星降る夜に (第1話/6分拡大・2023/1/17) 感想

テレビ朝日系・火曜9時枠の連続ドラマ『星降る夜に』
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第1話/6分拡大『人は恋で生まれ変わる--
教えてくれたのは10歳下のあなたでした。』、ラテ欄『人は恋で生まれ変わる。
教えてくれたのは10歳下の貴方でした…』の感想。
海辺の街の病院で働く産婦人科医の鈴(吉高由里子)は、息抜きにソロキャンプへ出掛ける。酒を飲みながら星空を堪能していると、無言でカメラを向ける一星(北村匠海)が現れ、突然キスをされた。翌朝、一星は何か手話をして立ち去り、鈴は後に悪態をつかれていたと知る。その後、鈴は一星と思わぬ場所で再会。生まれつき聴覚のない一星は、遺品整理の会社に勤務していた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:大石静(過去作/家売るオンナシリーズ、大恋愛、知らなくていいコト、恋する母たち)
演出:深川栄洋(過去作/偽装の夫婦、僕とシッポと神楽坂、にじいろカルテ) 第1話
山本大輔(過去作/民王、おっさんずラブ、緊急取調室3、妖怪シェアハウス)
音楽:得田真裕(過去作/家売るオンナシリーズ、アンナチュラル、インハンド、MIU404、石子と羽男-そんなコトで訴えます?-)
主題歌:由薫「星月夜」
挿入歌:NCT ドヨン「Cry」
※敬称略
今作も事前準備は万全だ(笑)
『100万回 言えばよかった (第1話/初回15分拡大・2023/1/13) 感想』にも書いた通り…
2022年から、“恋バナ” については「所詮、オジサン世代は対象外でしょ?」と感じているから、一定の距離を置くようにしている。
従って、第1話を見る前に番宣で徹底的に予習をしておくようになった。
ということで、今作も事前準備は万全だ(笑)
ラブストーリーがベースのヒューマンドラマらしい…
大石静氏のオリジナル脚本による、感情を表に出さない孤独な産婦人科医と、音のない世界で自由に生きる10歳年下の遺品整理士―――、命の “はじまり” と “おわり” に立ち会う “立場の異なる二人” のラブストーリーで描く、渇きがちな大人の心を潤すようなヒューマンドラマ… らしい。
従って、設定が似ているため前期のドラマ『silent』(フジ/2022)と比較しがちだが、前作がゴリゴリのラブストーリーだったのに対して、今作はラブストーリーがベースになっているが。
私が番宣から受け取ったメッセージは…
根っこの部分には、過去や固定概念にがんじがらめになって窮屈な毎日を送る “35歳の産婦人科医” が、自由に生きる “25歳の聴覚障害者であり遺品整理士” に徐々に解放されていくヒューマンドラマなのかなと。
圧倒的な感情「好き!」が支配してこそ "恋バナ"の醍醐味!
では、本編の感想。
番宣では上記のように受け取ってはいたが、第1話を見た限りでは “フツーの恋バナ” だった(汗)
いやいや、聴覚障がいという “設定付き” の “フツーの恋バナ” だ。
しかし、私はそれが悪いとは思わない。
前作と比較する意味なんて無いのだが…
好みの話でいうなら、「坂本裕二ワールド」を模したような哲学風な台詞のやり取り(脚本担当の生方久美氏は坂元氏に憧れているそう)を盛り込まれるよりは、 “フツーの恋バナ” として描いてくれたほうが単純に入り込みやすい。
まあ、益々個人的な好みの話になって恐縮だが…
フィクションの “ドラマ” としては、それこそ「死んだ人が見える」とか「人が恋に落ちるのは “虫” の仕業である」とか「“僕” と “君” が頻繁に入れ替わる」など、あれこれと “設定” を盛り込んだところで…
「相手を好き!」という圧倒的なパワーのある感情が物語を支配するのが “恋バナ” の醍醐味であり根本的な面白さだと思うから、“フツーの恋バナ” で勝負してもらって構わないのだ。
そう、このオジサンは思った以上にロマンティストなのだ(苦笑)
ドラマ『にじいろカルテ』に似た作風、世界観ではある…
で、今作の感想に戻ろう。
“フツーの恋バナ” で構わないのに、「感情を表に出さない孤独な産婦人科医と、音のない世界で自由に生きる10歳年下の遺品整理士―――、命の “はじまり” と “おわり” に立ち会う “立場の異なる二人” 」という “設定” を盛り込んでいる。
従って、「感動して!」と言わんばかりの描写も入ってくる可能性はある。
ただ、第1話を見て感じたのは、そんなことよりもドラマ『にじいろカルテ』(テレ朝/2021)の亡霊だ。
プロデューサーの貴島彩理氏、メイン監督の深川栄洋氏、そして北村匠海さん、光石研さん、水野美紀さんも『にじいろカルテ』チームだし。
特に、深川氏の、ビビッドカラーを生かした画作り、登場人物を画面の中心に置いた構図の多用、背景のボケ味、シリアスとコミカルの瞬時の切り替え、躊躇なき明るくて暖かな世界観の創出などは、『にじいろカルテ』でおなじみの作風だ。
よって、脚本と演出を合わせて、「今どき、こんなことある?」と思う人は好みに合わないだろうし、逆に「令和の今だからこそいい感じ」と思えれば楽しめるような。
私は後者だから、もう少し見てみたくなった。
あとがき
ハッキリ言っちゃうと、この先、大きな変化はないと思うんですよ。
あとは、結ばれるかどうかってだけで(笑)
ただ、“生と死” を扱うドラマなので、あれこれとねじ込まずに “フツーの恋バナ” で進んでほしいです。
そして、可能であるなら、主人公である雪宮鈴(吉高由里子)の職場「マロニエ産婦人科医院」を前面に押し出して、柊一星(北村匠海)の職場「遺品整理のポラリス」が程々にしたほうが良いかなって。
やはり、“死” よりも “生” を描いてほしいからです。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17572/
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