それってパクリじゃないですか? (第8話・2023/5/31) 感想

日本テレビ系・水曜ドラマ『それってパクリじゃないですか?』
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第8話『本物の怪物』』の感想。
なお、原作の漫画、奥乃桜子「それってパクリじゃないですか? ~新米知的財産部員のお仕事~』は未読。
今宮食品から特許を買い取った会社「総合発明企画」が月夜野ドリンクを特許侵害で訴えるという。来社した同社代表・芹沢(鶴見辰吾)が今宮食品の試飲会で会った人物と分かり、亜季(芳根京子)らはあぜん。北脇(重岡大毅)が特許に新規性がなく、訴訟は無駄だと告げると、芹沢は和解金として1億円を要求する。帰り際、芹沢は高梨(常盤貴子)に声をかけ、亜季ら一同は高梨の思わぬ過去を知る。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:小説・奥乃桜子『それってパクリじゃないですか?~新米知的財産部員のお仕事~』
脚本:丑尾健太郎(過去作/下町ロケット、半沢直樹2020、競争の番人) 第1~3,5~8話
佃良太(過去作/朝ドラ「舞いあがれ!」、星とレモンの部屋) 第4,6話
演出:中島悟(過去作/デカワンコ、セカムズ、これは経費で落ちません!、俺の話は長い) 第1,2,5,8話
内田秀実(過去作/あな番、ヤンキー君と白杖ガール、ファーストペンギン) 第3,4,7話
鯨岡弘識(過去作/地上波ドラマなし) 第6話
チーフプロデューサー:三上絵里子(過去作/ファーストペンギン!、リバーサルオーケストラ、すきすきワンワン!)
音楽:富貴晴美(過去作/朝ドラ「舞いあがれ!」、花嫁のれんシリーズ、西郷どん)
主題歌:AARON「ユニーク」
オープイングテーマ:ジャニーズWEST「パロディ」
※敬称略
ついに、ようやく、とうとう、やっと…
今回も一応念を押しておくが、原作(未読)とは比較しない。
ということで、ついに、ようやく、とうとう、やっと…
開発部長・高梨(常盤貴子)の過去、そしてスゴ腕弁理士・又坂市代(ともさかりえ)との因縁の話だ。
そもそも、序盤で又坂が次のように言っていたのだから…
又坂「009特許を無効にすることもできます」
特許無効裁判を起こせば済んだ話なのでは?(苦笑)
まあ、それだと “秒” で終わってしまうから、紆余曲折を描いた)ということだろう。
まあ、この類のご都合主義は “ドラマ” では珍しいことではないし、面白ければ良いわけで…
脚本的に最も分かりやすく、共感しやすい内容で良かった
さて、本編の感想だ。
二回目の “そもそも” として、“連ドラ” の最終章直前で主要登場人物の過去を掘り下げるネタを扱うと、どんなに頑張っても “こんな感じ” になってしまうのだ。
要するに、あれこれと描いたところで、最終的な印象は「そうだったのか!」「スッキリした!」「で、次は?」と(笑)
しかし、今回の脚本には、3つの工夫が施されていた。
一つは、2話前の第6話で松果大学の教授・小日向(綾田俊樹)を登場させて下準備。
二つ目は、2週跨ぎで最恐の敵・芹沢(鶴見辰吾)を登場させ強敵感を創出。
三つ目は、高梨の過去だけにしないで、又坂と又坂の大学時代の先輩・中野誠司(板尾創路)を絡めて、特許を取り巻く社会問題を強調して、知財を扱うドラマらしさを強調。
私の感覚では、これまでの… いわゆる「知財のことがよく分かるお仕事ドラマ」としては、脚本的に最も分かりやすく、共感しやすい内容で良かったと思う。
内容的にやや埋没気味の亜季を主人公らしく見せる工夫
更に、演出にも、いろいろと創意が盛り込まれていた。
内容的にはやや埋没気味の亜季(芳根京子)を主人公らしく見せる工夫…
例えば、亜季パートはほかのパートよりもメリハリのある劇伴の設定をしたり。
カット割りも亜季が高梨や又坂など共感する場面を強調し、終盤の又坂と営業部・松尾(高橋努)のセリフに説得力を持たせた。
又坂「これも藤崎ちゃんのおかげよ」
松尾「いつもありがと 藤崎」
更に、人情モノらしい結末は、増田社長を演じる赤井英和さんを起用した効果が遺憾なく発揮されたし。
一般的には馴染みが薄く、小難しいテーマを扱った “ドラマ” としては、最終章前の山場を描いた放送回として、かなり良い仕上がりだったと思う。
あとがき
今回の内容からすると、しょうがない、でも、もったいない… と思ったのは。
主人公の私生活、いわゆるプライベート部分があまり描かれなかったこと。
別に、「恋バナ、犬、カフェをもっと描け!」という意味でなくて、これまで盛り込んできたのだから、今回もそれなりに盛り込むのが “連ドラ” を担保することでは? と思うだけ。
やはり、雰囲気が違ってしまうのは “もったいない” と思います。
とはいえ、これでかなり知財部に一体感が生まれましたから、今後の展開に大いに期待します!
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17952/
【これまでの感想】
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