連続テレビ小説「らんまん」 (第130回/最終回・2023/9/29) 感想 ※「スエコザサ」の学名に追記アリ

NHK総合・連続テレビ小説『らんまん』
公式リンク:Website、NHK高知局応援ページ、東京もご当地!首都圏の「らんまん」情報、X(旧Twitter)、Instagram
第130回/最終回/第26週/最終週『スエコザサ』の感想。。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
春、竹雄(志尊淳)と綾(佐久間由衣)が新酒を持って槙野家にやってくる。寿恵子(浜辺美波)、虎鉄(濱田龍臣)、千歳(遠藤さくら)、千鶴(本田望結)ら家族みんなで綾と竹雄の酒を味わいながら、楽しい時間を過ごす。そして季節は夏に―。3206種を載せた図鑑がついに完成。最後のページを飾ったのは「スエコザサ」。万太郎が見つけた新種のササに寿恵子の名を刻んだ。寿恵子への感謝と永遠の愛を誓って…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
原作:なし
脚本:長田育恵(過去作/マンゴーの樹の下で、群青領域、旅屋おかえり)
演出:渡邊良雄(過去作/ゲゲゲの女房、花燃ゆ、まんぷく) 第1~3,6,7,12,13,18,19,25週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん) 第4,5,8,16,21週
深川貴志(過去作/とと姉ちゃん、半分、青い。、カムカムエブリバディ) 第9,10,14,20,24週
渡辺哲也(過去作/マッサン、ひよっこ、なつぞら、青天を衝け) 第11,17週
石川慎一郎(過去作/カムカムエヴリバディ/第18週のみ) 第15,23週
小林直毅(過去作/鎌倉殿の13人/第37回のみ) 第22週
廻田博思(過去作/「らんまん」植物担当の助監督) 第24週
※「第26週/最終週」の演出担当は不明。
※「第130回/最終回」のみ、クレジットに「渡邊良雄」記載あり。
音楽:阿部海太郎(過去作/恋せぬふたり)
撮影:西鍵真治(過去作/カーネーション、マッサン、べっぴんさん、まんぷく)
照明:前田藍里(過去作/大阪発地域ドラマ「アオゾラカット」)
主題歌:あいみょん「愛の花」
語り:宮崎あおい
植物監修:田中伸幸(現・国立科学博物館、高知県立牧野植物園[2000-2015])
制作統括:松川博敬(過去作/篤姫、てっぱん、カーネーション等の演出担当、エンディングカット)
※敬称略
"ドラマ"としては、私好みで、それなりに良くできていた
あしのブログに、ようきんしゃったなぁ。
(私のブログに、よくぞいらっしゃいました。)
「ようきんしゃったなぁ」のみんなぁも、ご常連のみんなぁも、あしが管理人の “みっきー” やか!
(「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、私が管理人の “みっきー” です!)
ついに、朝ドラ『らんまん』が終わった。
全130回を見終えた率直な感想は…
“ドラマ” としては、私好みで、それなりに良くできていたと思うが。
“連ドラ” としては、詰めが甘かったという感じだ。
私のとっての “ドラマ” と “連ドラ” というものの位置づけの違いを含めて、最終回と今作の総括をやって見みたい。
というわけで、少し理屈っぽくなるが、良かったら最後まで読んでいただきたい
"ドラマ" とは人間を描くこと、人間の本質を描くこと
先日も書いたので、繰り返しになるが。
最終回においても…
私が “ドラマ” に求める「“ドラマ” とは人間を描くこと、人間の本質を描くこと」が踏襲されていたのは、大いに評価したい。
多くの人は、ドラマや物語は、主人公の活躍を描いたり、登場人物たちの個々の人生を描くことだと思っているのでは?
でも、本来 “ドラマ” とは、主人公が “ひとりの人間” として多くの人たちの中で生きていることや…
周囲の人たちの存在があってこそ、主人公が “ひとりの人間” として際立つことを描くことだと思う。
だから、誤解を恐れずに書けば、“ドラマ” に脇役なんて一人もいないってこと。
あなたの人生にとって “脇役” がいる、いた、だろうか?
少なくとも私の50余年の人生では “家族” や “友達”、“仲間” や “恩人” など、それこそ “私をイジメたやつら” だって、一人でも欠けたら今の私はいないと思っている。
そう、本人にかかわった人たちは、良くも悪くも、今の当人にとっての “生きるエネルギー” なのだ。
その意味で、“脇役” はいないと思うのだ。
"夫婦" の描き方で、作り手の様々な思いが分かる
特に、血縁関係でもない赤の他人同士がつくる “夫婦” というカタチは、ドラマにおいて、どう描くのかで作家性や作品性などが決定づけられるといっても過言でない。
そこで、最終回で注目したいセリフ、やり取りがあった。
万太郎「寿恵ちゃんが わしの命そのものじゃ」
寿恵子「万ちゃんこそ 私の お日様でした」
解説するまでもない。
万太郎(神木隆之介)は寿恵子(浜辺美波)の。
寿恵子は万太郎の、“生きるエネルギー” だと表現されている。
このやり取りが盛り込まれたことで、今作は “ドラマ” として描くべきことを描いたといって良い。
"人生" という "冒険" を楽しみながら生きて…
次に書くことは、あまり強調してこなかったが、度々書いてきたこと。
それは “ドラマ” において大切なのは…
登場人物たちが “人生” という “冒険” を楽しみながら生きて、その中で自分にとっての “宝物” と出会う過程を描くこと。
別に、宝物は見つからなくても良い。
大事なのは、主人公やその他の登場人物たちが、それぞれの宝物を探し続けるエネルギーが枯渇しないように描写すること。
例えば、今期の連ドラなら『VIVANT』、『ハヤブサ消防団』、『シッコウ!!~犬と私と執行官~』などが、そこを描いていたと思う。
"人の営み=日常" の中にある "冒険" を描いてきた
脱線するが。
私はコロナ前まで10年近く東京ディズニーシー(TDS)の年パス保持者だったくらいのディズニーファンだ。
TDS内のアトラクション『シンドバッド・ストーリー・ヴォヤッジ』で最も印象的な楽曲が『コンパス・オブ・ユア・ハート』だ
和訳の歌詞を少しだけ引用してみる。
荒波が 船を揺さぶり 嵐が 行く手阻んでも
怖れず進めば 友達が 手を差しのべてくれるさ
風に吹かれ 旅は続く 舵をとれ 希望を胸に
進め みんなを助けながら 優しさと勇気 忘れず
ついに見つけたよ 宝物 宝石や 黄金じゃなく
旅の中で 巡り会った 素晴らしい ぼくの友達
人生は冒険だ 地図はないけれど
宝物探そう
信じて Compass of your heart
(無事に帰ったら 君のまわり 見てごらん)
(友達こそ宝 信じて Compass of your heart)
引用元:https://www.joysound.com/web/search/song/478193
今作は、寿恵子が登場してから、セリフの中に「冒険」という単語が度々登場した。
最終回の序盤、竹雄(志尊淳)と新酒を持って槙野家にやってきた綾(佐久間由衣)が、こんなセリフを言う。
綾「今日も生きて暮らしていく。
そういう人の営みと共にある何したかったがよ」
今作は、“人の営み=日常” の中にある “冒険” を描いてきたのだ。
そのことは、竹雄と綾だけでなく、高知の「峰屋」「自由民権運動」「名教館」の関係者、「植物学教室」の面々、「十徳長屋」「大畑印刷所」の人たちなどにも踏襲されて描かれた。
特に、最終回に登場しなかった田邊(要潤)と妻・聡子(中田青渚) 、徳永(田中哲司)や野宮(亀田佳明)は、正に “人の営み=日常” の中にある “冒険” を描いた。
これらを総合して、100点 “まんてん” とはいえないが。
「“ドラマ” とは人間を描くこと、人間の本質を描くこと」を最終回までしっかりとやり遂げたと思う。
月曜日のサプライズ出演に尺を割くなら…
さて、ここからは、少しだけ毒を吐く…
“連ドラ” としては、詰めが甘かったのは、どの辺か? だ。
例えば、最終回に竹雄と綾が久し振りに登場した。
久し振りの理由は、好意的に脳内補完すれば「新酒を開発していたから」だ。
ならば、先日の放送で藤丸(前原瑞樹)が登場した際に、藤丸の口から新種開発の進捗状況の言及があっても良かったと思う。
そういう “フラグ” が立っていたら、今回は “プチ回収” になったはず。
折角、寿恵子に「こんなに明るいお酒」なんて、ソムリエが言いそうなステキなテイスティングを入れたのだから、竹雄と綾の “冒険” にだって触れても良かったと思う。
それこそ、藤丸が万太郎に知らせるのではなく。
図鑑完成に向けて、藤丸、波多野、野宮らが参集してきた際に、藤丸が熱弁する醸造学の話に興味津々の波多野と野宮が杜がっているところに、万太郎と寿恵子がやってきて「そうなのか!」でも良かった。
要するに、月曜日のサプライズ出演なんかに尺を割くなら… ってことで。
こういうのが “連ドラ” としては、詰めが甘かった点だ。
ちょっとしたナレーションでの補強をするだけで…
更に理屈っぽくなるが。
“連ドラ” とは、文字どおり “連続するドラマ” のことだ。
連続することでしか描けないことを描かないと意味がない。
それは、何か?
人と人がつながってかかわり合うことで、個々のエピソードもつながってかかわり合うのだ。
そして、そこに “流れ” が生まれる。
大部分のエピソードが “史実寄り” だったから、個々のエピソードはそれなに面白いし、完結した楽しさもあった。
だから、それらに “流れ” を感じさせるだけで、だいぶ印象は良くなったに違いない。
だって、連ドラとしてはかなりの箇条書きだって、万太郎と寿恵子の人生物語としては良かったのだから。
ちょっとしたナレーションでの補強をするだけで…
終わったことだから、この辺でおしまいにしよう。
あとがき(その1)
もっと書きたいことはありますが、「土曜日版」にとっておこうかな?
“連ドラ” としては今一つでしたが、近年の「朝ドラ」の中では『エール』に次いで、夫婦を描くドラマとして悪くなかったです。
何より、神木隆之介さんと浜辺美波さんの夫婦が、ここまでしっくりくるとは思いませんでした。
あとがき(その2)
最後に…
史実では、牧野富太郎博士が「スエコザサ」と発表したのは妻・壽衛さんの死後ですが、今作では生前になっていました。
この辺の脚本による “創作” は、フィクションとしての『らんまん』を一段昇華させたと思います。
やはり、フィクションはフィクションとしての面白さ、楽しさ、そして感動を創出すべきだと思うので。
半年間、好き勝手な感想にお付き合いくださり、ありがとうございました。
「スエコザサ」の学名に関して追記
劇中で、万太郎が語った学名は…
「Sasa suwekoana Makino」
現在のスエコザサの学名は…
「Sasaella ramosa var. suwekoana」
SNSなどで、「学名が間違っている」との意見があるようですが
牧野博士が、1928年に最初に発表した際の新種名が「Sasa suwekoana Makino」。
その後の研究で、1976年、当初は「Sasa属(ササ属)」の独立種と思われていたのが、「アズマザサ属(Sasaella ramosa属)の変種として再分類されたため、「Sasaella ramosa var. suwekoana」となりました。
みっきーの植物図鑑(第137回)
昨日、妻との散歩中に畑で見つけました。
妻は、「未収穫で放置されて日焼けしたピーマンでしょ?」「いや、干からびたホオズキかな?」と言いましたが。
皆さん、何だと思います? ヒントは「みっきーの辛口感想」ですよ。

答えは、手入れを怠って旬が過ぎた「ハバネロ」だそうです。
ハバネロの旬は真夏ですが、中南米原産なので乾燥を嫌うため、日当たりと水やりが勝負のようです。
下の写真は、トウガラシの花ですが。
ハバネロはトウガラシ属なので、花はトウガラシとほぼ同じです。
ちゃんと花言葉がありまして「信じあう心」「幸福な愛」。
トウガラシの赤い実が西欧では “魔除け” の意味があるので(ハロウィーンでも飾りますよね)、そこから転じたのかもしれません。
激辛のハバネロから辛口コメントにつなげて、最後は「信じあう心」「幸福な愛」で締めくくります。
最後の「土曜日版」も書く予定ですが。
一応、「本編」では最後なので、「みっきーの植物図鑑」まで読んでくださり、ありがとうございました。
結びに
ほなな~!また来とうせ。
それでは、また来てね。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/18246/
【これまでの感想】
第1週『バイカオウレン』
1 2 3 4 5 土
第2週『キンセイラン』
6 7 8 9 10 土
第3週『ジョウロウホトトギス』
11 12 13 14 15 土
第4週『ササユリ』
16 17 18 19 20 土
第5週『キツネノカミソリ』
21 22 23 24 25 土
第6週『ドクダミ』
26 27 28 29 30 土
第7週『ボタン』
31 32 33 34 35 土
第8週『シロツメクサ』
36 37 38 39 40 土
第9週『ヒルムシロ』
41 42 43 44 45 土
第10週『ノアザミ』
46 47 48 49 50 土
第11週『ユウガオ』
51 52 53 54 55 土
第12週『マルバマンネングサ』
56 57 58 59 60 土
第13週『ヤマザクラ』
61 62 63 64 65 土
第14週『ホウライシダ』
66
67 68 69 70 土
第15週『ヤマトグサ』
71 72 73 74 75 土
第16週『コオロギラン』
76 77 78 79 80 土
第17週『ムジナモ』
81 82 83 84 85 土
第18週『ヒメスミレ』
86 87 88 89 90 土
第19週『ヤッコソウ
91 92 93 94 95 土
第20週『キレンゲショウマ』
96 97 98 99 100 土
第21週『ノジギク』
101 102 103 104 105 土
第22週『オーギョーチ』
106 107 108 109 110 土
第23週『ヤマモモ』
111 112 113 114 115 土
第24週『ツチトリモチ』
116 117 118 119 120 土
第25週『ムラサキカタバミ』
121 122 123 124 125 土
第26週/最終週『スエコザサ』
126 127 128 129
- 関連記事
-
- 連続テレビ小説「ブギウギ」 (第1回・2023/10/2) 感想 (2023/10/02)
- 連続テレビ小説「らんまん」 "最終週の土曜日版(9/30)"の感想と "全編"の総括 ※みっきーの植物図鑑3連発 (2023/09/30)
- 連続テレビ小説「らんまん」 (第130回/最終回・2023/9/29) 感想 ※「スエコザサ」の学名に追記アリ (2023/09/29)
- 連続テレビ小説「らんまん」 (第129回・2023/9/28) 感想 (2023/09/28)
- 連続テレビ小説「らんまん」 (第128回・2023/9/27) 感想 (2023/09/27)