リバーサルオーケストラ (第4話・2023/2/1) 感想

日本テレビ系・水曜ドラマ『リバーサルオーケストラ』
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第4話『家庭か音楽か… 悩む団員を救え!』、ラテ欄『頑張れ受験生 家庭と音楽… ママ団員の選択とは!?』の感想。
初音(門脇麦)が児玉交響楽団のコンサートマスターとなって初めて臨んだ演奏会が終了。朝陽(田中圭)はすぐさま次の目標となる定期演奏会に向けて動き出し、初音をコンチェルトのソリストに指名する。ところが、初音は練習でミスを連発してしまう。そんな中、明るい性格で一人娘の亜美(凛美)がいるビオラのみどり(濱田マリ)に、定期演奏会への出演が危ぶまれる事態が発生する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:清水友佳子(過去作/夜行観覧車、わたし、定時で帰ります、朝ドラ「エール」、最愛)
演出:猪股隆一(過去作/家売るオンナシリーズ、35歳の少女、コントが始まる) 第1~3話
小室直子(過去作/怪盗 山猫、3年A組、ニッポンノワール、真犯人フラグ)) 第4話
鈴木勇馬(過去作/東京タラレバ娘、今日から俺は!、俺の話は長い)
チーフプロデューサー:三上絵里子(過去作/逃亡医F、ダマせない男、受付のジョー)
音楽:清塚信也(過去作/コウノドリ1,2)
啼鵬(バンドネオン奏者・過去作/朝ドラ「ファイト」編曲)
※敬称略
お悩み中の主人公が脇役の悩みを聞くという展開…
意地悪な言い方をすれば…
主人公・初音(門脇麦)にとって因縁の楽曲であるチャイコフスキーの『ヴァイオリンコンチェルト』が演奏曲に決まったのだから、初音が『チャイコン』を乗り越えるのかの苦悩を描くのかと思いきや、悩んでいる初音が桃井みどり(濱田マリ)の悩みを聞くという、やや意味不明な展開の今回。
まあ、初音自身が「周りの人が しんどそうだと 私が嫌だから 人のためじゃなくて 自分のため」と自分本位であると宣言しているから、「私のことより、みどりさんを片付けないと私が悩めない!」ってコトだと好意的に解釈しておく。
それに、第4話で演出家が交代したため、全体的に映像がのっぺりしたのには驚いてしまったが(苦笑)
地方の交響楽団員ならではの問題を描いた点は大きく評価
とはいえ、これまで娘・亜美(凛美)が登場していなかったことでの唐突感はあるが、先の展開読めるとしても、みどりの苦悩から立ち直りまで、地方の交響楽団員ならではの問題を描いた点は大きく評価できる。
出張オーケストラとしての演奏曲『Mela!』の歌詞に注目!
また、交響楽団を扱った作品としてよかったのが、演奏曲目とその扱い方だ。
前回の第3話では『威風堂々』が前面に押し出される感じでストーリーが構成されていた。
しかし今回は、出張オーケストラとしての演奏曲である、緑黄色社会『Mela!』は行内のピロティでの演奏シーンまで隠した構成、演出になっていた。
これまでも今作では劇中に登場するクラシック曲と “物語” をシンクロさせてきたが、今回は日本のポップスでそれをやったのだ。
音楽好きな管理人が、ちょこっとだけ解説…
劇中でも描かれたように『Mela!』は亜美がチアリーディング部の最後の大会で踊った曲だ。
しかし、この楽曲は、日本テレビ系情報番組『スッキリ』中の「ひとつになろう! ダンスONEプロジェクト」の課題曲にもなった曲で、中高生たちを中心に若者たちに広く親しまれている楽曲。
だから、高校の舞台との相性は抜群なのだが、それ以上に “オーケストラを扱うドラマ” として秀逸なのは、オーケストラでの演奏だからこそ “歌詞” がない(聞こえない・見えない)こその、映像化されない “歌詞” と “ドラマ” のシンクロだ。
それは、『Mela!』の終盤の次の歌詞にある…
そんなに荷物を背負い込んでどこへ行くの
ほんのちょっと僕にちょっと預けてみては?
こんな僕も君のヒーローになりたいのさ (ooh whoa)
そう、この歌詞こそが、みどりの母としての娘の将来を思う “親心” であり、働く女性として娘のヒーローでいたいと思う “プロの演奏家のプライド” に見えた。
だから、演奏を終えた母を亜美は「これ うちのお母さん」と同級生に紹介した場面によって、みどりが “娘のヒーロー” になったということだ。
一話完結のストーリーとしてもよくできていると思う。
あとがき
いよいよ “縦軸” も動き出して面白くなりそう…
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17628/
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