連続テレビ小説「舞いあがれ!」 (第89回・2023/2/8) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『舞いあがれ!』
公式リンク:Website、Twitter、Instagram
第89回〔全126回〕/第19週『告白』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方がよいです。
実家に帰った悠人(横山裕)は、舞(福原遥)、めぐみ(永作博美)と久しぶりに家族での夕食を囲む。悠人がめぐみに頼んだのはカレーライス。めぐみが舞を連れて長崎・五島に行っていたころ、浩太(高橋克典)がよく作ってくれた親父(おやじ)カレーの思い出を、悠人はしみじみと語る。そして、翌日には東京に戻り警察に出頭すると、舞とめぐみに伝える。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:桑原亮子(過去作/心の傷を癒すということ) 第1~7,12~17,19週
嶋田うれ葉(過去作/朝ドラ「エール」) 第8,9週
佃良太(過去作/星とレモンの部屋) 第10,11,18週
演出:田中正(過去作/ウェルかめ、ひよっこ、なつぞら) 第1,3~5,7,13~15週
野田雄介(過去作/スカーレット、マッサン、六畳間のピアノマン) 第2,8,10,17,18週
小谷高義(過去作/スカーレット、おちょやん) 第6,12,19週
松木健祐(過去作/ひよっこ、いだてん、晴天を衝け) 第9,11週
原田氷詩(過去作/ちりとてちん演出補、スカーレット 24週のみ共同演出、おちょやん 17週のみ) 第16週
音楽:富貴晴美(過去作/花嫁のれんシリーズ、西郷どん、それでも恋する)
主題歌:back number「アイラブユー」
語り:さだまさし
制作統括:熊野律時(過去作/おちょやん)
管原浩(過去作/これは経費で落ちません!、いいね光源氏くんシリーズ)
※敬称略
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
前回の感想のフォロー、補足から始めようと思います
あがだ、お元気と? おいが管理人の “みっきー” です!
(皆さん、お元気ですか? 私が管理人の “みっきー” です!)
ほんなこて、さんかけん、風邪ば引かんごてねー。
(本当に、寒いから、風邪を引かないようにね)
この投稿時点で、前回の殴り書きのような感想に、「24人」もの Web拍手をいただきました。
本当にありがとうございます。
やっぱり、分かる人には分かりますよね。
ということで、昨日はあまりにも稚拙な脚本、あざとい演出に腹が立って投げやりな投稿をしたので、今回の感想は前回の感想のフォロー、補足から始めようと思います。
前回を見て、腹が立った理由…
なぜ、前回がまともに評価するに値しないくらいに腹が立ったのか?
答えは簡単で、ここまで 〔無茶苦茶な展開〕 をやると分かっているなら、プロだったら好意的に解釈しない普通の視聴者たちも 〔納得できるフロー(流れ、手順、工程)〕 を用意するべきなのに、やらないからだ。
悠人が倒れる理由が、ちゃんと描かれていない
ここで、いつもの「こうしたらよかったのに… 講座」を開設してみる。
前回を思い出してほしい。
悠人ニーニー(横山裕)が倒れて望月家で介抱されたあと、悠人ニーニーは舞(福原遥)とめぐみ(永作博美)と会いたくないような素振りが描かれた。
察しのいい読者様ならお分かりだと思うが、もう、この時点で〔納得できるフロー(流れ、手順、工程)〕 になっていないのだ。
なぜなら、それ以前で “会いたくない” との意思表示を提示しなければ、倒れていること自体が不自然で、前々回までとつながらないからだ。
悠人の「誰にも会いたくない」の意思を描くだけでよかった
これを簡単に〔納得できるフロー(流れ、手順、工程)〕 にする方法があった。
それは、例えば、佳晴(松尾諭)倒れている悠人ニーニーを見つけて、「こんなところで何やってんだ」と岩倉家に連れて行こうとすればいい。
そして、悠人が「これ以上、母さんや舞や会社の人たちに迷惑はかけらない!」と佳晴の手を払って拒絶する。
「じゃあ、うちに来なさい」と佳晴が言っても、「赤の他人の、おじさんや久留美ちゃんにまで迷惑はかけらない!」と更に悠人は佳晴を押し倒して拒絶。
これくらいの強めの台詞と態度で悠人ニーニーの周囲への気持ちを描くだけでよかったのだ。
ここまで悠人の心理描写をやっておけば、もう、望月家での久留美(山下美月)の看病も、救急車を呼ぶのも、夜のうちに実家に帰るのも全部カットして、佳晴を押し倒したあとは翌朝の岩倉家のダイニングに直結でいいのだ。
もう、“連ドラ” としてどうこう以前に、“ドラマ” として、丁寧な作り込みをやらな過ぎるのだ。
無茶苦茶な上に雑って???
「だから」、「それでもなお」、「そうしたら」を正しく使えてない
前回だって、倒れて、見つかって、看病されて、家族が迎えいに来て、実家に戻って… と、段取りばかり多くて、劇中の時間は経過しているが、夜から翌朝になればいいってもんじゃない!
会いたくないから行くところがなくて夜ふらついて、知り合いに見つかるも逃げようとするが、それでもなお強引に実家に帰らされて、そうしたら家族愛を感じましたとさ…)
たった、たった、、たったこれだけのことなのだ。
しかし今作は「…だから」という根拠や理由付け、「それでもなお…」という状態の維持、「そうしたら…」という前段を受けた結果、これらの機能を的確に使えていない。
だから、ごくごく基礎的な文脈なのに「?」だらけになってしまうのだ。
もっと、佳晴と悠人を絡ませておくべきだったのでは?
そして、今さらではあるが、根本的な部分への「こうしたらよかったのに… 講座」も開設しておこうと思う。
脚本家、特に “メイン” は全く気付いていないと思うが(自分の書くところしか見てないから)…
そもそも、悠人ニーニーと久留美と佳晴の間で<私たちに>印象的なやり取りもないのに、全体の「4分の3」が終わろうとする今になって「放っておけない知り合いだから助ける」なんてエピソードを盛り込むことが異様なのでは?
だって、佳晴は舞と久留美の行きつけのカフェ「ノーサイド」の女主人・道子(たくませいこ)とのシーンが多いし、そもそも古くからの知人なのだから…
それなら「ノーサイド」の前で倒れて、以前に客として来店したニーニーを道子が見つけて、「たまたま」店にいた久留美が介抱するほうが、マシだったのでは?
結局、全体の構成を考えて、主人公がアルバイトをしている時にでも「ノーサイド」に “兄” として来店させ、久留美や佳晴とも顔見知りにしておく必要があったと思う。
最低限の文脈は真面目に丁寧に書いて描いてもらわないと…
脚本家や監督、好意的に解釈している視聴者は “なんとなく” 分かったつもりだと思う。
そう、雰囲気で誤魔化している、雰囲気に誤魔化されていると思う。
普通に見ていたら、そんな風には見えるはずないのに… である。
繰り返すが、描きたいことは分かる。
別にお涙頂戴だろうが、それはそれで “朝ドラ” だから許容もできる。
でも、最低限の文脈は真面目に丁寧に書いて描いてもらわないと、朝からスッキリしないのだ。
"重ね"るなら、事前の仕込みをやっておく必要があるのに…
ここから、今回の感想だ(ふ~っ)
どうやら、“メイン” は実業団ラグビー選手として挫折して復活した佳晴と悠人ニーニーを、佳晴に寄り添った久留美とニーニーに寄り添った舞とめぐみを “重ねている” つもりらしい(苦笑)
しかし、佳晴が登場し… あの模型飛行機のくだりは昨年10月下旬の第3週『がんばれ!お父ちゃん』 で、あとは時々登場しただけ。
もちろん、前述のように、悠人と佳晴の関係なんてほぼ描かれていないのだ。
それこそ、のちの今回の「ノーサイド」のシーンを想定しているなら、「うめづ」でやった場面も「ノーサイド」に置き換えてもよかったし、「うめづ」を使うなら使うで、もっと悠人を絡めるべきだったと思う。
もちろん、横山裕さんのスケジュールが… は、あると思うが、それを何とかするのもプロの仕事なわけで。
こういうところが、今作の、特に “メインの脚本家と演出家、そして制作統括を含めたチーム” のダメなところだと思う。
「阪神淡路大震災がある世界」のほうが…
さて、“メイン” としては悠人を片付けたところで、次の “描きたいミッション” である「五島」の登場だ(笑)
これまでも当ブログでは、どうして「バブル崩壊も阪神淡路大震災もない世界」なのに「リーマンショックだけがある世界」なの?と、疑問と呈してきた。
そして、今回を見て、今日3度目の「こうしたらよかったのに… 講座」を開こうと思う。
それは、今回の展開が準備されていたのなら、メッチャそもそも論として…
「阪神淡路大震災がある世界」のほうが展開が自然に作れたのでは? という素朴な疑問だ。
NHK公式Twitterの「1994年の岩倉家」を見ての通り…
阪神淡路大震災は、この写真の翌年 1995年1月17日に発生したのだから、東大阪の岩倉家も被災していてもおかしくない。
まあ、調べてみると現実的には、東大阪は余震が続いたり、ライフラインの機能停止はあったものの、大きな建物損壊などはなかったそうだ。
それでも “フィクション” なんだから、局部的に被害が多かったとして、岩倉螺子製作所も被害を受け、近隣の工場も… 的な設定にして、子どもたちを一時的に「五島」に疎開させてもよかったと思う。
いや、むしろ、「舞ちゃんは、阪神淡路大震災の影響で東大阪から五島のおばあちゃんの家に疎開をしていました…」で始まって、「さくらお姉ちゃんや一太くんと元気に地元の学校に通っています…」なら、今回の展開だって違和感はなかっただろうし、説得力もあったような。
そう、「五島は、舞ちゃんの第二のふるさとです」の勢いで。
そうしておけば、のちに度々「五島」が登場するのも、舞が「五島」を訪れるのも自然だったのに。
もう、巻き戻せないが…
あとがき
悠人のくだりは、雨降りのなか彷徨って、カレーを食べて、判決を受けて終了。
そして半年の時間経過でな~んもなかったように、五島の観光の話と、新キャラで貴司の短歌のファン・秋月史子(八木莉可子)が登場。
どうでもいいんですけど、荒金さんのご厚意でもらった自動車部品製造はどうなったの???
ホント、大人なんだから、プロなのですから、一度描いたら最後まで描いてください!
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17655/
【これまでの感想】
第1週『お母ちゃんとわたし』
1 2 3 4 5 土
第2週『ばらもん凧(だこ)、あがれ!』
6 7 8 9 10 土
第3週『がんばれ!お父ちゃん』
11 12 13 14 15 土
第4週『翼にかける青春』
16 17 18 19 20 土
第5週『空を飛びたい!』
21 22 23 24 25 土
第6週『スワン号の奇跡』
26 27 28 29 30 土
第7週『パイロットになりたい!』
31 32 33 34 35 土
第8週『いざ、航空学校へ!』
36 37 38 39 40 土
第9週『私らはチームや』
41 42 43 44 45 土
第10週『別れと初恋』
46 47 48 49 50 土
第11週『笑顔のフライト』
51 52 53 54 55 土
第12週『翼を休める島』
56 57 58 59 60 土
第13週『向かい風の中で』
61 62 63
総集編(前編)
第14週『父の背中』
64 65 66 土(第13,14週分)
第15週『決断の時』
67 68 69 70 71 土
第16週『母と私の挑戦』
72 73 74 75 76 土
第17週『大きな夢に向かって』
77 78 79 80 81 土
第18週『親子の心』
82 83 84 85 86 土
第19週『告白』
87 88
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