連続テレビ小説「舞いあがれ!」 (第71回・2023/1/13) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『舞いあがれ!』
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第71回〔全?回〕/第15週『決断の時』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
3人の社員を人員削減するため、舞(福原遥)は浩太(高橋克典)が残した取引先の名刺の会社へ電話し、候補者3人の再就職先を探すが、ことごとく断られてしまう。それでも舞は諦めることなく、取引先へ直接出向き頼んで回る。舞とめぐみ(永作博美)がひと月再就職先を探して回った結果、2人の再就職先が見つかるが、退職勧奨を断った小森(吉井基師)の再就職先は宙に浮いたままだった。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:桑原亮子(過去作/心の傷を癒すということ) 第1~7,12~15週
嶋田うれ葉(過去作/朝ドラ「エール」) 第8,9週
佃良太(過去作/星とレモンの部屋) 第10,11週
演出:田中正(過去作/ウェルかめ、ひよっこ、なつぞら) 第1,3,4,5,7,13~15週
野田雄介(過去作/スカーレット、マッサン、六畳間のピアノマン) 第2,8,10週
小谷高義(過去作/スカーレット、おちょやん) 第6,12週
松木健祐(過去作/ひよっこ、いだてん、晴天を衝け) 第9,11週
音楽:富貴晴美(過去作/花嫁のれんシリーズ、西郷どん、それでも恋する)
主題歌:back number「アイラブユー」
語り:さだまさし
制作統括:熊野律時(過去作/おちょやん)
管原浩(過去作/これは経費で落ちません!、いいね光源氏くんシリーズ)
※敬称略
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
「もやもやの原因を言語化しアウトプット」をやってみる
あがだ、お元気と? おいが管理人の “みっきー” です!
(皆さん、お元気ですか? 私が管理人の “みっきー” です!)
ほんなこて、さんかけん、風邪ば引かんごてねー。
(本当に、寒いから、風邪を引かないようにね)
投稿時点で、前々回が「43名」、前回が「46名」もの読者様から Web拍手をいただきました。 「みんな、惚れてまうやろぉ~」って、ことですけど(笑)
きっと、それだけ多くの方が、今週の展開にモヤモヤを抱えていらっしゃるのだと推測します。
ってことで、今回も本音を本気で語りますが、特に「もやもやの原因を言語化してアウトプットする」のをやってみます。
これによって、もやもやが少しは晴れるかもしれないし、言語化できるってことは共有化しやすくなるので、テレビの中に届くことを祈って書きたいと思います。
39秒間のアバンで"2つも大きな失敗をやらかして"る(困)
冒頭、久し振りにナレーションが入ったと思ったら、次のような内容だった。
N「それから ひとつき 舞ちゃんと めぐみさんは
&&&社員たちの再就職先を探して回りました」
作り手たちは、何気に “時間経過” を説明したと思っているのだろう。
しかし、よく見てみると、僅か39秒間のアバンタイトルだが、もう “2つも大きな失敗をやらかして” いるのだ。
舞は"新社長の手伝い"はしているが、"仕事"はしていない!
1つ目のやらかしは…
主人公は “新社長の手伝い” はしているが、“仕事” はしていないってことだ。
まあ、好意的に解釈したり、前回の「事務でも経理でも 何でもやる。お母ちゃんと一緒に頑張る」を広義で計尺すれば、リストラした社員の再就職先を探すのも “主人公がやるべきこと” ではあると思う。
ただ、前回では「こん包の仕事だけやなくて」と主人公自身が言ったように、じゃあ “主人公が担当していた仕事” は今、誰がやってるの? ってことなのだ。
別に粗探しや重隅突きをやっているのではない。
今作が、脚本が、演出が描いたのだ。
人が減った中で主人公が一人で検品やこん包をやって、検品は上手になって来ましたよ… と。
更に前回では、経理や帳簿の事務作業まで始めました… と、描いたのはメインの脚本家と監督なのだ。
そして、主題歌明けに2人分の再就職先を見つけてきたのは社長令嬢の舞(福原遥)ではなく、新社長・岩倉めぐみ(永作博美)、その人だ。
結局、アバンで “やってる感” を出したところで、ストーリー上は “何もやってない” のだ。
本来やるべき仕事である、検品、こん包、経理をやらず、夕飯の支度をしているうちに、めぐみが見つけてきた… そう、自ら描いているのだ。
せめて、せめて、「社長令嬢が再就職先を探してくれているんだから…」と、他の社員が検品やこん包を肩代わりしている様子でも挿入されれば、少しはみんなが「前の社長のために…」、「新社長のために…」、「会社のために…」、そして「お嬢さんのために…」と、思えるのに。
もう、一体何を描きたいのか分からない…
社長がめぐみに交代したからと言って、経営が激変するはずがない
2つ目のやらかしは…
山田「このご時世ですからね」
アバンで再就職先を探して混迷している舞に山田紗江(大浦千佳)が何気にかける言葉である。
前回でも言及したとおり、会社の経営が傾きかけていたのは、父・浩太(高橋克典)の社長時代からなのだ。
それも、小さな町工場「岩倉螺子製作所」の頃も、会社名を「株式会社IWAKURA」にしてからも、幾度か経営危機を描いたのも、作り手たちなのだ。
私の妄想でも粗探しでも何でもないのである。
従って、社長がめぐみに交代したからと言って、経営が激変するはずは無いのだ。
だから、そもそも「リーマンショックのある世界」にする必要はなかったと、口が酸っぱくなるほど言い続けているわけだが。
今さら経営が厳しいのは"IWAKURA"だけなのを強調したのか?
それはそれで、置いておいて。
今回の山田の台詞で、くどいようだがメインの脚本家と監督は、改めて「このご時世だから」と「リーマンショックのある世界」を強調した。
そうなると、経営が厳しいのは “IWAKURA” だけでなく、近隣企業、関連工場、取引先も経営は厳しいってことだ。
だから、“IWAKURA” の社員の再就職先が容易に見つからないのは当然のこと。
いや、本質的にこの台詞がおかしいのは、「経営が厳しいのは “IWAKURA” だけ」の印象操作をしれ~っとやっていることだ。
この台詞が異様なのは、これまで具体的な台詞で「リーマンショックのある世界」を強調したことはほとんどなかったのに。
なぜ、今になって、「経営が厳しいのは “IWAKURA” だけ」を強調したのか、意味不明だ。
恐らく、終盤での「可哀そうな舞ちゃん」を強調したいがためとは思うが…
IWAKURAは"仕事"はあるけど、"再就職先"は見つからない??
しかし、山田の「このご時世ですからね」が、もっと罪深い、罪作りな理由を言語化してみる。
それは、リーマンショック直前に借金をして工場を増設したから、以前よりも大量の受注が必要だったのに、“このご時世” で受注が激減し、売り上げが足りず、貯蓄を切り崩した。
要するに、浩太社長は勝負に出たが失敗したのだ。
従って、浩太社長時代から受注はないわけで、“再就職先” 云々以前に “仕事” がないことを描くべきだと思うのだが。
今回のアバンを見る限り、“仕事” はあるけど、“再就職先” は見つからない… という変な描写になっていることに、作り手たちは気づいていないようだ。
こんな大きな違和感だが、視聴者を納得させるのは簡単だ。
例えば、めぐみが舞との会話の中で…
めぐみ「やっぱり、お母ちゃんが社長になっても仕事は増えんわ…」
舞「でも、再就職先だけは見つけんと… ね」
めぐみ「浩太さんのためにも、がんばろ!」
と、愚痴をこぼして、奮起するだけで良いのだ。
あれこれ無駄話を盛り込む暇があったら、“まともな会話” をちょっと描くだけで違和感は払拭できるのに…
"まともな会話"の"始まり"に相応しい曽根の何気ない一言
“まともな会話” のことを書いたから、同じ関連のことをもう一つ挙げてみる。
5分過ぎ、リクルートスーツ風に着替えた舞ちゃんが再就職先探しに歩いているシーンで、お好み焼き屋「うめづ」の常連客・曽根武雄(蟷螂襲)が、次のように舞に話しかけた。
曽根「まず “生” やな。
おう 舞ちゃん えらいこっちゃったなぁ」
台詞の前半の「まず “生” やな」が字幕になかったから、もしかすると上記の台詞が全部、蟷螂襲さんのアドリブの可能性があるが。
何を言いたいのか?
曽根の、この一言こそが、私が言いたい “まともな会話” の “始まり” に相応しいってことだ。
まず、仕事帰りに仕事仲間の古田茂(湯浅崇)に「まず “生” やな」と問いかけ、知り合いの社長令嬢に会ったら「おう 舞ちゃん えらいこっちゃったなぁ」と、心配していたことを告げて和ませる。
そう、至って普通だが、こんな最低限のことすら、くどいようだが今週担当でもあるメインの脚本家と監督はできていないと思う。
柏木も久し振りの再会のはずなのに"挨拶"みたいなのが無い
「そんなことない! 退職勧奨を断った小森(吉井基師)と舞ちゃんの会話は感動したし」って人もいるだろう。
だったら、もう一つ例を挙げてみる。
9分過ぎの柏木(目黒蓮)の登場シーンの冒頭だ。
柏木と舞の目が合って…
舞「柏木さん…」
柏木「ちゃんと話したくて」
これである(苦笑)
久し振りの再会のはずなのに “挨拶” みたいなのが無いのだ。
「驚かせて、ごめん」とか、「ああ、久し振り。舞…」とか、「お父さんのこと、大変だったね」とか… 無いの!
今週の会話劇は、挨拶なしの人でなしなやり取りが多い
それこそ、3分頃の休憩室での笠巻(古舘寛治)ですら、いきなり「うん…」とうなったところから始まっちゃった。
これだって、「今日は一緒に食べてええか?」って感じで初めても良かったのでは?
火曜日に結城章(葵揚)が線香を供えにやって来た時も、結城の手のアップから始まった。
でも、面倒だが、結城が岩倉家に入る前に、例えば工場の前で深々と一礼するとか、線香を供える前に「ご無沙汰しております」の一言があっても…
また、水曜日の喫茶店で舞が久留美(山下美月)と貴司(赤楚衛二)との会話の始まりも、久留美の「そっか… 工場なくなんのか…」「うん」から始まった。
でも、例えば、喫茶店に入る前に舞がドア前で待っていて、久留美たちが到着したら舞が「今日は呼び出してごめんな」「いいよ、いいよ」のワンシーンがあってから、飲み物の氷がコロンと鳴ってから「そっか… 工場なくなんのか…」なら、だいぶ印象が違ったと思う。
挨拶は会話の始まりであり、きっかけだから省略しない方が良い
マシだったのは、月曜日に悠人(横山裕)の部屋を祖母・祥子(高畑淳子)が訪れる前に「入ってもよかか」「どうぞ」くらいだろうか。
「別に、挨拶なんて無くても内容は伝わるでしょ?」と思われるかもしれない。
しかし、“ドラマ” だろうが “リアルな現実” だろうが、挨拶は会話の始まりであり、きっかけなのだ。
そこがないから、内容を重視するしかない。
でも、今度は、肝心な内容が意味不明で支離滅裂。
だから、せめて、人として、「ちゃんと挨拶くらいは描きましょうよ」と言いたいのだ。
まあ、最近の “ドラマ” の会話劇は、視聴者の “タイパ(タイム・パフォーマンス)重視” に合わせて “主張のし合いっこ” で終わるケースが多いが(苦笑)
次回を第1話だと思えばモヤモヤは残るがケジメはつくかも?
後の展開はどうでもいい。
舞と柏木が分かれる理由は解せないが、出演者の撮影スケジュールの関係でもあるのだろう。
娘が両親の失敗で夢を諦めるのに意外過ぎるくらいに冷たいのも、前述のように、ちゃんと人を人として描くつもりが無いのだから、至って当然だし。
舞がパイロットにならないなら、なぜ「なにわバードマン編」と「航空学校編」をやったの? と思うが、公式サイトに当初から書いてあるのだ。
ばらもん凧に魅入られ、空へのあこがれは、パイロットになる夢へとふくらんでいきますが…
東大阪で実感する「ものづくり」の喜びと、自然とともに生きる離島での暮らし。2つの故郷である東大阪と五島、それぞれの土地に暮らすさまざまな人との絆きずなを深めた舞は、やがて新しい形で空への夢を見つけていきます。夢の飛行機作りに情熱を燃やす仲間たちとともに、舞の夢は、みんなの夢をのせた新しい翼となって大空へ飛び立ちます!!
そう、どこにも「舞は旅客機のパイロットになります」なんて書いてないのだ。
むしろ、「舞の夢は、みんなの夢をのせた新しい翼となって大空へ飛び立ちます!!」なのだ。
従って、次週、次回の第72回を第1話だと思えば、モヤモヤは残るが、ケジメはつくかも?(苦笑)
あとがき
敢えて見ない人もいるようなので、私も敢えて予告編の内容には触れません。
でも、今回を見た人なら、次週から新展開になるのは予想できますよね。
だったら、次週は脚本家と演出家も交代させて、目新しさを感じさせてほしいです。
そうでもしないと、「13日の金曜日」の “呪い” が消えそうにないので(笑)
来週も、一緒に『舞いあがれ!』で脚本や演出のお勉強をしましょう!
って、これで良いのかな(苦笑)
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17560/
【これまでの感想】
第1週『お母ちゃんとわたし』
1 2 3 4 5 土
第2週『ばらもん凧(だこ)、あがれ!』
6 7 8 9 10 土
第3週『がんばれ!お父ちゃん』
11 12 13 14 15 土
第4週『翼にかける青春』
16 17 18 19 20 土
第5週『空を飛びたい!』
21 22 23 24 25 土
第6週『スワン号の奇跡』
26 27 28 29 30 土
第7週『パイロットになりたい!』
31 32 33 34 35 土
第8週『いざ、航空学校へ!』
36 37 38 39 40 土
第9週『私らはチームや』
41 42 43 44 45 土
第10週『別れと初恋』
46 47 48 49 50 土
第11週『笑顔のフライト』
51 52 53 54 55 土
第12週『翼を休める島』
56 57 58 59 60 土
第13週『向かい風の中で』
61 62 63
総集編(前編)
第14週『父の背中』
64 65 66 土(第13,14週分)
第15週『決断の時』
67 68 69 70
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