星降る夜に (第4話・2023/2/7) 感想

テレビ朝日系・火曜9時枠の連続ドラマ『星降る夜に』
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第4話『2度目のキス――君が大好きだと伝えたい。』の感想。
鈴(吉高由里子)は深夜(ディーン・フジオカ)から、妊娠を告げてもにこりともしない患者がいたと聞く。一方、鈴の手話の上達は目覚ましく、講師の橋本(寺澤英弥)も驚くほど。授業後、鈴は北斗(水野美紀)に飲もうと誘われる。「遺品整理のポラリス」事務所で、居合わせた一星(北村匠海)と春(千葉雄大)も加わった飲み会に、春は妻のうた(若月佑美)を呼ぶことに。そこに、北斗の娘の桜(吉柳咲良)が帰宅する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:大石静(過去作/家売るオンナシリーズ、大恋愛、知らなくていいコト、恋する母たち)
演出:深川栄洋(過去作/偽装の夫婦、僕とシッポと神楽坂、にじいろカルテ) 第1,2話
山本大輔(過去作/民王、おっさんずラブ、緊急取調室3、妖怪シェアハウス) 第3,4話
音楽:得田真裕(過去作/家売るオンナシリーズ、アンナチュラル、インハンド、MIU404、石子と羽男-そんなコトで訴えます?-)
主題歌:由薫「星月夜」
挿入歌:NCT ドヨン「Cry」
※敬称略
後半に入る前に脇役の一人である春を掘り下げましょう!
前回までは、各登場人物の紹介、ちょっと難しい初期設定の説明に加え、遺品整理と産婦人科医のことに触れ、“ただの恋バナ” ではないことを提示した今作。
今回は、折り返し直前だからだろうか、まずは脇役の一人である春(千葉雄大)を掘り下げましょう! というところだろう。
「世の中 狭いねえ」とアッサリ全員集合をやったのは斬新!
しかし、“連ドラ” の構成として意外と斬新に感じたのは、放送中の某朝ドラのように「たまたま」を連発することがドラマッチック、サプライズだと勘違いしている脚本家が多い中で、北斗(水野美紀)の娘・桜(吉柳咲良)に「世の中 狭いねえ」とアッサリ全員集合! をやったことだ。
さすが、ベテラン脚本家、大石静氏らしい英断だと思う。
やはり、今作は “出会い” よりも、“出会ってから” のコトを描く作品だと思うから、このタイミングで<世の中 狭い>をやったのはうまいと思う。
だって、「たまたま」を引っ張れば、出会った同志のキャラクターしか使えないが、<世の中 狭い>をやったあとなら、どんなセットでも使えちゃうから展開を膨らませるのに不自然さが生まれないから。
春の陽キャラからから陰キャラへのギャップが凄すぎ!
さて、物語の感想も。
まず、千葉雄大さんの演技力の賜物でもあるが、とにかく春(千葉雄大)の陽キャラからから陰キャラへのギャップが凄すぎ!
しかし、このギャップが、今作の “恋バナ” と “産科の話” のギャップと似ていて、重い部分があるから明るい部分が際立つし、明るい部分があるから思い部分を見ていられるわけで。
この辺の構成も見事だし、物語としてのバランスも良いと思う。
今作が"ただの恋バナじゃない!"と思うところ…
で、個人的には “子供がいない夫婦” であり、“妻が助産師” である私は、今回のエピソードはなかなか… なモノがあった。
意外に… といっては失礼だが、今作は「町の産婦人科医院」が舞台だが、産科医の苦悩、新人ドクターの成長、産科勤務の看護師の嘆きを盛り込んでいるところが、“ただの恋バナ” ではないと私が評価する点だ。
特に、医師は鈴(吉高由里子)が言ったように…
鈴「事情は医者には関係ないから。
私たちが やるべき事は
妊婦さんの体調の的確な診断をする事」
妊婦さんの診断をするのが仕事。
でも、看護師長・犬山鶴子(猫背椿)は次のように言った…
鶴子「仕事としては お産 感動しますけど…
ここで働けば働くほど
いやあ… 産めないなあ 育てられないなあって」
ここ、かなりシナハン(シナリオハンティング=脚本を書く前に現場で取材調査をすること)が丁寧に行われた結果に生まれた台詞だと思う。
因みに、助産師は看護師とはまた少し違って、「妊婦さんの事情は配慮するけど、絶対に私情は挟まない。でも、いつかは妊婦さんやパートナーなりが決断しなければいけない時、後悔しないように細心の配慮は怠らない」だそうだ(妻、談)。
で、今作の初期設定が絶妙なのは「産科医院」が舞台なのに、表立って「助産師」の存在を示さずに「産科医と看護師のみ」に限定していること。
ここを広げちゃうと、『コウノドリ』のように「産科のお話」が強調されちゃうから、あくまでも「生と死を扱った恋バナ」としては、このくらいのさじ加減が程よいと思う。
あとがき
次の春が一星(北村匠海)に言い放った言葉は衝撃的でしたね。
春「もし お前みたいに耳が聞こえなかったら
俺は お前みたいに自信満々に笑って生きられない!
もし 生まれてくる子供の耳が聞こえなかったら?
そんなの 俺は無理だよ! 抱えきれないよ!」
このまま進んだら、どんな展開になっちゃうの? と、思いましたけど。
いい意味での主人公・鈴のフワフワ感と、一星の祖母・柊カネ(五十嵐由美子)の明るさに救われました。
次回も期待します。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17652/
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