リバーサルオーケストラ (第2話・2023/1/18) 感想

日本テレビ系・水曜ドラマ『リバーサルオーケストラ』
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第2話『ポンコツ改造計画スタート!仲間の窮地を救え!』、ラテ欄『安月給で生活できない!?地方オケの問題児を救え』の感想。
朝陽(田中圭)の熱意に負け、‘ポンコツオケ’玉響の改造計画に加わった初音(門脇麦)は、急きょ決まった2週間後の公演に向け、オーボエの穂刈(平田満)ら団員達と練習を始める。ところが、フルートの蒼(坂東龍汰)は遅刻してばかりでやる気のない様子。いら立つ朝陽の命令で、初音は練習終わりの蒼を尾行することに。やがて、遅刻の理由を知った初音や朝陽らは…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:清水友佳子(過去作/夜行観覧車、わたし、定時で帰ります、朝ドラ「エール」、最愛)
演出:猪股隆一(過去作/家売るオンナシリーズ、35歳の少女、コントが始まる) 第1,2話
小室直子(過去作/怪盗 山猫、3年A組、ニッポンノワール、真犯人フラグ)
鈴木勇馬(過去作/東京タラレバ娘、今日から俺は!、俺の話は長い)
チーフプロデューサー:三上絵里子(過去作/逃亡医F、ダマせない男、受付のジョー)
音楽:清塚信也(過去作/コウノドリ1,2)
啼鵬(バンドネオン奏者・過去作/朝ドラ「ファイト」編曲)
※敬称略
キャラクター紹介を、リズミカル且つ今作らしく飾った
クラシック音楽を扱う “ドラマ” としても、清塚信也さんが劇伴を担当する “音楽ドラマ” としても期待をしている今作(間違った楽しみ方かもしれないが… 汗)
でも、今回は地元のオーケストラ「玉響」のメンバを紹介する場面を、ラヴェルのバレエ曲『ボレロ』で。
ベタな選曲だが、とかく説明臭くなりがちなキャラクター紹介を、リズミカル且つ今作らしく飾ったと思う。
庄司を騒動の火種にしてドタバタやると勝手に想像したが…
さて、本編の感想。
第1話の感想では、ポンコツな個人や組織をヒロインが立て直す… という点では、この放送枠として昨年放送された前々作『家庭教師のトラコ』(日テレ/2022)や、前作『ファーストペンギン!』(日テレ/2022)とほぼ同じで既視感が漂う上に…
お約束のハッピーエンドが決まっているから、騒動を盛り込めるだけ盛り込んで且つ末までつなぐだけの展開に、今作だけはならないでほしいと願ったわけ。
で、今回は「騒動第1弾」として、フルート首席の庄司蒼(坂東龍汰)が騒動の火種で、あれこれとドタバタやるのだと勝手に想像したのだが…
特に、主人公と妹のくだりの使い方は秀逸!
いやぁ、私の陳腐な想像の遥か上を超えてきたという印象だ。
「玉響」そのものを描くこと、奏者たちにとっての「練習」を描くこと、「個々の事情」を描くこと、それぞれを切り刻んで散りばめるのではく、一定の “まとまり” を作って見せてきた。
このことで、登場人物が大量な作品にありがちな取っ散らかった印象がない。
更に庄司に手を貸すために、主人公・初音(門脇麦)が全部(全員)をけん引してしまうのではなく、 妹・奏奈(恒松祐里)を介入させてから団員を絡めていく構成はお見事と言わざるを得ない。
最近の連ドラでは、主人公の “公私” の描写を蔑ろにして、やたらと “私” のほうを強調して、特に “家族シーン” を必要以上に盛り込んで全体のバランスを崩壊させるケースが多い中で、主人公と妹のくだりの使い方は秀逸だと思う。
また、8名はいる「玉響」のメンバーの描き分けも迷いがなく分かりやすくて良いと思う。
想像以上に普通に楽しめる “連ドラ” になると思う
結局、メンバーが順に騒動を起こして主人公が解決するのを単純に繰り返すのではなく、「玉響」の立て直しと共に、個々の登場人物の問題も解決していく、一種のヒューマンドラマの部分が強調されたため、既視感が薄まったと思う。
そして、まだ第2話ではあるものの、この “カタチ” がある程度踏襲されていけば「次は誰?」の連ドラとしての楽しみも増えるし、縦軸への興味も邪魔にならない。
これ、想像以上に普通に楽しめる “連ドラ” になると思う。
期待感が高まっただけに気になったこともある
ただ、期待感が高まっただけに気になったこともある。
一つは、若干ではあるが、主人公がマエストロ・朝陽(田中圭)の “使いっ走り” に見えちゃってること。
今回は終盤で主人公の人生と庄司を重ねているから大きな不満はないが。
できれば、出過ぎない範囲でもう少し前に出てもよいかなと。
でも、今作のメイン・ビジュアルを見ると、ほぼ「初音と朝陽のダブル主人公」だから、これが基本になる可能性もある…
二つ目は、「玉響」以外の登場人物が多いため、これも若干ではあるが、場面転換が多くて、落ち着きがないように感じてしまったこと。
これについては、まだ第2話で “縦軸” が見えてきていないのが原因の一つだと思うから、もう少し “縦軸”、特に初音の幼馴染で日本屈指の人気ヴァイオリニスト・三島彰一郎(永山絢斗)のキャラが見えてくれば、印象は変わると思うが。
あとがき
シリアスとコメディのバランスもうまいですね。
主人公の自宅を “寮” のようにしてしまうのも、自然な展開で悪くないです。
やや地味な印象の作品ですが、丁寧に作り込まれており好印象です…
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17577/
【これまでの感想】
第1話
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