罠の戦争 (第2話・2023/1/23) 感想

関西テレビ制作・フジテレビ系・新 月10ドラマ『罠の戦争』
公式リンク:Website、Twitter、Instagram、YouTube
第2話『逆襲の時!パワハラ秘書排除だ』、ラテ欄『草彅剛主演!大臣への復讐…まずはパワハラ秘書を排除せよ』の感想。
泰生(白鳥晴都)が巻き込まれた事件をもみ消そうとする犬飼(本田博太郎)に激怒し、犬飼を失脚させることを決意した亨(草なぎ剛)は、まずは犬飼の政策秘書・虻川(田口浩正)の排除を画策。亨は、事務所の金の流れを握る虻川の裏帳簿を手に入れるため、犬飼の秘書見習となった眞人(杉野遥亮)に虻川の動きを見張るよう頼む。そんな中、眞人は亡き家族への思いを明かし…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:後藤法子(過去作/銭の戦争、嘘の戦争、都市伝説の女)
演出:宝来忠昭(過去作/嘘の戦争、姉ちゃんの恋人、家政夫のミタゾノシリーズ)
三宅喜重(過去作/銭の戦争、嘘の戦争、10の秘密、姉ちゃんの恋人) 第1,2話
音楽:菅野祐悟(過去作/半分、青い。、テセウスの船、危険なビーナス、日本沈没-希望のひと-)
主題歌:香取慎吾×SEVENTEEN「BETTING」
ナレーション:柳沢三千代(過去作/アニメ「それいけ!アンパンマン シリーズ」カレーパンマン声優)
プロデューサー:河西秀幸(過去作/銭の戦争、嘘の戦争、GTOシリーズ)
三宅喜重(過去作/銭の戦争、嘘の戦争、10の秘密)
※敬称略
冒頭、声優・柳沢三千代さんのナレーションに吸い込まれた
感想の冒頭から脱線するが…
2年前に睡眠障害を患って心療内科に通院していた頃から(今は一応完治)、医師の指導で夜10時以降はテレビやパソコン、スマホの画面は極力見ないように過ごしている。
しかし、昨夜はテレビを消し忘れて夜10時を迎えたら、テレビから聞き慣れた声のナレーションに聞き入ってしまって…
長寿&人気アニメ『それいけ!アンパンマン』シリーズで、‘カレーパンマン’を演じている声優の柳沢三千代さんだ。
そして、ナレーションの声のトーンが内容に合っているだけでなく、まとめ方が絶妙すぎて、ついつい数分間 “第1話の振り返り” を見てしまった。
やはり、“ドラマに吸い込まれる感覚” は何度体験しても、ドキドキハラハラして楽しいものだ。
第2話も、称賛の嵐なのは間違いないと思うから…
さて、本編の感想。
これだけ世間の期待と注目を浴び、そんな中で見事に期待を裏切らなかった第1話の “続き” だから、巷のネット掲示板やブログやSNSでは称賛の嵐なのは間違いないと思う。
そんな中でわざわざ当ブログの感想を読みに来てくださったのだから、他の感想とはちょっとでも異なった目線で書いてみようと思う。
できているかどうかは別にして(苦笑)
期待の上をいく"衝撃的な展開"の連続に見えるのは…
まず、脚本と企画の視点から。
本作のタイトルは『罠の戦争』だから、ほぼ全部が何かしらの “罠” であることは間違いなはずだ。
劇中にも度々「罠」という単語が印象的に盛り込まれていることからも、そうだろう。
となると、普通の作品なら「全部が罠なんでしょ?」と脚本や企画の目論見が透けて見えてしまって、驚きが少ないはずなのだ。
しかし、今作の妙は、視聴者には主人公・亨(草なぎ剛)が仕掛け中の “罠” であることを何となく匂わせておきながら、 肝心な部分は伏せておき、仕掛けられる側の次から次へのリアクションを主人公と同時に追体験させる手法を用いる点だ。
そのことで「仇討ちモノ」に不可欠な理不尽なものへの怒りとスッキリ感、主人公の「こんなんじゃ終われない!」の止まらぬ正義感と恨みの深さが、実にうまく描かれているから、期待の上をいく衝撃的な展開の連続に見えると思う。
"続きを見たくなる連ドラ"としての構成を考える
また、結末の作り方についても考えてみる。
今作の結末の面白さは、悪役は退場する時まで悪役に徹して描かれること。
反省、改心、懺悔はさせずに、視聴者には徹底的にクズとして描き通して終わることで、「罠の続き」を植えつける作戦だ。
この辺の描き方は、「次のクズは誰?」的な “続きを見たくなる連ドラ” としての構成として、本当によくできていると思う。
俳優さんとキャラクターの"配役"のうまさについて
出演者さんたちの演技力については、前回の感想で書いた通りだ。
今回で触れたいのは、俳優さんとキャラクターの “配役” のうまさについて。
一人ずつ取り上げるとキリがないからやめておくが。
淡々とした表情の中に熱いものを感じる主人公・鷲津亨を演じる草なぎ剛さんはもちろんのこと。
田口浩正さんの髪形や風体、声のこわばりなどから醸し出される “救いようのないクズ” っぷりはお見事としか言いようがないし。
その他の配役も、全部が脚本家の “当て書き” に思えてしまうほどのピッタリ感で、キャストを集めたプロデューサー陣の苦労が報われているとも思う。
今作を見ると、比べる必要ないが、現放送中の「月9ドラマ」との違いに圧倒されるばかりだ。
あとがき
ラストで蛍原梨恵(小野花梨)が虻川に浴びせた、組織人にとって悲痛極まりないような「入館証 返却しといてくださいね」の “雨降って地固まらないエンディング” が秀逸でした。
いやぁ、次回も楽しみでしょうがない!
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17595/
【これまでの感想】
第1話
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