ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と (第7話・2023/6/2) 感想

TBS系・金曜ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』
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第7話『抱きしめられた涙』、EPG欄『過去へ、想いよ届け』の感想。
6号車の乗客の一部が5号車を訪ねてきた。優斗(赤楚衛二)らが応対する中、和真(日向亘)は小春(片岡凛)のためにも必ず元の時代に戻ろうと決意を新たにする。そんな折、塩を調達できないかと考えて出かけていた明石(宮崎秋人)と玲奈(古川琴音)が、6号車の人々への不満をあらわに帰ってきた。そこで直哉(山田裕貴)が交渉役に名乗り出る一方、不穏なことを言いだし…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:金子ありさ(過去作/花燃ゆ、恋つづ、着飾る恋には理由があって)
演出:田中健太(過去作/小さな巨人、DCU、クロサギ2022) 第1,2,7話
岡本伸吾(過去作/この恋あたためますか、アトムの童) 第3話
加藤尚樹(過去作/MIU404、妻、小学生になる。) 第4話
井村太一(過去作/婚姻届に判を捺しただけですが) 第5話
濱野大輝(過去作/私のシてくれないフェロモン彼氏) 第6話
音楽:大間々昂(過去作/ファイトソング、マイファミリー、アトムの童)
主題歌:Official髭男dism「TATTOO」
※敬称略
大袈裟、仰々しい、奇を衒う、煽る… のオンパレード!
前回は、演出担当が今作初担当の濱野大輝氏で…
調べるとプライムタイムの連ドラの仕事経験は少ない人のようだが、その分様々なトライアルが見えて、“演出的に” はなかなか見応えのある映像作品になった。。。と評価したから、30年ほど経過しただろうか(笑)
今回の演出は、今作のメイン監督・田中健太氏になって…
見てお分かりのとおりに “TBS王道の日曜劇場風演出” がさく裂だ。
とにかく、大袈裟、仰々しい、奇を衒う、煽る… のオンパレードで、これだけでお腹がいっぱいだ。
その上、やったから見せたいのは理解するが、CG、SFX等の撮影技術の見本市のようだ。
と言っても、それほど目新しいものはないが(苦笑)
更に、悪いことではないが、美術スタッフも頑張って、とにかく「映像は作り込みした、キリッ!!」って感じだ。
ぼちぼち、生死が懸かっているサバイバルに見せてほしい
まあ、演出を含めたビジュアル制作チームが頑張らないとどうしようもないのが、脚本だ。
せっかく “オリジナル脚本” で、原作による縛りがないのに、このありさまだ。
まず困るのは、これまでも書いてきたように、やることがないと、やたらと “元の世界” を盛り込んでくることだ。
当然、脚本として “物語” を作り進めるために盛り込むのは分かるが、“元の世界” をインサート(挿入)した途端に “今の世界” が急停止する。
そう、タイムワープをしたことで、折角時間軸が前進しているのに急ブレーキが掛かって、結果的に “物語” が “つんのめる” のだ。
そして、つんのめった瞬間に、わざわざ創出してきた “緊張感” や “飢餓感” が放り出されて、ただの “サバイバルごっこ” に見えてしまう。
もう、これの繰り返し。
ぼちぼち、本気で生死が懸かっているサバイバルに見せてほしいのだが。
今回は、あちこちに "ポエム" が散りばめられた…
この “サバイバルごっこ” に見えている状態で、「戻る!」「帰りたい!」と泣き叫んだり、タイムスリップの原因追及ネタを混ぜたのが、今回の第7話だ。
その上、今回は演出とタッグを組んで、あちこちに “ポエム” を組み入れた。
優斗「いつか俺は帰れる
また会えると思ってる
向こうも同じ気持ちで
俺のことを待っててくれてる
そう信じてる」
「by ‘貴司くん’こと梅津貴司」じゃなくて(笑)、by 優斗(赤楚衛二)だ。
劇伴までピッタリはめて、脚本も演出もやる気満々だ。
その上、今回は佳代子(松雪泰子)までポエムを発動した。
佳代子「目の前の困難や 失敗にくじけずに
心を回復させる力が備わっている」
いや、佳代子が言っていること自体を否定するつもりはない。
ただ、これを佳代子に言わせるつもりがあったのなら、その前段の描写で、直哉(山田裕貴)や紗枝(上白石萌歌)たち “遭難者たち” が、そこそこ状況が落ち着いた時点から、“くじけずに” を描くべきだったと思う。
せめて、せめて、遭難者の人数を数名に留めておけば…
それなのに今作が描いてきたのは、“サバイバル” ではなく、ただの “バトル” だけなのだ。
この時点で、ポエムを混ぜようが、“くじけずに” を添加しようが、時すでに遅し… だと思う。
これも何度も書いてきたが、せめて、せめて、遭難者の人数を数名に留めておけば、数人分の食糧と “回復させる力” を使って、ご都合主義にでも、いろいろやって生き延びて… が、それなりに楽しく見えたと思う。
やはり、どんなに “バトル” を描いたところで、肝心な心、心理描写にはならない。
“ポエム” を盛り込みたいなら、登場人物たちの “心のひだ” をもっと丁寧に描くべきだったと思う。
あとがき
ワームホールが開けばどうのこうの? って描いていましたけど。
ワームホールを利用したところで、“元の世界” に戻れるとは限らないし、更に “違う世界” に “舞いあがる!” 可能性もありますよね(笑)
まっ、どうでも良いですが。
ホント、この脚本と演出で頑張っておられる俳優さんたちを見たくて見ているようなものです…
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17957/
【これまでの感想】
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