ラストマン-全盲の捜査官- (第6話・2023/5/28) 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『ラストマン-全盲の捜査官-』
公式リンク:Website、Twitter、Instagram
第6話『不器用な愛のカタチ』、ラテ欄『絶体絶命! 残された時間は2時間… 人質は皆実! 犯人は何者!?』の感想。
大手警備会社社長の菊知(高嶋政宏)が妻と娘を人質に取り、散弾銃を持って別荘に立てこもった。交渉に臨んだ皆実(福山雅治)に、菊知は現金10億円を用意するよう要求する。SIT隊長の新井(山田純大)は、菊知から金の運搬を命じられた秘書の尾行を佐久良(吉田羊)らに指示。菊知の話し方に違和感を覚えた皆実は、心太朗(大泉洋)に秘書の追跡を頼み、自身は菊知と向き合う。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:黒岩勉(過去作/グランメゾン東京、危険なビーナス、TOKYO MER、マイファミリー)
演出:土井裕泰(過去作/重版出来!、カルテット、逃げ恥、日本沈没2021) 第1,2話
平野俊一(過去作/インハンド、TOKYO MER、マイファミリー) 第3,6話
石井康晴(過去作/逃げ恥、ドラゴン桜2、オールドルーキー) 第4話
伊東祥宏(過去作/ノーサイド・ゲーム特別編、オールドルーキー) 第5話
撮影監督:山本英夫(過去作/映画「HANA-BI」、映画「パッチギ!」シリーズ、映画「容疑者Xの献身」、映画「のだめカンタービレ」シリーズ)
音楽:木村秀彬(過去作/小さな巨人、ブラックペアン、グランメゾン東京、、オールドルーキー)
mouse on the keys(過去作/詐欺の子)
挿入歌:神はサイコロを振らない「修羅の巷」
全盲所作指導:ダイアログ・イン・ザ・ダーク
※敬称略
これだけ刑事ドラマなどが量産されていたら…
本編の感想の前に…
刑事ドラマ、探偵ドラマ、医療ドラマが視聴率が撮りやすいという理由から、今期も大量生産されている。
従って、実際の事件や災害とネタが被ってしまうことは止むを得ないこと。
それを言い出したら、日本中、世界中で、毎日、毎時、毎分、毎秒、事件や災害、戦争でも人が被害に遭っているのだから…
もちろん、全部無視して構わないとは思わないが…
『TBSレビュー』のテーマ『「ラストマン」が描く視覚障害』
さて、本編の感想…
日曜日(5/28)の早朝に放送された『TBSレビュー』をご覧になっただろうか?
関東ローカルで放送されているTBSの自己検証&自己批評番組だ。
昨日のテーマは、『「ラストマン」が描く視覚障害』。※公式サイト
今作の編成プロデュース・東仲恵吾氏と、今作で全盲所作指導をしている「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の谷口真大氏がゲストだった。
見逃し配信や再放送はないので、ここで簡単に内容を紹介してみる。
というのも、私が気になっていた “今作で伝えたいこと” がその中にあったからだ。
今作が描こうとしている3点を知れば、いろいろ納得できる
今作が描こうとしているのは、次の3つだそうだ。
●全盲の人を “弱者” に描かない世界
●障がいの有無にかかわらず、助けを求めるのも助けることも自然にできる世界)
●“ドラマ” に “福祉” を持ち込まない
既にお気づきだと思うが、上記の3つを描こうとしていると理解できれば、今作のあらかたの描写に納得できるのではないだろうか?
“自分ができることを自然にできる世界” こそが、今作の主人公・米連邦捜査局(FBI)捜査官で全盲の皆実(福山雅治)の言動に反映され…
バディとして皆見を助け導くのが護道心太朗(大泉洋)を含めた、主人公の周囲の登場人物たちの言動で、“助けを求めるのも助けることも自然にできる世界” を構築していく物語だと思うのだ。
このことは、今回の事件を通した “護道家” についても共通項があると思う。
まあ、本来はこのような作り手のインタビューを聞かなくても、作品からひしひしと伝わってくるべきなのは言うまでもないが。
メインの事件と"肩たたき券"を重ねたのは良いアイデア
さあて、ここからが本当の本編の感想だ(ふ~っ)
事件そのものは、前半の 30分程度で結末まで見える内容だ。
そんなに複雑ではないし、ゲストも限定されているから当然ではある。
そこで、“連ドラ” らしく “縦軸” を盛り込んできた。
そう、皆見の父の問題と、護道家内での心太朗と父・清二(寺尾聰)の確執の問題だ。
とはいえ、ある種の “親ガチャ” にハズレた者の言動を描く点で、宇佐美翔(前原滉)の犯行と、心太朗の肩たたき券をリンクさせたのは、刑事ドラマとして良いアイデアだ。
いや、それ以外にも『日曜劇場』らしく、“人情モノ” 風の “じんわり” とした後味を残したいとの意図も、見事に成功したと思う。
まさか、令和に “お手製の肩たたき券” とは思わなかったが、「父の日」を前に “父親” を思い出す機会としても、さり気なく良かったと思う。
あとがき
これまでよりも、皆見の “人並み外れた嗅覚、聴覚、触覚” が活かされなかったのも意外でしたね。
でも、『TBSレビュー』のところでも書いたとおり、皆見は皆見ができることやって、他のメンバーも自分ができることやって、互いを補っていると考えれば、これくらいがちょうど良いと思います。
まあ、“全盲の超能力捜査官” が遠隔透視をやるような感じを期待したら気が抜けちゃうかもしれませんが(笑)
『日曜劇場』としては、これくらいのファンタジーとリアルのバランスが程よい塩梅だと思います。
これまでが、「濃い口」すぎただけですよ、きっと… (苦笑)
最後に、特殊班捜査第一係SIT隊長・新井将兵 役の山田純大さんは、『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS/2021)の 第3話に登場した特殊部隊SIT隊長と同一キャラクターに見えたので、両ドラマの世界観がつながっているという解釈なんですね。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17942/
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