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連続テレビ小説「舞いあがれ!」 (第72回・2023/1/16) 感想

不連続テレビ小説「舞いあがれ!」

NHK総合・連続テレビ小説『舞いあがれ!』
公式リンク:WebsiteTwitterInstagram
第72回〔全?回〕第16週『母と私の挑戦』の感想。

 
 

 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


IWAKUARAの再生をめぐみ(永作博美)とともに行う決意をした舞(福原遥)。会社では、めぐみが社員に在庫処理、経費削減、リストラを終えたことで信用金庫の信頼を得て、融資への返済期限が延長されたことを報告する。しかし、猶予は半年。そこでめぐみは営業に注力するとし、舞がそのメンバーになることを発表する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:なし
脚本:桑原亮子(過去作/心の傷を癒すということ) 第1~7,12~16
   嶋田うれ葉(過去作/朝ドラ「エール」) 第8,9
   佃良太(過去作/星とレモンの部屋) 第10,11
演出:田中正(過去作/ウェルかめ、ひよっこ、なつぞら) 第1,3,4,5,7,13~15
   野田雄介(過去作/スカーレット、マッサン、六畳間のピアノマン) 第2,8,10
   小谷高義(過去作/スカーレット、おちょやん) 第6,12
   松木健祐(過去作/ひよっこ、いだてん、晴天を衝け) 第9,11
   原田氷詩(過去作/ちりとてちん演出補、スカーレット 24週のみ共同演出、おちょやん 17週のみ) 16
音楽:富貴晴美(過去作/花嫁のれんシリーズ、西郷どん、それでも恋する)
主題歌:back number「アイラブユー」
語り:さだまさし
制作統括:熊野律時(過去作/おちょやん)
     管原浩(過去作/これは経費で落ちません!、いいね光源氏くんシリーズ)
※敬称略



感想の趣旨について
  当ブログの感想は、僭越ながら 「もっと こうしたらよいのに…」を追究 することで、広く映像作品を楽しめるようになることを目的としています。
  作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。


今年も、残りが11か月半となりました(笑)

あがだ、お元気と? おいが管理人の “みっきー” です!
(皆さん、お元気ですか? 私が管理人の “みっきー” です!)

ほんなこて、さんかけん、風邪ば引かんごてねー。
(本当に、寒いから、風邪を引かないようにね)

週末から今朝は、千葉県でも 22日連続の雨ナシの記録的少雨が終わって、寒いですが湿度が若干高い朝を迎えました。

更にカレンダーを見れば、既に 2023年も半月が終了…

今年も、残りが11か月半となりました(笑)

主題歌明けから、メイン監督との違いがクッキリ!

さて、主題歌明けの新社長・めぐみ(永作博美)が社員たちに諸々の現状報告をするシーンから、先週までのメイン監督とは違う。

サブタイトルが『母と私の挑戦』であることを意識したのだろう。

本来ならリアルを追求すれば、強い日差しが差し込む窓を背にしためぐみは「黒く潰れがち」に映るべきなのに、ブラインドを敢えて開けたまま全体を白飛びさせて、めぐみに後光が差す観音様のような雰囲気を創出して、前週までのめぐみとは違うことを映像的に強調した。

更に、窓際にめぐみ、部屋の奥に舞(福原遥)を配置して、母子よりも「社長と新米従業員」の関係を同一画面に二人を置くことでも表現した。

このことによって、より今週が『母と私の挑戦』であることを提示。

な~んてことのない演出ではあるが、こんなことすらできていなかったのが、メイン監督の田中正氏だったのだ。
もちろん、全否定はしないし、作風だと理解しているが…

当初は助監督だった原田氷詩氏が監督に格上げか?

因みに、今週の演出担当は過去の担当作品が… ●朝ドラ『ちりとてちん』(NHK/2007年度後期)の演出補
●朝ドラ『スカーレット』(NHK/2019年度前期)の第24週の共同演出
●独り立ち作品は朝ドラ『おちょやん』(NHK/2020年度後期)の第17週のみ
…の、原田氷詩(ハラダ ヒョウジ=男性)氏だ。

原田氏は今作の放送開始当初(投稿時点も)は「助監督」として公式サイトに名が連ねられているから、途中から監督に昇格、抜擢されたようだ。

大阪府立東住吉高等学校の芸能文化科で落語を勉強した経歴を持つことからか『ちりとてちん』の助監督を経て、『おちょやん』では朝ドラでは最も注目が集まる “戦時中” を新人監督が担当して、一部の人たちから注目を集めた若きディレクターだ。

私も、朝ドラらしからぬ「淡々とした演出の作風」で描かれた戦時中を見て、冷静に脚本を咀嚼し、独自の解釈で映像を作れる演出家として当時は注目したのを覚えている。

というわけで、主題歌明けから原田氏らしい作風が発揮されたわけだ。

"連ドラ"だから、一度描いたことの"その後"は描くべき!

その後、舞が検品の仕事をしているカットを挟んで…

宮坂「お嬢さん こん包の仕事は?」
垣内「続けてはんで」


商品梱包課課長・垣内(うえだひろし)を利用して、「発注が減ってるやろ」受注状況をきちんと説明、舞は午前中がこん包作業で午後が営業をやることも説明

更に、電話を通して舞が祖母・祥子(高畑淳子)にパイロットになる夢をかなえてあげられなくなったことを報告しつつ謝罪し…
その上に、朝陽(又野暁仁)のその後まで盛り込んできた。

やはり、“連ドラ” なのだから、一度描いたことの “その後” は描くべき

特に、これ見よがしに盛り込んだエピソードについては、どうしても気になるからだ。

演出班が新たに"原田組"を組織して脚本を補強する作戦か!?

その意味で、序盤の7分頃までの描写は先週とは明らかに異なっていた。

これ、脚本担当は先週から引き続いてメインの脚本家・桑原亮子氏だから、今週になって突然方向展開したとは考えにくい

かといって、五島のシーンはまとめて撮影しているはずだから、急遽は盛り込めない

従って考えられるのは、「リーマンショック編」(としておく)になって大きく軌道修正する必要性を感じた演出班が新たに「原田組」を組織して脚本を補強する作戦に出たのかも?

そう、「後方支援部隊」的な立場で組み込んで、やがては “いい感じ” なるまでけん引していく… みたいな。

舞が"口先だけ"の印象を払拭させるような描写もあった

更に、先週のメイン監督では描かれなかった、検品、こん包、電話営業以外の “主人公の仕事” として「一人での飛び込み営業」が盛り込まれていた。

その上で、舞に嫌味を言う事務員・山田紗江(大浦千佳)に…

山田「あ~あ 無駄に張り切ってはるわ」


と、お約束の嫌味を言わせて、山田をサゲてヒロインをアゲて(ここでのヒロインアゲは悪くないと思う)、先週木曜日の第70回で舞が言った次の台詞を映像で描写して見せてきた。

舞「私も手伝う。こん包の仕事だけやなくて
  事務でも経理でも 何でもやる。お母ちゃんと一緒に頑張る」


主人公が作品の中で生きていることを強調することの大切さ

とにかく、褒めておける時は褒めておこう!

全体を通して見ても、先週には無かったが、「なにわバードマン編」や「航空学校編」にはあった、次の描写が増えた。

それは、役名がある脇役だけでなく、名もなきその他大勢的な脇役たちを絡めて主人公を同時に描くことで、物理的な距離感だけでなく、心理的な距離感や関係性が “分かりやすく見える” ように描いているのだ。

例えば、人力飛行機の組み立て場面やスワン号のラスト飛行のシーン、航空学校での同期生たちの動きなどが、それだ。

「“ドラマ” は主人公らメインの数人でできてるんじゃない! すべての登場人物たちが生きる世界で起こってるんだ!」と某ドラマの主人公が無線で叫んだか知らないが(笑)

偶然にも昨夜放送された日曜劇場『Get Ready!』第2話にも言えることだが、名もなきその他大勢的な脇役たちを一度描いたなら、ちゃんと利用すべきなのだ。

そして、主人公が作品の中で生きていることを強調することが、「テレビの中の出来事」が、やがては「虚構の中の真実」に見えることなのだ。

13分過ぎの「終業ベル」と「ホワイトボード」に注目

もう一か所だけ、是非とも褒めておきたい演出を紹介してみる。

それは、さり気なく画面に入れてきた、13分過ぎの「終業ベル」と「ホワイトボード」だ。

「終業ベル」が鳴る前から山田は仕事が終わっちゃってるし、活気がある工場なら終業ベルと同時に工場が静かになる感じだろうに、ベルの前から静か。

「ホワイトボード」の日程表には仕事予定が数行だけだし、従業員の行動記録も「藤沢 直帰」だけのような。

これらの小道具や効果音によって、主人公や IWAKURAの “現状” が伝わってくる。

「社会人の1年生のためのはじめての営業」と「ネジの基本と仕組み」の本の表紙を強調したのも悪くない。

やはり、「テレビ」なのだから、台詞だけでなく映像によって描くことを怠るべきでないし、今週の演出担当はそこをやろうとしているように思う。

もちろん、次回以降に続くかどうかは分からないが。

あとがき(その1)

ストーリー展開にも、主人公らキャラクター設定にも、出演者やスタッフに対しても、見る人の数だけ好き嫌いがあるだろうし、納得できるかできないかの許容範囲も違うと思います。

従って、好みについては人それぞれでいいと思います。

あとがき(その2)

ただ、当ブログとして書いておきたいのは…
脚本は雑でも、演出家が “脚本家が視聴者に伝えたいこと” を正確に受け止め咀嚼して、それをどう映像化したら良いのかをしっかりと見極めて、台詞と演技と映像で描くことをちゃんとやれば、“ドラマ” としての説得力は増す… というのがはっきり分かった15分間だったってことです。

いつも書くことですが、テレビドラマの場合は、一番重要なのが脚本であることは間違いありません。
ただ、演出のやり方次第で、伝わる物事が違ってくることが今回で分かったと思います。

ってことで、今週の演出には少し期待してみようと思います。
だからといって、内容が納得できるかどうか? は別の話ですけど(笑)


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【これまでの感想】

第1週『お母ちゃんとわたし』
1 2 3 4 5 
第2週『ばらもん凧(だこ)、あがれ!』
6 7 8 9 10 
第3週『がんばれ!お父ちゃん』
11 12 13 14 15 
第4週『翼にかける青春』
16 17 18 19 20 
第5週『空を飛びたい!』
21 22 23 24 25 
第6週『スワン号の奇跡』
26 27 28 29 30 
第7週『パイロットになりたい!』
31 32 33 34 35 
第8週『いざ、航空学校へ!』
36 37 38 39 40 
第9週『私らはチームや』
41 42 43 44 45 
第10週『別れと初恋』
46 47 48 49 50 
第11週『笑顔のフライト』
51 52 53 54 55 
第12週『翼を休める島』
56 57 58 59 60 
第13週『向かい風の中で』
61 62 63
総集編(前編)
第14週『父の背中』
64 65 66 土(第13,14週分)
第15週『決断の時』
67 68 69 70 71 
第16週『母と私の挑戦』

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連続テレビ小説『舞いあがれ!』第72回

『母と私の挑戦』内容めぐみ(永作博美)と舞(福原遥)は、“IWAKURA”の立て直しを決意。めぐみは、信用金庫からの融資の返済が、半年、延期されたことを社員に報告。舞も、こん包の仕事をしながら、営業を始めることに。敬称略作、桑原亮子さん演出、原田氷詩さん「お嬢さん、こん包の仕事は?」「続けてはんで」だそうである。ただし、仕事がないことも強調し。半日だけらしい。そのうえ、五島には、少年の姿と祥...
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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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