リバーサルオーケストラ (第3話・2023/1/25) 感想

日本テレビ系・水曜ドラマ『リバーサルオーケストラ』
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第3話『ポンコツ玉響の初舞台!!新メンバー加入!?』の感想。
蒼(坂東龍汰)との健全な同居生活を始めた初音(門脇麦)。団員達との距離も縮まり、玉響はますます良い雰囲気になっていた。ところが、オーケストラの大黒柱でもあるティンパニの木之崎(篠崎史門)が突然、退団。一転、玉響は大ピンチに陥る。復帰ステージまで残り4日、初音は朝陽(田中圭)から、元有名オケのティンパニ奏者をスカウトしてくるよう命じられ…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:清水友佳子(過去作/夜行観覧車、わたし、定時で帰ります、朝ドラ「エール」、最愛)
演出:猪股隆一(過去作/家売るオンナシリーズ、35歳の少女、コントが始まる) 第1~3話
小室直子(過去作/怪盗 山猫、3年A組、ニッポンノワール、真犯人フラグ)
鈴木勇馬(過去作/東京タラレバ娘、今日から俺は!、俺の話は長い)
チーフプロデューサー:三上絵里子(過去作/逃亡医F、ダマせない男、受付のジョー)
音楽:清塚信也(過去作/コウノドリ1,2)
啼鵬(バンドネオン奏者・過去作/朝ドラ「ファイト」編曲)
※敬称略
野暮は言いっこなしで楽しんだ方がよいと思う
まず、巷では未だに「本当のオーケストラはこれじゃない!?」と論じあっている人が多いようだが。
例えば、冒頭に登場したバッチリメイクの初音(門脇麦)を “寝起きのスッピン” として納得して楽しむのが “ドラマ” だから、俳優が本業の人たちの指先をチェックして「違う!」は野暮ってものでは?
逆に、新メンバー・ティンパニー奏者の藤谷燿司を演じた渋川清彦さんは、知る人ぞ知るロカビリーとドリフなどを組み合わせたカッコいい&面白いバンド「DTKINZ(ドトきんズ)」で2000年代前半にドラマーとして活躍されていた人。
だから、私なんてライブハウスのシーンでゴキゲンになったわけで。
というわけで(どんなわけ?)、たかがドラマ、されどドラマだから、野暮は言いっこなしで楽しんだ方がよいと思う(オレが言うな!)
蒼(坂東龍汰)の衣装に注目してみた
さて、今回も褒めたいところが多過ぎて、どこから褒めてよいのか迷うくらいだ。
で、まずは蒼(坂東龍汰)の衣装について。
「衣装?」と思われた人は多いと思うが、意外と重要だったのが序盤で蒼が着用していた「オレンジ色のフード付きパーカー」で、まずはそこに注目だ。
あれ、冒頭の朝のシーンで着ていて、次に練習シーンでも着て、ライブハウスのシーンまで引っ張って、翌日設定の練習シーンでは白のジャケット?に替わっている。
これによって、ちょっとしたことだが「1日の出来事として強調できる」と「日替わりを強調できる」の効果がある。
なんてことないコトに思えるかもしれないが、女性2人はロングコートで前を閉めてしまっているから衣装の色による演出が難しかったと推測する。
マフラーなどで2人がやると、ちょっとくどいし…
そこで前開きのブルゾン姿の蒼で画面に “差し色” を入れつつ、上記の2点を演出しているのだ。
各登場人物たちのキャラクターが際立っていた
では、細かい部分はちょっと置いておいて、大枠の話をしたい。
やはり、今回でよかったのは「各登場人物たちのキャラクターが際立っていた」ことに尽きる。
そう、「キャラが立ってた!」ということだ。
特に、感情表現が豊かな設定の “恋多きチェロ首席” である佐々木玲緒(瀧内公美)を序盤から積極的に動かしたことで、周囲のキャラたちも分子運動のように影響を受けて動き出したと思う。
もちろん、俳優さんたちの演技力もキャラの描き分けに大きく貢献しているのは言うまでもないが。
「オーケストラの説明」がしっかりと盛り込まれた
そして、「オーケストラを扱うドラマ」として良かったのが「オーケストラの説明」がしっかりと盛り込まれたこと。
今どきのSNSの使い方のうまさも影響しているが、ティンパニーの存在意義に始まって、初歩的なオケの配置、各パートの役割など丁寧に描かれた。
やはり、興味関心がある人なら知っていることでも、そうでない人には「コンマス」、「アインザッツ」だってクイズ問題のようなものだと思うから。
因みに、以前に仕事で市民ホールでの某交響楽団の演奏会の舞台監督をした時には、コンマスだけ「ピアノ奏者用のイス」で、他の奏者は「パイプ椅子」を使用したことがある(個人事業主のディレクターは何でもやるのです… 照)
利用されてるけど、きっかけだけで、あとは意外と自発的
まだまだ、よかった点はある。
例えば、前回の感想に書いたが、これまでは主人公の初音がマエストロ・朝陽(田中圭)の “使いっ走り” 的に描かれており、主人公としての存在感にやや難があった。
しかし、今回では “初音の過去” を盛り込むことで、「利用されてるけど、きっかけだけで、あとは意外と自発的」な感じに映った。
主人公には “自発的” に見えることは意外に重要で、だからこそ「元天才ヴァイオリニスト」という控えめな設定が際立つわけだ。
何よりも褒めたいのは、演奏シーンが多かったこと
そして、何よりも褒めたいのは、演奏シーンが多かったこと。
やはり、俳優さんたちにとっても、撮影チームにしても、「演奏シーン」は苦労が多いと思うのだ。
それでも、今回は練習シーンだけでなく、多数のエキストラを参加させたホールでの演奏会シーンまで盛り込まれた。
これによって、より一層「オーケストラを扱うドラマ」らしさが際立ったと思う。
あとがき
私が舞台監督だったら、市長を説得して挨拶中は市長にだけピンスポットを当てて、後ろは暗転気味にして次の準備を始めさせちゃいますけど(笑)
とにかく、“ドラマ”、“連ドラ” として回を重ねる毎に良くなっていると思います。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17604/
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