連続テレビ小説「舞いあがれ!」 (第77回・2023/1/23) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『舞いあがれ!』
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第77回〔全126回〕/第17週『大きな夢に向かって』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方がよいです。
2013年夏。舞(福原遥)がIWAKURAに入社して4年が経ち、営業のエースになっていた。会社の業績も右肩上がりで、社長のめぐみ(永作博美)は機械を増やすか悩む。一方、貴司(赤楚衛二)は古本屋・デラシネで短歌を作り続けていた。そして舞は、浩太(高橋克典)の夢を実現すべく、めぐみに航空機産業参入支援セミナーに参加しようと提案する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:桑原亮子(過去作/心の傷を癒すということ) 第1~7,12~17週
嶋田うれ葉(過去作/朝ドラ「エール」) 第8,9週
佃良太(過去作/星とレモンの部屋) 第10,11週
演出:田中正(過去作/ウェルかめ、ひよっこ、なつぞら) 第1,3,4,5,7,13~15週
野田雄介(過去作/スカーレット、マッサン、六畳間のピアノマン) 第2,8,10,17週
小谷高義(過去作/スカーレット、おちょやん) 第6,12週
松木健祐(過去作/ひよっこ、いだてん、晴天を衝け) 第9,11週
原田氷詩(過去作/ちりとてちん演出補、スカーレット 24週のみ共同演出、おちょやん 17週のみ) 第16週
音楽:富貴晴美(過去作/花嫁のれんシリーズ、西郷どん、それでも恋する)
主題歌:back number「アイラブユー」
語り:さだまさし
制作統括:熊野律時(過去作/おちょやん)
管原浩(過去作/これは経費で落ちません!、いいね光源氏くんシリーズ)
※敬称略
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
先週の金曜日の放送は、世間では「神回」だったそうで…
あがだ、お元気と? おいが管理人の “みっきー” です!
(皆さん、お元気ですか? 私が管理人の “みっきー” です!)
ほんなこて、さんかけん、風邪ば引かんごてねー。
(本当に、寒いから、風邪を引かないようにね)
いやぁ、千葉県北西部は朝からメッチャ冷たい雨が降っておりまして、レインウェアに防水シューズ、イヤーマフに手袋の完全防備でウォーキングしてきました。
皆様がお住みの地域は雨や雪ですか?
どうか、暖かくしてお過ごしくださいませ。
そして、雪の地域ではケガや事故に気をつけてください。
で、話は『舞いあがれ!』に変わりますけど、実は先週の金曜日の放送はネットニュースを見たら世間では「神回」だったそうで。
あれこれの伏線が回収されてスッキリしたとか、希望と涙があふれる回だったとのこと。
私が家で見たのは、違うバージョンだったのかな?(苦笑)
これまでの「新章」の冒頭にしては、マシだと思う
先週から4年後の「2013年8月」となった。
主人公の中高生時代をすっ飛ばして「なにわバードマン編」へ突入した時に比べれば、冒頭のナレーションで説明があったように、既に主人公の立場は「パイロット予備軍」から「IWAKURA社員」に転換後だから、自然な流れではある。
そして、「なにわ~編」から「航空学校編」、「リーマンショック編」と、とにかく “新設定” を山ほど作っては盛り付けて、下が見えないほどの大皿料理になったこれまでに比べても、描いているのは “IWAKURA” だけだから、マシでもある。
「主人公の言説と行動」は、しっかりと映像化してほしい!
ただ、気になる点もある。
例えば、中盤で元パート従業員たちを呼び戻すくだりでの描写について。
今週も担当のメイン脚本家は、舞(福原遥)に社長のめぐみ(永作博美)に対して次のことを言わせた。
舞「私 もっぺん頼んでみます」
そのあとに、入江(那々實あぐり)に次の台詞を言わせて “回収” は、している。
入江「あんだけ『入江さんが必要なんです』って言われたことあらへんもんな」
このやり取りによって、舞が入江の勤め先と交渉・説得をやったことは分かる。
分かるが、個人的には “ドラマ” として大切な「主人公の言説と行動」だから、しっかりと映像化してほしかった。
簡単にいえば、主人公が宣言したことだから、見せてほしい… のだ。
舞が"応援したくなるヒロイン"に今一つ物足りない理由
気づいている読者様も多いとは思うが…
今作は、このような「主人公の言説と行動」に関する描写が非常に雑過ぎる。
これは、今作が肝心なところを端折りがち… という傾向があるから、余計に感じる違和感でもあるのだが。
「なにわ~編」に至るまでの “大学受験” や、「航空学校編」直前の “編入受験” にしてもカット。
主人公が “有言実行の人” に見えるような描写をカットしちゃうから、主人公に頑張ってる印象が薄くなり、その結果としていつになっても “応援したくなるヒロイン” に今一つ物足りないでは?
例えば、今回の古本屋「デラシネ」のシーンだって、「よいしょ お邪魔します」と入って、貴司(赤楚衛二)の手伝いをするって場面なら、貴司の申し出に「ええの?」ではなくて…
ここで「こうしたらよかったのに講座」を。
ジャケット脱いでシャツの袖まくって髪を結わいて、「今日 お母ちゃん 会食で遅うなるから 一緒に食べへん? うち 何か作るから!」って貴司と一緒にナポリタンを作ってほしかったのだ。
更に、「俺も手伝うよ」で貴司も手伝えば、4年の時間経過で貴司も “いろいろできるようになった” ことが表現できたと思う。
まあ、“メイン” にそこまで要求するのは、まだまだかもしれないが(困)
「主人公の夢」はすり替わったの?
もう一つ気になったのは、「主人公の夢」はすり替わったの? ってことだ。
仏壇の浩太(高橋克典)の遺影に向かって一度…
舞「お父ちゃんの夢 かなえたい」
更に、社長のめぐみにも…
舞「私 どないしても お父ちゃんの夢 かなえたい。航空機の部品 絶対 作りたい」
二度も強調して、「お父ちゃんの夢をかなえること=主人公の夢」と強調していたように感じるが。
これも、すり替えること自体に反対するつもりはないし、「新章」として間違っているとも思わない。
しかし、ここでも肝心な「お父ちゃんの夢をかなえること=主人公の夢」と変わったことの “映像” がないのだ。
「リーマンショック編」と呼ばれる、主人公が “IWAKURAの社員” になってからの “人情モノ” や “泣かせるドラマ” としては成立する。
しかし、幼少期から続く “連ドラ” としては雑過ぎるのだ。
「主人公の言説と行動」を丁寧に仕込んでおかないから…
これだって、肝心の「主人公の言説と行動」を丁寧に仕込んでおけば、なんてことはなかったと思う。
ここで再び、「こうしたらよかったのに講座」を。
それこそ、舞は幼少期から小学生時代に、暇があると勉強そっちのけで工場に入り浸っては、父や笠巻(古舘寛治)らから “ネジ” や “機械” のことを教わっている描写をちょこちょこと挿入しておくだけでよかったと思う。
そう、リケジョ(理系女子)の素質、素養を垣間見せておけば、その後の “ばらもん凧” に始まって、“模型飛行機”、“人力飛行機”、“旅客機パイロット” への流れだって、そんなに違和感はなかったと思う。
いや、むしろ、“リケジョのヒロイン” の “朝ドラ” として統一感すらあったかもしれない。
そうすれば、「今作って、ヒロインがパイロットなる物語じゃないの?」なんて疑問も払しょくできたのだ。
あとがき
浩太って、小さな螺子工場を経営していた父の息子で、飛行機の部品を作る夢を叶えるために長崎の工場に就職した時にめぐみと出会い、父の危篤を機に実家の工場を継いで、祥子さんとけんかして駆け落ちしたって設定ですよね。
だったら、娘の舞は幼い頃から父から夢を聞かされており、「自分はお父ちゃんが作った部品を載せた飛行機のパイロットになるのが夢」でよかったような(苦笑)
で、父が夢半ばで亡くなったから、妻と娘が浩太の夢を引き継いだ… のほうが、分かりやすかったのでは?
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17591/
【これまでの感想】
第1週『お母ちゃんとわたし』
1 2 3 4 5 土
第2週『ばらもん凧(だこ)、あがれ!』
6 7 8 9 10 土
第3週『がんばれ!お父ちゃん』
11 12 13 14 15 土
第4週『翼にかける青春』
16 17 18 19 20 土
第5週『空を飛びたい!』
21 22 23 24 25 土
第6週『スワン号の奇跡』
26 27 28 29 30 土
第7週『パイロットになりたい!』
31 32 33 34 35 土
第8週『いざ、航空学校へ!』
36 37 38 39 40 土
第9週『私らはチームや』
41 42 43 44 45 土
第10週『別れと初恋』
46 47 48 49 50 土
第11週『笑顔のフライト』
51 52 53 54 55 土
第12週『翼を休める島』
56 57 58 59 60 土
第13週『向かい風の中で』
61 62 63
総集編(前編)
第14週『父の背中』
64 65 66 土(第13,14週分)
第15週『決断の時』
67 68 69 70 71 土
第16週『母と私の挑戦』
72 73 74 75 76 土
第17週『大きな夢に向かって』
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