6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱 (第3話・2023/1/28) 感想

テレビ朝日系・土曜ナイトドラマ『6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱』
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第3話の感想。
航(橋爪功)との会話をひかり(本田翼)に知られた星太郎(高橋一生)は、幽霊として現れた航には何か心残りがあるのかもと考える。そんな中、ひかりから花火を作りたいと言われた星太郎は、思いつきでは絶対に続かないと言葉を荒らげる。そこへ幼なじみの田中(小久保寿人)が来訪。ひかりとの仲を詮索されて、弟子だと紹介した星太郎は、花火作りを教えることになる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:橋部敦子(過去作/救命病棟24時1,2、僕シリーズ3部作、僕らは奇跡でできている)
演出:藤田明二(過去作/復讐法廷、エイジスハラスメント、やすらぎの郷) 第1~3話
竹園元(過去作/セミオトコ、モコミ、ザ・ハイスクール ヒーローズ、となりのチカラ)
松尾崇(過去作/ドラマSP「エアガール」の助監督)
音楽:森英治(過去作/モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~)
音楽プロデュース:S.E.N.S. Company(過去作/トットちゃん!、モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~)
主題歌:ケツメイシ「夜空を翔ける」
エグゼクティブ・プロデューサー:内山聖子(過去作/ドクターX 6,7、妖怪シェアハウス1,2、七人の秘書、ザ・トラベルナース)
※敬称略
どうしても感想もわき道に逸れてしまう… 魅力的な作品
前回の感想は、別に “推し” でもなく単純に頑張ってる本田翼さんを評価したい気持ちと、彼女をフォローしつつチーム一丸となって作品作りに取り組んでいるキャストとスタッフの心意気、そして、「見ないともったいない」と思う作品は紹介したいと思うお節介から、観光事業の話まで広がってしまった(謝)
やはり、今作は、表面的には今期の流行? のような「幽霊が見えちゃう系」ではあるが、脚本が橋部敦子氏であることからも、確実に “リアルで意味深いヒューマンドラマ” なのが、ひしひしと伝わるから、どうしても感想もわき道に逸れてしまう。
そこは、どうか週末ドラマならではの感想ということで、勘弁していただければ嬉しい限り… だ。
(まあ、土日祝日でも婚礼の仕事が少ないから書けちゃうわけですけどね… 涙)
空中で光る火薬"星"が星太郎、星を勢いよく飛ばすための火薬"割薬"が航とひかり
さて、本編の感想。
今回は、次の星太郎(高橋一生)に言ったひかり(本田翼)の台詞が、今作風にいうなら “物語” の “割火薬に点火” した… ってことではないだろうか?
ひかり「びっくりです。元カレの記憶 よく思い出せません」
これまでも、ひかりの言動は “ドラマ” の主要な登場人物としては少々粗雑なふるまいの印象が強かったが、この台詞によってだいぶ薄まったと思う。
やはり、どこぞのドラマではないが “ひかり” が一種の “サバサバ系女子” であることが、航(橋爪功)との良き共通点であり、主人公・星太郎との相違点で、二人のキャラの “つなぎ役” であり “引き立て役” として機能するための条件なのだ。
そのことは、のちのパソコンでの打ち上げを勧めたことを航自身が忘れて「なんだっけ?」「覚えてないのかよ!」ーのやり取りがあったことからも明らかだ。
だから、蒸し返すつもりはないが「演技が…」とツッコむのは野暮であると同時に、作品の本質を理解していないような気が…
そう、にわか打ち上げ花火知識で例えるなら、空中で光る火薬「星」が星太郎(そもそも、役名に “星” が入っている)で、星を勢いよく飛ばすための火薬「割薬」が航とひかりだから、脚本の構成上うまい配置、演出上では上手い描写に私はなっていると思う。
"変わる"と"ひかり"を認めた星太郎に… 笑う門には福来る
4年も交際した元カレを思い出せないひかりを見て、星太郎が動き出す…
星太郎「俺は いつだって 理由を考えてきたよな。
今の状態から変わらないでいい理由…。
いろいろ理由つけて。結婚も…」
その後、亡くってから窓も開けず掃除もしなかった「航の部屋」の空気を入れ替え掃除をし、終盤では遂に「新生・望月煙火店」としては個人客の第1号から注文の電話が入る。
ここからは完全に私の思い込み…
今回って、“変わる” ことを自ら受け入れた主人公・星太郎と、星太郎に “変える” きっかけを与えたひかりにとって「笑う門には福来る」がかなったストーリーではなかっただろうか?

©管理人みっきーがイメージして作ってみました…
更に、いつものように脱線すると(苦笑)
日本人は、女性のほうがよくしゃべり、よく笑う傾向があると、福島県立医科大学医学部疫学講座 主任教授の大平哲也氏が下記で述べている。
若い時から笑うことが、認知症予防に繋がる!? 「笑う」行動と健康との関係性【後編】|100年人生レシピ|認知症を考えるみんなのためのメディア
また、笑いは認知症予防やストレス緩和、血糖値まで下げると最近の医学では言われているのはご存じのとおりでは?
そう考えると、例えば中盤にあった団らんのシーンでの星太郎の次のやり取りなんか…
星太郎「大胸筋とか… 本当くだらない事 言いやがって」
直前の航の「大胸筋」までは脚本だろうが、その後のやり取りが即興芝居になっていて(と思う)、俳優さんとしての “素” の部分と、役柄としての “一連の動き” が絶妙にシンクロしているから、OKテイク(NG扱いしない)で使うことで “自然な笑い” が生まれ、それが今作らしい “非日常の中の日常” っぽさを巧みに創出していると思う。
「航さんに聞いてみよう」のコーナーは極上のスピンオフ劇場
また、以前にも書いた “非日常の体験” に関連していうなら。
『「航さんに聞いてみよう」のコーナー』なんて、もはやどこまでが “ドラマ” で、どこからが “ネタ” か分からない… ある意味 “連ドラ” としては劇中キャラと演じる俳優さんが視聴者に語り掛ける「極上のスピンオフ劇場」と言える。
この辺の視聴者サービスは、今作のエグゼクティブプロデューサーである内山聖子氏が、テレビ朝日系初の女性ドラマプロデューサーで今も話題作を作り続けている “ドラマ愛” の自由な発想こそが成せる業だと思う。
あとがき
泣けて、笑える、ファンタジーホームドラマになってきましたね。
これ、深夜ドラマですが、私は日曜の午前中にお気に入りのコーヒーを淹(い)れて、のんびりブランチしながら妻と見るのが習慣になりつつありますよ(笑)
それにしても、最初はもう少しのんびり&ほんわかなファンタジーなホームドラマかな? と思いましたが、人生観や死生観まで踏み込んだ “骨太のヒューマンドラマ” の要素もありますね。
次回からは、いよいよ個人客のストーリーも描かれるようで、そちらも楽しみです。
最後に。
第2話の感想に朝ドラと並ぶ Web拍手をいただき、ありがとうございます。
上の画像は、心ばかりのお礼ですので、よかったらお受け取りくださいまし…
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/17615/
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