視聴者モニターのレポートにもきっちりと書かせていただいた。
とはいっても、次期作『ブギウギ』、その次の『虎に翼』が伊藤紗莉さん、そのまた次の『おむすび』が橋本環奈さん。
期待できそうなのは、3年後か…
あとがき
"連ドラ" としては、ややお粗末な今作でしたが。
人間を描く「ドラマ」としてはそれなりに良くできていたと思います。
特に、人々の日常を描く中で、人と人はかかわり合いながら生きているのだということを、最終回で伝えたことは評価できます。
やはり、朝ドラは多種多様な価値観の人が見るエンターテインメント作品です。
だから、もっと多くの人の心に刺さるものを放送していただきたい。
騒動三昧や、脇役に話が逸れることなく、きっちり、しっかりと主人公とその関係者を描くべき。
その意味で祖母・タキの死後辺りから崩壊したのが残念です。
みっきーの植物図鑑(第138回)
今朝早く、ガード下の壁面で自生して咲いていた花です。

真夏の朝に鮮やかな青い花を咲かせる植物「ツユクサ(露草)」です。
朝咲いて昼には萎んでしまう儚い様子から、万葉の時代から歌人たちに愛され続けてきた花でもあります。
個人的には、黄色の雄しべと青い花びらの鮮やかなコントラストが好きです。
ツユクサの花言葉は「なつかしい関係」「恋の心代わり」「密かな恋」「尊敬」「小夜曲」です。
いずれも、咲いている時間が短いこと、儚いイメージが由来になっているようです。
牧野富太郎博士は、中国の漢名は開花期に草を乾燥させた漢方生薬「オウセキソウ(鴨跖草)」だと発表しています。
みっきーの植物図鑑(第139回)
2枚目は今朝の遊歩道で見つけた花です。

「キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)」、別名「エンジェルズトランペット」です。
アサガオのようなラッパ状の白い花を咲かせるチョウセンアサガオ(朝鮮朝顔)の一品種ですが、一般的なアサガオ(ヒルガオ科)とは異なる品種で、ナス科で秋に咲きます。
みっきーの植物図鑑(第140回/最終回)
最後、第140回を飾るのが、今朝の道端に咲いていたこの華やかな花です。

冬に地上部の茎葉が枯れますが、春になると芽吹いて秋に花を咲かせる宿根宿根アスターと呼ばれる仲間の一つ「シオン(紫苑)」です。
シオンの花言葉は「あなたを忘れない」「遠くにある人を思う」「追憶」です。
今昔物語に「忘草(萱草)」と「不忘草(紫苑)」として登場するエピソードが花言葉の由来です。
特に、紫のシオンの花言葉は「ごきげんよう」「時が経つのを忘れて」です。
紫色の高貴な色と、太陽に向かってあいさつするように咲く姿が由来だそうです。
「みっきーの植物図鑑」で、時がたつのを忘れていただけたら幸いでした。
では、また、ごきげんよう…
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/18248/
【これまでの感想】
第1週『バイカオウレン』
1 2 3 4 5 土
第2週『キンセイラン』
6 7 8 9 10 土
第3週『ジョウロウホトトギス』
11 12 13 14 15 土
第4週『ササユリ』
16 17 18 19 20 土
第5週『キツネノカミソリ』
21 22 23 24 25 土
第6週『ドクダミ』
26 27 28 29 30 土
第7週『ボタン』
31 32 33 34 35 土
第8週『シロツメクサ』
36 37 38 39 40 土
第9週『ヒルムシロ』
41 42 43 44 45 土
第10週『ノアザミ』
46 47 48 49 50 土
第11週『ユウガオ』
51 52 53 54 55 土
第12週『マルバマンネングサ』
56 57 58 59 60 土
第13週『ヤマザクラ』
61 62 63 64 65 土
第14週『ホウライシダ』
66
67 68 69 70 土
第15週『ヤマトグサ』
71 72 73 74 75 土
第16週『コオロギラン』
76 77 78 79 80 土
第17週『ムジナモ』
81 82 83 84 85 土
第18週『ヒメスミレ』
86 87 88 89 90 土
第19週『ヤッコソウ
91 92 93 94 95 土
第20週『キレンゲショウマ』
96 97 98 99 100 土
第21週『ノジギク』
101 102 103 104 105 土
第22週『オーギョーチ』
106 107 108 109 110 土
第23週『ヤマモモ』
111 112 113 114 115 土
第24週『ツチトリモチ』
116 117 118 119 120 土
第25週『ムラサキカタバミ』
121 122 123 124 125 土
第26週/最終週『スエコザサ』
126 127 128 129 最終回
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