連続テレビ小説「舞いあがれ!」 (第85回・2023/2/2) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『舞いあがれ!』
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第85回〔全126回〕/第18週『親子の心』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方がよいです。
舞(福原遥)が夕飯の支度をしていると、めぐみ(永作博美)が家に届いた郵便物を持って帰宅する。その郵便物には、祥子(高畑淳子)から五島での釣りフェスタのチラシと手紙が届いていた。手紙を読んだ舞は祥子に電話をし、自分が浩太(高橋克典)の夢だった航空機の部品作りに挑戦していることを報告する。それに対し、祥子も五島での島起こしを頑張ると答え、お互いを励ましあう。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:桑原亮子(過去作/心の傷を癒すということ) 第1~7,12~17週
嶋田うれ葉(過去作/朝ドラ「エール」) 第8,9週
佃良太(過去作/星とレモンの部屋) 第10,11,18週
演出:田中正(過去作/ウェルかめ、ひよっこ、なつぞら) 第1,3~5,7,13~15週
野田雄介(過去作/スカーレット、マッサン、六畳間のピアノマン) 第2,8,10,17,18週
小谷高義(過去作/スカーレット、おちょやん) 第6,12週
松木健祐(過去作/ひよっこ、いだてん、晴天を衝け) 第9,11週
原田氷詩(過去作/ちりとてちん演出補、スカーレット 24週のみ共同演出、おちょやん 17週のみ) 第16週
音楽:富貴晴美(過去作/花嫁のれんシリーズ、西郷どん、それでも恋する)
主題歌:back number「アイラブユー」
語り:さだまさし
制作統括:熊野律時(過去作/おちょやん)
管原浩(過去作/これは経費で落ちません!、いいね光源氏くんシリーズ)
※敬称略
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
褒めるべき部分はちゃんと評価する
気になる点は徹底的に言及して、「こうしたらよかったのに… 講座」を開設して溜飲を下げる。
しかし、褒めるべき部分はちゃんと評価する。
これが、私の感想のモットーだ。
ってことで。今回も、それに従って書いてみる。
今日は、舞が家事と仕事をする場面が描かれただけでもマシ
冒頭、料理する描写こそなかったが、主人公・舞(福原遥)が晩御飯の準備をして母・めぐみ(永作博美)を待つ姿の映像があった。
相変わらず、主人公は仕事を終えて先に帰宅したのか休暇だったのか、めぐみが郵便物を持って帰宅して来ちゃったからよく分からないが(苦笑)
これだって、「お帰り、お母ちゃん。ばんばから手紙がきてんねんで(関西弁として間違っているかもしれないが?)」、「何だって?」とするだけでよかったわけだが。
それでも、今週ダラダラと描かれた貴司(赤楚衛二)と久留美(山下美月)の話を木曜日まで引っ張られるより、一応は身内である祖母・祥子(高畑淳子)を絡めたほうが無難)だと思う。
まあ、これも前回で書いたように、思い切って IWAKURAを連休設定にして、舞は幼なじみのため、五島のために、あちこち頑張りました… の、スピンオフ週でよかったと思うが。
脚本家の言葉の選択が作品に与える影響について考える
それはさておき。
今回で注目したのは、脚本家の言葉の選択が作品に与える影響についてだ。
決して難しい話ではないから、今作のみならず、“ドラマ” や “脚本” を深く知るうえで読んでほしい。
で、最初に注目したのは、舞が電話で祥子に言った台詞だ。
舞「お父ちゃんの夢やった
飛行機の部品作んのに挑戦してんねん」
※ ※ ※
舞「お父ちゃんの夢まで あと もう一歩や」
この台詞では、「お父ちゃんの夢」という言葉が使われている。
これは、脚本家が今描いているのが “舞の夢” ではなく “お父ちゃんの夢” であると強調したいからだと思う。
そのことは、次のめぐみの台詞からも読み取れる。
めぐみ「主人は ずっと 航空機部品を作ることを夢みて」
そう、「主人の夢=航空機部品を作ること」だ。
当然ではあるが、次の「菱崎重工」の重役・荒金(鶴見辰吾)の台詞を読むと分かる。
荒金「ここに あの時の浩太さんの思いが ちゃんと残っている」
そう、今週担当の脚本家・佃良太氏は、何とかして先週で視聴者にすり込まれた「お父ちゃんの夢=舞の夢」の印象を払拭しようとしているのだ。
今週の脚本家が印象付けようとしているのは、次の5つ
その推測が間違っていないことは、次の貴司の台詞の中にある。
貴司「飛行機の部品に代わる目標?」
お気づきの方も多いと思うが、「目標」という単語が使われている。
これらのことから、今週の脚本家が印象付けようとしているのは、次の5つだと思う。
●航空機部品を作ることは、先代社長・浩太の夢ってこと
●妻のめぐみは、生前に夫・浩太と夢を共有していたこと
●舞が航空機部品を作ることに拘ったのは、お父ちゃんの夢をかなえたかったから
●浩太とめぐみにとっての “夢” は、他の人にとっては “思い” であること
●今の舞が探しているのは “夢” ではなく “目標” だということ
先週の"無理やりな展開"には問題があったと思う
キツイ言い方をすれば、「航空学校編」までは大して “お父ちゃんの夢” を具体的に描いてはいなかったし、ましてや舞が “お父ちゃんの夢” に共感したなんてくだりはなかったのだ。
それこそ、浩太が亡くなるまでは「舞ちゃんの夢=パイロットになる」を散々強調しまくっておいて、突然死の直後から「お父ちゃんの夢をかなえたい」は、やはり無理やり、強引すぎたのだ。
私は劇中で必要以上に登場人物の病気や詩を扱うことに否定的だが。
今作が書いたから敢えて書くなら、浩太が突然死でなく、だいぶ前から体調が悪くて… みたいな設定なら。
「私がお父ちゃんの夢を支えるから、お父ちゃんも頑張って」とか、密かに胸の内で「お父ちゃんが生きてるうちにかなえてあげたい…」もアリだったと思うが。
やはり、“メイン” の桑原亮子氏が書いた先週の第17週『大きな夢に向かって』の展開に問題があったと思う。
ちょっとした言葉の選択が作品に与える影響は意外と大きい
ちょっと話を戻そう。
要するに、「夢」、「お父ちゃんの」を強調した先週の印象操作というか、私は今作のテーマやコンセプトを再考した上で、残り2か月の今こそ正しく軌道修正すべく、「思い」、「チャレンジ」、「挑戦」という言葉を選んで使ったと思う。
こうやって考えれば、「こうしたらよかったのに… 講座」的にいえば…
お父ちゃんが夢半ばで亡くなったから、娘の私がお父ちゃんの “思い” を受け継いで、新社長の母を支えながら会社の存続のために、新しい “チャレンジ” として飛行機部品製造に “挑戦” したい!
これで、よかったと思う。
桑原氏の脚本がダメだとは言わない。
ただ、ちょっとした言葉の選択が作品に与える影響は意外と大きいってことだ。
あとがき
終盤で登場した兄・悠人(横山裕)は… インサイダー取引で一悶着ですかね。
それにしても、あれだけ描いた貴司と久留美の件は、あれで終わり? それとも次週?
だって、既にネットニュース界隈では、次回で水島(佐野弘樹)と吉田(醍醐虎汰朗)が舞を訪ねて東大阪へ来るってことになってますから(笑)
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17630/
【これまでの感想】
第1週『お母ちゃんとわたし』
1 2 3 4 5 土
第2週『ばらもん凧(だこ)、あがれ!』
6 7 8 9 10 土
第3週『がんばれ!お父ちゃん』
11 12 13 14 15 土
第4週『翼にかける青春』
16 17 18 19 20 土
第5週『空を飛びたい!』
21 22 23 24 25 土
第6週『スワン号の奇跡』
26 27 28 29 30 土
第7週『パイロットになりたい!』
31 32 33 34 35 土
第8週『いざ、航空学校へ!』
36 37 38 39 40 土
第9週『私らはチームや』
41 42 43 44 45 土
第10週『別れと初恋』
46 47 48 49 50 土
第11週『笑顔のフライト』
51 52 53 54 55 土
第12週『翼を休める島』
56 57 58 59 60 土
第13週『向かい風の中で』
61 62 63
総集編(前編)
第14週『父の背中』
64 65 66 土(第13,14週分)
第15週『決断の時』
67 68 69 70 71 土
第16週『母と私の挑戦』
72 73 74 75 76 土
第17週『大きな夢に向かって』
77 78 79 80 81 土
第18週『親子の心』
82 83 84
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