星降る夜に (第2話・2023/1/24) 感想

テレビ朝日系・火曜9時枠の連続ドラマ『星降る夜に』
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第2話『恋は出会いから、加速へー 10歳差ピュアラブ、本格始動。』の感想。
鈴(吉高由里子)は一星(北村匠海)に直接会って、遺品整理のお礼を伝える。すると、強引に鈴の腕をつかんだ一星は映画館に直行。観賞後のやりとりで2人が10歳違いと分かる。そんな中、病院から緊急の呼び出しが掛かり、鈴は飛び込みの匿名妊婦(清水くるみ)の分娩(ぶんべん)を担当。無事に出産しながらも、子どもなんていらないと言い放つその女性に、新人医師の深夜(ディーン・フジオカ)は…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:大石静(過去作/家売るオンナシリーズ、大恋愛、知らなくていいコト、恋する母たち)
演出:深川栄洋(過去作/偽装の夫婦、僕とシッポと神楽坂、にじいろカルテ) 第1,2話
山本大輔(過去作/民王、おっさんずラブ、緊急取調室3、妖怪シェアハウス)
音楽:得田真裕(過去作/家売るオンナシリーズ、アンナチュラル、インハンド、MIU404、石子と羽男-そんなコトで訴えます?-)
主題歌:由薫「星月夜」
挿入歌:NCT ドヨン「Cry」
※敬称略
親と子、子どもの幸せ、‘かわいそう’とは何か?…を問う
「ああいう妊婦も、ああなっちゃう赤ちゃんも 毎週何人も見るよ」
劇中に登場した「匿名の飛び込み妊婦」、「診療費未払い患者」、「乳児産み捨て母親」のことを、現役助産師の妻が見て言ったことだ。
まあ、妻の病院は「総合周産期母子医療センター」があるから、今回のマロニエ産婦人科医院みたいなところでは手に負えない妊婦さんたちが搬送されてくるから、妻にとっては “日常” なのだろう。
しかし、私たちのような人には十分すぎるくらいの “非日常” で。
今回はその “非日常” を利用して、「親と子」、「子どもの幸せ」、そして「‘かわいそう’とは何か?」を問う内容になっていたと思う。
とまあ、小難しいことはちょっと置いておいてドラマの内容について、サクッと書いちゃう。
今作には "私が感想を書きたくなるもの" がある
第2話を見てほぼ確定したのは、やはり、「聴覚障がい」を扱った “恋バナ” としては多少の違いはあれど、結局はコミュニケーション手段が異なるだけで、似たような感じになってしまうなぁ… ってこと。
だから、先日まで放送させていた某恋バナと似てしまうのはどうしようもない。
しかし、今作には “私が感想を書きたくなるもの” がある。
鈴と一星と春の"会話の美しさ"であり、"言葉選びの妙"
それが、鈴(吉高由里子)と一星(北村匠海)と春(千葉雄大)の “会話の美しさ” であり、“言葉選びの妙” だ。
テキストと動作による構成ではあるが、使われる言葉の巧みさや、テキストが表示されるタイミング、スマホ画面と表情のカットの切り替えしなど、とにかく丁寧に確実に “会話” を作り込もうとしているのが、ひしひしと伝わってくる。
叶わぬ願いだが、現放送中の朝ドラの脚本家と演出家に見て欲しいくらいだ(遅いか…)
ちゃんと文字にも “間” があって、他の部分とは一線を画すくらいの見事な “会話劇” になっている。
このあたりの脚本の技術は、ベテラン大石静氏の職人業だと思う。
連ドラとして、うまく"重ね"ていると思う
職人技といえば、全体の構成については前回でもモヤモヤがだいぶ晴れてよかったと思う。
それは、鈴だけでなく、一星の職場の様子も盛り込みつつ、両方のネタ(今回なら‘故人が飼っていた6匹の猫’と‘置き去りにされた乳児’)を重ねつつ、どうやら新人医師の深夜(ディーン・フジオカ)まで重なっている部分があるようで。
もちろん、“連ドラ” において、あちこちを “重ねる” のはあざとさやずる賢さを感じる場合もある)が、今作においては今のところ “何らかの共通項” として機能しているため、あまり気にならないというのが本音だ。
どんな気持ちで‘かわいそう’って言っているのだろう?
でもって、前述の「かわいそう」について、少しだけ。
「かわいそう」って言葉は不思議なもので、自分が言われると嫌悪感を抱く人が多いと思うが、その逆に相手に対してはごく自然に使ってしま言葉ではないか? と、思うのだ。
それは、「かわいそう」の中に、共感、同情、心配という意味がある一方で、不憫、不幸、哀れという意味合いも含んでいるから)だと思う。
だから、私もできるだけ「かわいそう」は使わないように心掛けてはいる。
でも、「かわいそう」と言われたら「この人はどんな気持ちで‘かわいそう’って言っているのだろう?」って考えるようにしているし、一瞬立ち止まって考えた方がよいように思う
あとがき
恋バナとしては、至って普通ですね(苦笑)
でも、妙なよそよそしさがなく、押し付けがましさもなく、哲学的なものもないので、気軽に楽しめる恋バナになっていると思います。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17599/
【これまでの感想】
第1話
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