連続テレビ小説「らんまん」 (第45回・2023/6/2) 感想

第41回/第9週『ヒルムシロ』の感想。
公式リンク:Website、NHK高知局応援ページ、東京もご当地!首都圏の「らんまん」情報、Twitter、Instagram
第45回/第8週『シロツメクサ』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
寿恵子(浜辺美波)のことが頭から離れず調子の出ない万太郎(神木隆之介)。話を聞いたりん(安藤玉恵)、えい(成海璃子)、ゆう(山谷花純)は、それぞれが経験した恋の話をして万太郎を励ます。勇気をもらった万太郎は、白梅堂へと走り出す!
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
原作:なし
脚本:長田育恵(過去作/マンゴーの樹の下で、群青領域、旅屋おかえり)
演出:渡邊良雄(過去作/ゲゲゲの女房、花燃ゆ、まんぷく) 第1~3,6,7週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん) 第4,5,8週
深川貴志(過去作/とと姉ちゃん、半分、青い。、カムカムエブリバディ) 第9週
音楽:阿部海太郎(過去作/恋せぬふたり)
撮影:西鍵真治(過去作/カーネーション、マッサン、べっぴんさん、まんぷく)
照明:前田藍里(過去作/大阪発地域ドラマ「アオゾラカット」)
主題歌:あいみょん「愛の花」
語り:宮崎あおい
植物監修:田中伸幸(現・国立科学博物館、高知県立牧野植物園[2000-2015])
制作統括:松川博敬(過去作/篤姫、てっぱん、カーネーション等の演出担当、エンディングカット)
※敬称略
回想のワンカットだけで寿美子は"居ない"まま終了した理由
あしのブログに、ようきんしゃったなぁ。
(私のブログに、よくぞいらっしゃいました。)
あしが管理人の “みっきー” やか!
(私が管理人の “みっきー” です!)
さあて、どこから書いていくか…
今作の作風として、「高知編」で母ヒサ(広末涼子)が亡くなって以降から続いているのが、「話題にあがっているキャラクターを意図的に画面に登場させない」という映像処理だ。
「東京編」になると、それは更に顕著になって、万太郎(神木隆之介)や学生たちが教授、助教授、講師の話をしているのに回想シーンですらインサートしない(挟まない)。
そして今回は、ある意味で究極に近いレベルで “居ない” のが寿恵子(浜辺美波)だ!
何せ、冒頭から、寿恵子(浜辺美波)のことが頭から離れず調子の出ない万太郎で始まっているのに、回想シーンのワンカットだけ(もし、他にもあったらごめんなさい…)で寿美子は “居ない” まま終了した。
その制作意図、演出意図、作品の方向性を深掘りしてみる…
えいとゆうは話したのに、りんが恋バナを話さなかった理由
まず、普通に考えれば不自然なのが、恋の病の万太郎をりん(安藤玉恵)、えい(成海璃子)、ゆう(山谷花純)が励ますという構図なのだから、りんだって自分が経験した恋の話をして万太郎にしてもおかしくないはずだ。
いや、3人で励ますシーンなのだから、りんが離さない理由があると考えてみる。
すると、ぼんやり分かるのは、りんにも経験談があるのに、敢えて “しない” という作風を選んだってことだ。
では、なぜ?
ここからは完全に推測だが、ここ、万太郎を含めての、今風に言うと “純情恋愛女子サロン@十徳長屋” 的に見せたかったのでは? って、ことだ。
ただ、女性3人を “恋の指南役” にしてしまうと、「3対1」の構図になって、やや “○○ハラ” っぽくなってサロンには見えにくい。
そこで、りんは年齢も年上だし、立場も3人より上だから、姉御のようなりんをまとめ役に、えいとゆうを恋愛アドバイザー風に見立てれば、りん:えい+ゆう:万太郎」の三段位構造になる。
で、そのために一番簡単なのは、りん自身は恋バナを語らないってことだ。
りんを格上扱いにしていることは、例えば、りんが子供のようにヒルムシロの上に小石を載せる遊びをやるカットが入ることからも分かる。
いずれにしても、「カエルの国のお殿様」の割に、姉御3人に恋心を恐々打ち明ける万太郎が、ちょっとカワイイ…
寿美子が"居ない"からこそ良かったのが「白梅堂」のシーン
もう一つ、寿美子が “居ない” からこそ良かったのが「白梅堂」のシーンだ。
実は、前回で、演奏会で洋装の寿美子に偶然遭遇する場面はなくても、万太郎が寿美子に打ち明ける下準備はできていたと思っていた。
だって、最初に上京した際の「カエルの国のお殿様」があって、再度上京した際の「タンポポ」があって、更に『牡丹の絵』があったのだから、アイテムの重ね方としては十分すぎるくらいだと思っていた。
でも、よく考えると、これらは、ある意味で万太郎の恋のホップステップジャンプ的な要素で、一目惚れ、偶然の再会、恋心の芽生えを表しており、本当の意味でのプロポーズ(の、予約だが)ではなかった。
だから、何かしらの段取りで、花を利用したアイテムを作り出す必要があったと思う。
そこで考えたのが、演奏会場に飾られていた色とりどりのバラの装花だ。
バラと寿美子を重ねることで、いや、万太郎の頭の中で重なったように描写することで、万太郎が描いた “植物画” が植物学以外に利用できたわけだ。
全力ダッシュの万太郎で白梅堂前の路地が"あの色の道"に!
更に、「バラの絵」を寿恵子に直接渡してしまうと、「牡丹の絵」と同じ展開になってしまう。
そこで、寿美子を “居ない” ことにして、寿美子の母まつ(牧瀬里穂)に渡して、解説放送では “小走り” となっていたが、映像では間違いなく “全力ダッシュ” の万太郎を描くことで、白梅堂の前の路地が “あの色の道” になったのだ。
思い出してほしい、4月14日(金)放送の第14回での学問所「名教館」の学頭である池田蘭光(寺脇康文)のセリフを。
蘭光「心が震える先に 金色の道がある。
その道を 歩いていったら えい!」
そう、下町の路地が “金色の道” になった瞬間だ。
そして、その “金色の道” は、寿恵子の母公認のプロポーズにつながったと同時に、次の通過点である “大畑印刷所” にもつながったのだ。
馬鹿がつくほどの正直者の万太郎らしい、“居ない寿美子” への誠実なプロポーズだった。
あとがき
ゆうがヒルムシロの上に小石を載せるカットが2回ありました。
1回目は6分頃で、自分の恋バナの後に大きめの小石を載せて落ちます。
まるで、えいの「巡り会ってしまったんですものね」を象徴するように “恋に落ちた” って感じ。
2回目は8分頃で、小さめの小石二つをうまく葉っぱの上に載せます。
もちろん、「小石=恋し」ですよね(笑)
ここ、もっと、ゆうの小石とサブタイトル『ヒルムシロ』の関連性を明確にすべきか、この程度にオブラートに包むか悩みどころですが…
説明臭いの野暮なので今回くらいがちょうど良かったように思います。
みっきーの植物図鑑
今朝は大雨になるとの天気予報でしたので、昨日のうちに撮影しました。
この花もずっと気になっていて、「きっとアジサイの仲間なんだろうな」と思っていました。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、「クジャクシモツケ」だそうです。
アジサイは、アジサイ科アジサイ属。
シモツケは、バラ科シモツケ属。
関東では、シモツケが先に咲いて、遅れて梅雨時を飾るのがアジサイだそうで、確かに、近所でもシモツケは見かけますが、アジサイはまだ咲き始め。
まだまだ、知らない植物があって、見つけるのも調べるのも知るのも楽しいです!
最後に、早ければ「夏ドラマの期待度」の投稿を今日中、遅くても今週末には完了したいと思います(汗)
結びに
ほなな~!また来とうせ。
それでは、また来てね。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17955/
【これまでの感想】
第1週『バイカオウレン』
1 2 3 4 5 土
第2週『キンセイラン』
6 7 8 9 10 土
第3週『ジョウロウホトトギス』
11 12 13 14 15 土
第4週『ササユリ』
16 17 18 19 20 土
第5週『キツネノカミソリ』
21 22 23 24 25 土
第6週『ドクダミ』
26 27 28 29 30 土
第7週『ボタン』
31 32 33 34 35 土
第8週『シロツメクサ』
36 37 38 39 40 土
第9週『ヒルムシロ』
41 42 43 44
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