連続テレビ小説「舞いあがれ!」 (第81回・2023/1/27) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『舞いあがれ!』
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第81回〔全126回〕/第17週『大きな夢に向かって』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方がよいです。
航空機部品の試作で苦戦する舞(福原遥)たち。それを見かねた小森(吉井基師)が、原材料を電子炉に長めに入れることを提案し、やってみると、遂に圧造が成功する。そして、お好み焼き屋「うめづ」では、工場をたたむ長井(や乃えいじ)への慰労会が開かれ東大阪の仲間が集まる。そこで舞は笠巻(古舘寛治)に、小森の助けもあり圧造がうまくいったことを報告する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:桑原亮子(過去作/心の傷を癒すということ) 第1~7,12~17週
嶋田うれ葉(過去作/朝ドラ「エール」) 第8,9週
佃良太(過去作/星とレモンの部屋) 第10,11週
演出:田中正(過去作/ウェルかめ、ひよっこ、なつぞら) 第1,3~5,7,13~15週
野田雄介(過去作/スカーレット、マッサン、六畳間のピアノマン) 第2,8,10,17週
小谷高義(過去作/スカーレット、おちょやん) 第6,12週
松木健祐(過去作/ひよっこ、いだてん、晴天を衝け) 第9,11週
原田氷詩(過去作/ちりとてちん演出補、スカーレット 24週のみ共同演出、おちょやん 17週のみ) 第16週
音楽:富貴晴美(過去作/花嫁のれんシリーズ、西郷どん、それでも恋する)
主題歌:back number「アイラブユー」
語り:さだまさし
制作統括:熊野律時(過去作/おちょやん)
管原浩(過去作/これは経費で落ちません!、いいね光源氏くんシリーズ)
※敬称略
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
今日もガッツリ書こうと思います!
あがだ、お元気と? おいが管理人の “みっきー” です!
(皆さん、お元気ですか? 私が管理人の “みっきー” です!)
ほんなこて、さんかけん、風邪ば引かんごてねー。
(本当に、寒いから、風邪を引かないようにね)
本当は、カクテル大好きな私としてはドラマ『ママはバーテンダー~今宵も踊ろう~』の感想を書きたいところなんですが。
今週は “他の面白い連ドラ” に押されて『舞いあがれ!』の感想の投稿が午前中に投稿できず、お昼休みに読めなかった読者様が多かったと思うので、順序を入れ替えてみましたよ。
ただ、今回の感想は、かなり粗探しとは違う理由で細かいことを書くので、まだ読んでおられない方は、是非とも下記の投稿を読んでから今回の感想を読んでほしいです。
「緊急時&トラックバック用ブログ」には無し。
拍手コメント返信(2023/1/26):「舞いあがれ!(第80回)」への演出家と制作統括の質問に胸熱でお答えします!
というわけで、上記の投稿に書いたことは “理解済み” の上で、今日もガッツリ書こうと思います!
そもそも、なぜ今週の展開が納得しづらいのか?
さて、未読の読者様はブラウザバック (ブラウザの「戻る」操作で直前に開いていたページに遷移すること)していただけましたか(謝)
では、早速、そもそも、なぜ今週の展開が納得しづらいのか? について考えてみた。
そこで、父・浩太(高橋克典)と主人公・岩倉舞の幼少期からの関係性について箇条書きをした。
【1】多分、父・浩太は子どもの頃から「飛行機が好き」
【2】多分、父・浩太は実家が小さな螺子工場だったから「部品製造に興味があった」
【3】父・浩太は就職・婚以前から「夢は飛行機部品を作る」
【4】父・浩太の影響で主人公も小学生の頃から「模型飛行機が好き」
【5】「模型飛行機が好き」が高じて主人公は航空工学を学ぶために浪速大学へ入学
【6】人力飛行機と出会い、パイロットを経験して主人公は「旅客機のパイロットになるのが夢」になる
【7】いろいろあって… 今、主人公は「父親の夢をかなえたい!」を絶賛主張&実行中
これを見て分かるのは、<【1】から【6】の流れ>は強引だが、今作を見続けるなら一先ずは “許容範囲にしないとダメ!” ってこと(困)
でも、いくら “いろいろあって…” だとしても【6】から【7】は強引すぎませんか? と思うのだ。
なぜ、強引過ぎると感じてしまうのかは、下記をやらなかった脚本の失敗だと思う…
やはり、【7】が当初から分かっていたのなら、【4】の小学生の頃から「模型飛行機が好き」と同時に「模型飛行機の部品にも興味がわいた」設定にしておけばよかったと思う。
そして、例えば【5】で「航空システム工学科」や「航空宇宙工学科」といった航空部品を学ぶ学科のシーンを盛り込んで。
更に “大人の事情” が無視できるなら【6】はバッサリと削除しちゃって(笑)
替わりに主人公が「航空機部品メーカー」への就職が内定している時、浩太が急死しすれば、【7】なら納得できませんか? と。
要するに、主人公が「飛行機部品に興味がある」という印象がほぼ “無い” のに、「父が亡くなったから私が作る!」は “主人公の夢” ではなくて、“父の夢をかなえるのが<今の私>の夢” ってだけだと思うのだ。
今回も必死に脇役に次の台詞を言わせて、すり込み活動…
だから、今回も、必死に脇役に次の台詞を言わせて、すり込み活動に励まざるを得ないのだ。
小森「先代の夢 俺も一緒にかなえたいんです」
粗探し、細かいことを言い過ぎに見えるかもしれないが、今作はあれこれ描く割に、ことごとく詰めが甘くて違和感が消えないから、その違和感を何としかほしいから指摘しているのだ。
もちろん、この声が作り手に届くことはないとは思うが…
先日の結城と、この度の小森のネタは基本的に同じだが!
さて、今回の “IWAKURA魂” を利用したお涙頂戴的な “人情モノ” ではあるが、正直言って、先日の “章にいちゃん” こと結城(葵揚)の「古巣に戻るネタ」と全く同じでは?(苦笑)
きっとアイデア不足だからネタの使い回しになるのだから、強く責めることはやめておくが。
ただ、困ったことに、結城の時と小森では、微妙な差異があり、そこがそれなりに大問題で。
結城は、IWAKURAの経営どうこう以前に、“「設計」を含めた高い技術力を有する職人” として評価されて “引き抜かれた人材” だ。
要するに、結城は器具や機械が無くても、知識と経験を言葉や図解で説明することで本領を発揮できるキャラクターってこと。
だから、からだ一つで古巣のIWAKURAにやって来て主人公たちにいろいろ教えて、身一つでカムバックするのも違和感がなかったし、何よりストーリーとして納得感があったのだ。
しかし、小森は違うのだ。
笠巻(古舘寛治)からは、手抜きをしない実直な職人と評価されてはいるが、社外の評価は不明であり、事実IWAKURAがリストラした人だ。
もちろん、転職後は長井金属でそれなりの経験は積んできたのは設定としてアリだと思う。
小森がいても長井工業の機械がなければ試作品は作れない…
でも、今作のミスは、小森は “長井金属の機械” ありきの実力として描いてしまったこと/span>だ。
それも、長井金属は廃業してしまったのだ。
「弘法筆を選ばず」の諺のように、小森は他の機械でも実力を発揮できるかもしれない。
しかし大問題なのは、小森がいたところで “長井金属の機械” がなければ、小森を生かした螺子作り以前に、この度の試作品が作れないのだ。
「だったら、IWAKURAが長井金属の機械を払い下げて買えばいいじゃん!」って簡単な話ではない。
だって、今回は “試作” なんだから、試作に巨額を投資するほどIWAKURAの経営は順風満帆なの? ってことだし。
それでも「お父ちゃんの夢 かなえたい!」を貫くなら、最初からその気構えを描いたほうが、主人公や新社長らの言動に共感できたかもしれないし…
『下○ロケ○ト』や 『陸○』の "ノリ" だと諦めれば…
今回、5分頃に笠巻たちが笠巻の師匠の師匠である瀬川工業を訪れて、瀬川社長(小松健悦)から数日間にわたって機械を使わせてもらう場面があった。
「瀬川工業で休眠中の機械だから、細かいこと言わなくていいじゃん!」ではない。
まるで、作り手たちの心情としては、池井戸 潤さん原作のドラマ『下○ロケ○ト』や 『陸○』の “ノリ” で作っているように見受けられる。
実際に舞(福原遥)も貴司(赤楚衛二)に次のように “お昼休みはウキウキ Watching” で報告である(若い人は知らないかも…)
舞「エンジン用のボルトが 完成した!」
え~~と、私が細かいことを言い過ぎなのは百も承知だ。
しかし、今回の出来事の着地点を「ボルトが完成した!」はやり過ぎでは?
控えめに見積もっても「試作品のボルトが完成した!」では?
だって、今回はあくまでも「成形」が整っただけで、劇中で描かれたように本採用までには強度試験などもあるわけだから。
まあ、『下○ロケ○ト』や 『陸○』の “ノリ” だと諦めれば “アリ” だと思うが。
悲しいほどに"頑張る姿" 特に"頑張る主人公"が描かれない
でも、上記の民放ドラマが人気を博し話題になったのは、徹底的に「やった!」、「頑張った!」だけに絞り込んで描いたからだと思う。
魅力的な敵役や勧善懲悪の気持ちよさもあるにはあったが、やはり今回の主人公の台詞「ええ歌作りたいって頑張ってきた努力」にあったような “頑張る姿” 以外を排除して作り込んだからだと思う。
それに比べると、悲しいほどに今作には “頑張る姿” 、特に “頑張る主人公” が描かれない。
確かに、当初の主人公は、“先頭を切っていくタイプではなくて、周りにいる人を感じながら幸せになることを一緒に見つけて、難局をどう乗り越えていくか一緒に考えていくヒロイン” だったかもしれない。
しかし、特に「リーマンショック編」以降の主人公は、ほぼ “やります詐欺” 状態で、あちこちにお願いして棚ボタを待っているようにしか見えない。
だから、(一応は)頑張っている貴司や久留美(山下美月)を描けば描くだけ、一体主人公は何をやってるの? が払しょくできないのだと思う。
あとがき(その1)
もう、どうでもいいんですけど。
長井さんの送別会に、しれ~っと出席して飲み食いできる舞ちゃんの神経がスゴイ!
「うめづ」の常連客であり、東大阪の町工場の社長である曽根(蟷螂襲)や 根矢(中川浩三)なら、 機械をお借りしたのだから新社長・めぐみ(永作博美)じゃないのかな?
その上、廃業する社長の送別会で、自分らは隅っこで未来の話をするって???
あとがき(その2)
真面目にしめましょう。
「朝ドラ経験者」という立場なら、サブの脚本担当の嶋田うれ葉さんと、演出の原田氷詩さん以外は「朝ドラ経験者」なのですから…
特に “朝ドラ初” のメイン脚本家・桑原亮子さんの脚本は事前に演出部全体で精査して桑原さんに伝えつつ、間に合わないので撮影現場で調整しちゃって、更に編集で微調整、更に更に「土曜日版」で印象操作したらよかったと思います。
それこそが、“難局をどう乗り越えていくか一緒に考えていく” だと思いますが…
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17610/
【これまでの感想】
第1週『お母ちゃんとわたし』
1 2 3 4 5 土
第2週『ばらもん凧(だこ)、あがれ!』
6 7 8 9 10 土
第3週『がんばれ!お父ちゃん』
11 12 13 14 15 土
第4週『翼にかける青春』
16 17 18 19 20 土
第5週『空を飛びたい!』
21 22 23 24 25 土
第6週『スワン号の奇跡』
26 27 28 29 30 土
第7週『パイロットになりたい!』
31 32 33 34 35 土
第8週『いざ、航空学校へ!』
36 37 38 39 40 土
第9週『私らはチームや』
41 42 43 44 45 土
第10週『別れと初恋』
46 47 48 49 50 土
第11週『笑顔のフライト』
51 52 53 54 55 土
第12週『翼を休める島』
56 57 58 59 60 土
第13週『向かい風の中で』
61 62 63
総集編(前編)
第14週『父の背中』
64 65 66 土(第13,14週分)
第15週『決断の時』
67 68 69 70 71 土
第16週『母と私の挑戦』
72 73 74 75 76 土
第17週『大きな夢に向かって』
77 78 79 80
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