連続テレビ小説「舞いあがれ!」 (第74回・2023/1/18) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『舞いあがれ!』
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第74回〔全126回〕/第16週『母と私の挑戦』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方がよいです。
舞(福原遥)はネジの勉強に没頭するあまり、会社に遅刻しそうになる。会社では売り上げデータを確認していためぐみ(永作博美)が、営業担当の藤沢(榎田貴斗)に、ある受注の確認をする。それは売れば売るほど赤字になるというものだった。藤沢はリーマンショックで仕事が減った際に、何とか売り上げを出そうと、安くで仕事を請け負ったと説明する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:桑原亮子(過去作/心の傷を癒すということ) 第1~7,12~16週
嶋田うれ葉(過去作/朝ドラ「エール」) 第8,9週
佃良太(過去作/星とレモンの部屋) 第10,11週
演出:田中正(過去作/ウェルかめ、ひよっこ、なつぞら) 第1,3,4,5,7,13~15週
野田雄介(過去作/スカーレット、マッサン、六畳間のピアノマン) 第2,8,10週
小谷高義(過去作/スカーレット、おちょやん) 第6,12週
松木健祐(過去作/ひよっこ、いだてん、晴天を衝け) 第9,11週
原田氷詩(過去作/ちりとてちん演出補、スカーレット 24週のみ共同演出、おちょやん 17週のみ) 第16週
音楽:富貴晴美(過去作/花嫁のれんシリーズ、西郷どん、それでも恋する)
主題歌:back number「アイラブユー」
語り:さだまさし
制作統括:熊野律時(過去作/おちょやん)
管原浩(過去作/これは経費で落ちません!、いいね光源氏くんシリーズ)
※敬称略
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
いろんな人がいろんな環境で見る機会の多い"朝ドラ"だから
さて、アバンタイトルからコミカルな劇伴と相まって、悪くない雰囲気だ。
やはり、いろんな人がいろんな環境で見る機会の多い “朝ドラ” だから、いくら「倒産危機」を描いているとはいえ、「父、夫の死」を乗り越える主人公たち… を前向きに描くのはよいことだと思う。
舞の「あっ 携帯忘れた!」なんて一言も演出によるアドリブかは不明だが、慌てつつの笑顔と合わせて、たった一言あるだけで「緊張感ないなぁ…」って感じが、「ガンバレ、舞ちゃん!」って感じになると思う。
「リーマン」の他に「このご時世」を更に盛り込んだら?
これから書くことは、私しか感じないことかもしれない。
従って、「そんな風には見えない」と思う人が多いと思うが、書いてみる。
劇中に次のような台詞やナレーションがあった。
舞(福原遥)はネジの勉強に没頭するあまり、会社に遅刻しそうになる。会社で売り上げデータを確認していためぐみ(永作博美)が、営業担当の藤沢(榎田貴斗)に、ある受注の確認をした時のシーンだ。
藤沢「リーマンで うちの仕事 ガクンと減った時で…」
N「リーマンショックのあと 安く引き受けた仕事が…」
そして、めぐみが香川(隈本 晃俊)に言った台詞がこれ。
めぐみ「材料費が高騰している今」
「リーマン」、「リーマンショック」、「材料費が高騰している今」と、現在の世間の経済状況を表現してはいるが、私は何となく “説明っぽい” と感じてしまう。
これ、先日にも登場した漠然した単語である「このご時世」を更に盛り込んだら、かなり印象が変わってきたと思う。
例えば、「リーマンがあったご時世ってこともあって 仕事がガクンと減ったから…」とか、「このご時世で 材料費が高騰しているので」みたいに。
今週は特に「このご時世」を強調したらいいと思う
何を言いたのかというと…
今週のサブタイトルが『母と私の挑戦』だから、主人公と母が会社を立て直す「一種のセクセスストーリー」であることを印象付けたいがために…
「IWAKURA」がやっていること、やろうとしていることが “正論” や “正しいこと” であって、取引先などが “意地悪”、“不人情” に見えてしまっているのではないか?
と思うのだ。
幾度も書いてはいるが…
今作が描いたのは、「前社長・浩太の施策・経営の失敗」があって、そこへ追い打ちをかけるようにリーマンショックに襲われたから、今の状況になった… なのでは?
でも、今週は前社長のことを美談にして、リーマンショックのせいにした。
だったら、余計に「このご時世」を強調したらよいと思う。
脚本家が台詞に盛り込まないなら、ナレーションに演出家が追加すればいい。
それができないなら、「土曜日版」の武田真一アナに追加発注してでも「このご時世」を盛り込んで軌道修正、印象操作をやったほうが得策だと思う。
わざわざ「主人公たちが世間から過小評価を受けていて可哀そう…」なんて描く必要はない
脚本家を含めた作り手たちの名誉のためにも繰り返すが…
作り手たちは、決して「IWAKURA」がやっていること、やろうとしていることが “正論” や “正しいこと” であって、取引先などが “意地悪”、“不人情” に描いているつもりはないはずだ。
しかし、見ようによっては、そう見えてしまう人がいるってこと。
全体の雰囲気、『母と私の挑戦』としての内容としては、決して悪くない。
むしろ、「なぜ、あの少女が旅客機のパイロットになる物語なの?」という違和感さえ払拭しつつ、「ものづくりの町、家に生まれた少女が、ものづくりの父の思いを受け継ぐ物語」としては良くなっていると言ってもいいくらいだ。
だから、わざわざ「主人公たちが世間から過小評価を受けていて可哀そう…」なんて描く必要はないと思う。
普通に、母と娘が、従業員たちと一緒に、必死に工場再建を目指す姿を紡ぐだけで、普通に楽しめる “朝ドラ” になると思う。
もう、ほんの僅かな “説明不足” を修正するだけ…
あとがき
ラストのホワイトボードに「営業!」をマーカーで殴り書きする場面ですが。
これまでだったら、舞が自信ありげに書きそうですが、今回は事務員の山田(大浦千佳)でした。
あれだけ喋る設定の山田が無言で書いていており、台詞があったのはめぐみだけだったので、もしかしたら演出の工夫かもしれませんね。
だとしたら、脚本と演出がうまく修正し合って、正常に機能し始めているのかも…
見守ろうと思います。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17575/
【これまでの感想】
第1週『お母ちゃんとわたし』
1 2 3 4 5 土
第2週『ばらもん凧(だこ)、あがれ!』
6 7 8 9 10 土
第3週『がんばれ!お父ちゃん』
11 12 13 14 15 土
第4週『翼にかける青春』
16 17 18 19 20 土
第5週『空を飛びたい!』
21 22 23 24 25 土
第6週『スワン号の奇跡』
26 27 28 29 30 土
第7週『パイロットになりたい!』
31 32 33 34 35 土
第8週『いざ、航空学校へ!』
36 37 38 39 40 土
第9週『私らはチームや』
41 42 43 44 45 土
第10週『別れと初恋』
46 47 48 49 50 土
第11週『笑顔のフライト』
51 52 53 54 55 土
第12週『翼を休める島』
56 57 58 59 60 土
第13週『向かい風の中で』
61 62 63
総集編(前編)
第14週『父の背中』
64 65 66 土(第13,14週分)
第15週『決断の時』
67 68 69 70 71 土
第16週『母と私の挑戦』
72 73
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