罠の戦争 (第11話/最終回・2023/3/27) 感想

関西テレビ制作・フジテレビ系・新 月10ドラマ『罠の戦争』
公式リンク:Website、Twitter、Instagram、YouTube
第11話/最終回『権力の闇に射す光は…衝撃の結末へ』、ラテ欄『最終回! 権力の闇に射す光は…衝撃結末へ!さよなら鷲津』の感想。
亨(草なぎ剛)を陥れる怪文書の犯人は眞人(杉野遥亮)だった。亡兄の陳情の件が原因と察した梨恵(小野花梨)は当時の状況を説明。しかし眞人は、梨恵が亨をかばうことにショックを受け、ある場所へ向かう。一方、副大臣のポストを逃したことで鷹野(小澤征悦)と決裂した亨は、竜崎(高橋克典)に命じられ、鷹野の醜聞をつかむべく梨恵に調査を指示。梨恵はある人物に相談する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:後藤法子(過去作/銭の戦争、嘘の戦争、都市伝説の女)
演出:宝来忠昭(過去作/嘘の戦争、姉ちゃんの恋人、家政夫のミタゾノシリーズ) 第4,5,7,9話
三宅喜重(過去作/銭の戦争、嘘の戦争、10の秘密、姉ちゃんの恋人) 第1~3,6,8,10,最終話
音楽:菅野祐悟(過去作/半分、青い。、テセウスの船、危険なビーナス、日本沈没-希望のひと-)
主題歌:香取慎吾×SEVENTEEN「BETTING」
ナレーション:柳沢三千代(過去作/アニメ「それいけ!アンパンマン シリーズ」カレーパンマン声優)
プロデューサー:河西秀幸(過去作/銭の戦争、嘘の戦争、GTOシリーズ)
三宅喜重(過去作/銭の戦争、嘘の戦争、10の秘密)
※敬称略
気になる点はゼロではないが…
「政治家編」というべきか、主人公が政治家になったあたりから、「秘書編」との乖離が見られるようになり、私としては迷走しているように見えた今作。
ただ、この最終回を当初から計画していたのであれば、「秘書編」から「政治家編」への転換時の違和感は止むを得ないとは思う…
が、やはり、そのあたりの強引さはとても気になってしまった。
そして、気になったといえば、やはり蒸し返すようだが、泰生(白鳥晴都)が正義感でバスで注意した件が、最終回でも何となく “父と子の絆” として処理されたのもイマイチだった。
後者のほうは、設定次第で(今回、路上で同級生?のいじめをやめさせたように)納得度の高いシーン、動機は作れたと思う。
それと、結局は配信なんだ… と点も。
やはり、「テレビドラマ」なのだから「テレビ」で… 的な。
意外ときれいにまとめた!
あれこれと気になったことを綴ってはきたが、最終回、いや全11話を見終えて感じたのは次の一言に尽きる。
意外ときれいにまとめた!
好みは分かれると思うが、私は基本的に映像作品にテーマ性を求める主義だから、今作のようなエンターテインメント作品でも一定のテーマのようなものを感じると満足度が増す。
その意味では、前作『エルピス-希望、あるいは災い-』に通じるものがあるとも思う。
今作を見終えて思ったのは、「人間は、あらゆる意味で権力に弱い」ということの裏に、特に「若者への政治参加の意義や意味」も提示したとも思う。
また、ドラマの感想で政治談議をするつもりはないが、昨今、国内外の国家リーダーの暴走や国政の私物化、国連の無力化、国内の投票率の低迷や根強い政治不信などへのアンチテーゼの意味は大いにあったと思う。
更に、配信に重視を置いた点については、現状の「テレビ放送」への思いも込められていたとも思う。
因みに、私は “連ドラ” において‘きれいにまとめる’の悪くないと思う。
だって、いくらでも‘まとまらず最終回’はあるわけだから(苦笑)
「雛田可南子」へ転身で、連ドラとしての面白さが増した
それにしても…
「鷲津可南子(井川遥)」から「雛田可南子」へ転身とは!
ここまで、きれいにまとめてくれると、俄然と “連ドラ” としての面白味が増す。
当初は「登場人物の名前に意味があるの?」なんて考察好きがやっていたが、ある意味で見事な “回収” だと思う。
これくらい個性あるキャラクターなら、「雛田可南子」でスペシャルドラマなら1本は作れると思うが(笑)
あとがき
ここ数回の感想で書き忘れましたが、やはり草彅剛さんの演技、佇まい、姿勢など素晴らしかったです。
怒りと権力に翻弄されつつも、常に自分を見失うことなく、自分らしく生きる鷲津の姿も感動的でした。
カンテレには、次の作品でも頑張ってほしいです。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17794/
【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話 第9話 第10話
- 関連記事