連続テレビ小説「舞いあがれ!」 (第90回・2023/2/9) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『舞いあがれ!』
公式リンク:Website、Twitter、Instagram
第90回〔全126回〕/第19週『告白』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうがよいです。
2014年6月。貴司(赤楚衛二)の短歌が好きだという秋月史子(八木莉可子)がデラシネを訪れる。史子は、持って来た自作の短歌を貴司によんで欲しいと頼む。舞(福原遥)が店番をする中、貴司は史子の短歌をよみ、良い歌をよませてもらったとお礼を言う。すると史子は、突然涙を流し、人に見せるのは怖かったが、貴司の短歌をよんで、貴司になら自分の短歌を見せられると思ったと告白する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:桑原亮子(過去作/心の傷を癒すということ) 第1~7,12~17,19週
嶋田うれ葉(過去作/朝ドラ「エール」) 第8,9週
佃良太(過去作/星とレモンの部屋) 第10,11,18週
演出:田中正(過去作/ウェルかめ、ひよっこ、なつぞら) 第1,3~5,7,13~15週
野田雄介(過去作/スカーレット、マッサン、六畳間のピアノマン) 第2,8,10,17,18週
小谷高義(過去作/スカーレット、おちょやん) 第6,12,19週
松木健祐(過去作/ひよっこ、いだてん、晴天を衝け) 第9,11週
原田氷詩(過去作/ちりとてちん演出補、スカーレット 24週のみ共同演出、おちょやん 17週のみ) 第16週
音楽:富貴晴美(過去作/花嫁のれんシリーズ、西郷どん、それでも恋する)
主題歌:back number「アイラブユー」
語り:さだまさし
制作統括:熊野律時(過去作/おちょやん)
管原浩(過去作/これは経費で落ちません!、いいね光源氏くんシリーズ)
※敬称略
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
これまで敢えて触れてこなかったことについツッコミます!
あがだ、お元気と? おいが管理人の “みっきー” です!
(皆さん、お元気ですか? 私が管理人の “みっきー” です!)
ほんなこて、さんかけん、風邪ば引かんごてねー。
(本当に、寒いから、風邪を引かないようにね)
ここ最近ほどは、褒めるときは…
「描こうとしていることは理解しているつもり」
「描いていること自体は間違っていない」
くらいしか、言葉が思いつかない今作も、今回で第90回となりました。
区切りがよいので、これまで敢えて触れてこなかったことについて、終わりのほうでツッコミを入れようと思います。
最近の舞は"ヒロイン特権"で課を出して首を突っ込むだけ…
さて、とにかく「働かない舞ちゃん」である(苦笑)
いや、「働け! 舞ちゃん」のほうである(笑)
いいや、もはや “舞ちゃん” が働こうが働かなかろうが、既に今作において “舞ちゃん” は “脇役以下” なのだ。
思い返してほしい。
先週の貴司(赤楚衛二)の受賞と夢の話、久留美(山下美月)の結婚話、前回で終わった悠人ニーニー(横山裕)のインサイダー取引の話のいずれにも主人公・舞(福原遥)は顔を出し首を突っ込んではいるものの、ヒロイン特権で優位に登場しているだけに見えてしまう。
その理由も簡単で。
まず、貴司と久留美については、舞が二人の “幼なじみ” であり “親友” であるという理由でかかわっているように描いていたが。
そもそも論として、幼少期から舞が二人の “幼なじみ” なのは間違いないが、“親友” であるとは強調していないから、首を突っ込んであれこれ言ったところで「なんで、舞が言うの?」って、なっちゃうのでは?
家族で兄の悠人と、舞をもっと絡ませていくべきだった…
悠人に関しては、そもそも論として、主人公・舞にとって “家族” であり “実兄” なのに、悠人を “工場の街嫌い”、“実家嫌い”、“両親嫌い” の設定にしてしまったから、極端にホームドラマなのに悠人だけは “家族らしい” 描写が少ない。
それでも、母・めぐみ(永作博美)とのやり取りは悠人上京後もそれなりに描かれているため、先日の描写も「めぐみと悠人」についてはさほどの違和感は覚えないが、舞とのやり取りは違和感だらけになった。
もう一つ加えれば、先日の悠人が雨の中倒れて、久留美と佳晴(松尾諭)が介抱したくだりだって、前回の感想で書いたように、脚本の順番が雑だから、舞の言葉に微塵も説得力がなかったのだ。
普通に「知り合いに会いたくない悠人」を「孤独なお兄ちゃんを心配する妹」が見つけだけで済んだのは言うまでもない。
これまで敢えて触れてこなかったこと「幼なじみ>親友」?
そして、今回では中盤8分頃の、舞がこれ見よがしに笑顔で、貴司と貴司の短歌のファン・秋月史子(八木莉可子)のことを久留美に話すくだりだ。
まあ、先週の結婚話、先日の悠人の騒動で、久留美との関係はそれなりに “密” に描いているから、今回もおのろけ半分で話題にすること自体は悪くない。
でも、すぐに久留美に報告する舞に違和感を覚えてしまう…
では、そろそろ序盤で宣言した「これまで敢えて触れてこなかったこと」を書こうと思う。
一つ目は、「幼なじみ > 親友」なの? ってことだ。
久留美を登場させるなら、親友の舞が連れてきた意味を描いてほしい
10分頃に、お好み焼き屋「うめづ」で久留美と「五島編」のキャラクターたちが全員集合! する場面があった。
ここで注目してほしいのが、次の二つの他己紹介をする台詞だ。
舞「親友の久留美です」
※ ※
一太「幼なじみの舞です」
これを聞いて「?」と思った人は鋭い感性の持ち主だと思う。
今回の演出、映像を見て、あなたは “親友の久留美” と “幼なじみの舞” のどっちが “親しい関係”、“心を許し合っている仲” に見えただろうか?
私は、圧倒的に後者のほうが、 “親しい関係” であり “心を許し合っている仲” に見えたのだが。
もちろん、現場の人数配分の関係で、久留美が控えめになるのは理解するが、だったら “親友の舞” が気を遣って、場に馴染ませてもよさそうな…
結局、そういう舞の気遣いを脚本も書かないし、演出もしないから「幼なじみ >親友」という構造が見えてしまうのだ。
断っておくが、ダメとか違和感だらけ… と言っているのではない。
せめて、主人公を登場させるなら、主人公がいる意味を描いてほしいのだ。
そして、これ見よがしに久留美を登場させるなら、親友の舞が連れてきた意味を描いてほしい、ただそれだけ。
舞と久留美と貴司の三人は"打ち解けている"ように見えない
例えば、終盤での信吾(鈴木浩介)とめぐみのやり取り、一太と舞のやり取り、あれなんてどこから見ても “幼なじみ” そのものだった。
そう、親しみ深さ、和気あいあいさ、フレンドリー、簡単に言えば “打ち解けている” ように見えるってこと。
それが、舞と久留美と貴司の三人には感じにくいのだ。
恐らく、ここ最近の描写で例えるなら、舞と、以前は嫌味を言いまくっていた山田紗江(大浦千佳)との関係性のほうが “打ち解けている” ように見えると思う(苦笑)
結局、当初の「五島編」の時から “先の展開” を見据えて、逆算した初期設定を作って描き続けずに、思い付き、描きたいことだけ描くから、このように連続性が担保されない “その場しのぎ” 的な描写の連続になってしまうのだ。
脚本&演出として"親友"という描写は、これで良いのか?
最後に、もう一つの「これまで敢えて触れてこなかったこと」を。
それは、今作の “メイン” を中心とした脚本家と演出家は、「幼なじみ」と「親友」を使い分けているが、「幼なじみ」のほうはいいとして、「親友」のほうはこれでいいのか? ってことだ。
もちろん、「幼なじみ」は幼い頃から仲が良い人で、「親友」は互いに心を許し合っている友、きわめて親しい友人のことだと分かってはいるが。
だとしても、久留美って舞にとって “親友” といえるのだろうか???
あとがき
私としては、舞にとって久留美は「幼なじみ」でそれ以上でも以下でもなくて。
むしろ、舞にとって一太は「幼なじみ」を超えた「心友(心から理解し合っている友人)」で。
舞にとって山田さんは「新友(最近仲良くなった友だち)」に見えます。
少々、言葉遊びのように聞こえてしまうかもしれませんが、「親友」「幼なじみ」「心友」「新友」って微妙に違うはずなのに、今作ではごちゃ混ぜになってませんか?
とにかく、劇中の短歌を書くのに割いた時間を、本編の脚本を書くのに費やしてほしいのですが…(失笑)
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17661/
【これまでの感想】
第1週『お母ちゃんとわたし』
1 2 3 4 5 土
第2週『ばらもん凧(だこ)、あがれ!』
6 7 8 9 10 土
第3週『がんばれ!お父ちゃん』
11 12 13 14 15 土
第4週『翼にかける青春』
16 17 18 19 20 土
第5週『空を飛びたい!』
21 22 23 24 25 土
第6週『スワン号の奇跡』
26 27 28 29 30 土
第7週『パイロットになりたい!』
31 32 33 34 35 土
第8週『いざ、航空学校へ!』
36 37 38 39 40 土
第9週『私らはチームや』
41 42 43 44 45 土
第10週『別れと初恋』
46 47 48 49 50 土
第11週『笑顔のフライト』
51 52 53 54 55 土
第12週『翼を休める島』
56 57 58 59 60 土
第13週『向かい風の中で』
61 62 63
総集編(前編)
第14週『父の背中』
64 65 66 土(第13,14週分)
第15週『決断の時』
67 68 69 70 71 土
第16週『母と私の挑戦』
72 73 74 75 76 土
第17週『大きな夢に向かって』
77 78 79 80 81 土
第18週『親子の心』
82 83 84 85 86 土
第19週『告白』
87 88 89
- 関連記事
-
- 夜ドラ「ワタシってサバサバしてるから」〔全20回〕 (第20回/最終回・2023/2/9) 感想 (2023/02/10)
- 警視庁アウトサイダー (第6話・2023/2/9) 感想 (2023/02/10)
- 連続テレビ小説「舞いあがれ!」 (第90回・2023/2/9) 感想 (2023/02/09)
- 夜ドラ「ワタシってサバサバしてるから」〔全20回〕 (第19回・2023/2/8) 感想 (2023/02/09)
- リバーサルオーケストラ (第5話・2023/2/8) 感想 (2023/02/09)