連続テレビ小説「舞いあがれ!」 (第69回・2023/1/11) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『舞いあがれ!』
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第69回〔全?回〕/第15週『決断の時』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
IWAKURAをたたむことを社員に告げためぐみ(永作博美)は、信用金庫が資産価値の視察に来るがいつも通りに仕事をするように頼む。めぐみや舞(福原遥)が落ちついたと感じた祥子(高畑淳子)は、五島に帰るとめぐみに言う。そんな祥子にめぐみはお礼を言う。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:桑原亮子(過去作/心の傷を癒すということ) 第1~7,12~15週
嶋田うれ葉(過去作/朝ドラ「エール」) 第8,9週
佃良太(過去作/星とレモンの部屋) 第10,11週
演出:田中正(過去作/ウェルかめ、ひよっこ、なつぞら) 第1,3,4,5,7,13~15週
野田雄介(過去作/スカーレット、マッサン、六畳間のピアノマン) 第2,8,10週
小谷高義(過去作/スカーレット、おちょやん) 第6,12週
松木健祐(過去作/ひよっこ、いだてん、晴天を衝け) 第9,11週
音楽:富貴晴美(過去作/花嫁のれんシリーズ、西郷どん、それでも恋する)
主題歌:back number「アイラブユー」
語り:さだまさし
制作統括:熊野律時(過去作/おちょやん)
管原浩(過去作/これは経費で落ちません!、いいね光源氏くんシリーズ)
※敬称略
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
かなり本気で本音を書きました
あがだ、お元気と? おいが管理人の “みっきー” です!
(皆さん、お元気ですか? 私が管理人の “みっきー” です!)
ほんなこて、さんかけん、風邪ば引かんごてねー。
(本当に、寒いから、風邪を引かないようにね)
Web拍手が20名を切ったら、いつも以上に本音を書こうと思っています。
だって、あまり多くの人を不快にさせるのも嫌なので…
というわけで、投稿時点で「19名」なので、歯に衣着せぬ感想を綴ります。
それも、かなり本気で本音を書きましたので(その分、遅くなってしまいました)、よかったら最後まで読んでくださいませ。
「主人公・めぐみの朝ドラ」としては王道の朝ドラのよう…
アバンタイトルから完全に「主人公・めぐみの朝ドラ」だ。
まあ、直前までの主人公の父・浩太(高橋克典)が退場したため、母・めぐみ(永作博美)にバトンタッチしただけだが(苦笑)
でも、娘・めぐみと母・祥子のシークエンスは、永作博美さんと高畑淳子さんの演技力の甲斐もあって、妙なことだが他の部分よりも “朝ドラらしい” のが何とも歯がゆいが…
それでも、父(夫)を亡くして “あれこれ” あった母子が亡き父(夫)のことで、母と子の関係、母としての思いを語り合うシーンは、なかなか良かった。
繰り返すが、王道の朝ドラを見ているようだった(苦笑×2)
「本当の主人公・舞の朝ドラ」は唐突、意味不明、不連続で
一方の「本当の主人公・舞の朝ドラ」の部分は、ハッキリ言って “唐突、意味不明、不連続性” のオンパレードだ。
そもそも、今回の 15分間に限れば、舞(福原遥)絡みを無しにして、めぐみを支える母・祥子と従業員たちのほうがスッキリしただろうし、何よりも朝ドラらしかったと思うが。
例えば、主題歌明け、舞が貴司(赤楚衛二)と久留美(山下美月)に今の心情を語る場面。
まず気づいていただきたいのは、3人のやり取りに関して上記の Yahoo!テレビのあらすじには全く記載がないこと。
そして、読解力のある読者様ならとっくにお分かりだと思うが、その “あらすじ” を読めば、舞の存在はほぼ要らないこと。
もう、「本当の主人公・舞の朝ドラ」の部分は “就職1年延期” の時点で完全に一時停止してしまっているのだ。
と、書いてしまったら、感想も終わってしまうから、早速つづきを書こう。
舞が言うべきは、「まだ私にできることって無いかな」では?
舞「もっと お母ちゃんの力になりたかったのに… 悔しいわ」
まだ、工場の売却先も、従業員たちの再就職先も決まっておらず、アバンの映像から伝わるように母も従業員たちも不安でいっぱいなのに…
「力になりたかったのに…」、「悔しいわ」と主人公にとっては “過去完了形” になっていることに、まず「人としてどうなのよ?」と思ってしまう。
しかし、メインの脚本家と監督は、「舞が苦労や苦悩を幼なじみだからこそ本心を語り出して、幼なじみも神妙に聞き入りました…」のつもりで盛り込んだのだろう。
9分過ぎにあった、兄・悠人(横山裕)への投資のお願いが “お母ちゃんの力” のつもりだったのかもしれない。
だが、所詮は “あらすじ” では省略されるレベルの内容だってこと。
そう、たまに書くが「総集編ではバッサリ削除でしょ?」の類、時間稼ぎ、大人の事情ということだ。
恐らく、超がつくほどに好意的に解釈している人以外には、舞の言ってることは嘘八百、舌先三寸、言行不一致、盛り過ぎにしか聞こえないはずだ。
それこそ、幼なじみに苦労話を話す時間もお金も精神的な余裕もあるなら、「まだ私にできることって無いかな?」ではないのか!
きっと、「つらい気持ちを聞いてくれる幼なじみがいて良かったね、舞ちゃん(涙)」の人が大半だとは思うが(失笑)
私がたいへん気になったのが「前」という表現
あらすじには無い場面は、まだまだ続く…
舞「お母ちゃん置いて 私だけ 前に進んでええんやろか…」
次に書くことは、決して粗探しではない。
日本語表現、台詞表現、映像表現として、どうなのよ? という問題について考えてみる。
私がたいへん気になったのが「前」という表現だ。
「前」というのは、単純に物事の “単純な位置づけとしての前後関係” における “後ろより前方” を表すと同時に…
物事の “根本的な重要性としての上下関係” における “後者よりも前者が優位” 的な関係性も表すと思う。
そうなると、主人公にとって、「実家の株式会社IWAKURAのこと」よりも「自分がパイロットになること」のほうが “前” と考えていることになる。
まあ、沈みゆく船 “IWAKURA” よりも、舞い上がる “自分” の優先順位が “前” なのは分からなくもないが…
みんなに愛され、大勢の人が応援したくなる朝ドラのヒロインなら、ここは「私だけ パイロットになる夢を実現してもええんやろか…」でなないのか!? ということだ。
「舞の夢=旅客機のパイロット」は如何せん決定力に欠ける
まだ始まって5分しか経過していなのに、まだまだ “唐突、意味不明、不連続性” のオンパレードは続く。
繰り返すが、決して “スタッフの人格否定” をしているわけではない。
メインの脚本家と監督が、私が抱いているような “唐突、意味不明、不連続性” に気づいていないと見受けられるから「どうか、気づいてほしい」とお願いするつもりで書いているのだ。
しかし、次の久留美の台詞を聞くと、「やっぱり、気づいてないのかなぁ」と落胆してしまう…
久留美「待って。パイロット 諦めるつもり?
諦めて 舞に何ができるん?
舞には 自分のやりたいこと諦めんといてほしいねん」
確かに、超好意的に解釈したり、まだ映像を見ておらず上の文章だけ読んだ人なら「看護師なる夢をかなえた幼なじみの久留美だからこそ、舞にも夢を諦めないで… と応援してるんだね」と、思えるとは思う。
ただ、ここで冷静に考えてほしい。
久留美は、舞の夢を「パイロットになること」だと決めつけて語っているが…
●「五島編」でのばらもん凧
●「小学生時代」の模型飛行機
●「なにわバードマン編」での人力飛行機製作とパイロット特訓
●「航空学校編」でのパイロット訓練
●「就職1年延期中の IWAKURAの危機と父の急死」による IWAKURAの再建…
と、次々と変化し過ぎており、「舞の夢=旅客機のパイロットになる」とするには如何せん決定力に欠けると思うのだ。
それこそ、舞が夢は忘れない、苦しい気を紛らわす意味でも “操縦のイメトレ” を人の目に触れないところで悲しみを堪えながらやっていれば別だが。
結局、何となく “舞ちゃんの夢” を都合よく誤魔化しながら、話をのらりくらりとつなげてしまうから、きっちりと描くべき “舞ちゃんの夢” がぼやけてしまうのだ。
まあ、それが “ばらもん凧” であり、“五島の空に飛んだ旅客機” であり、“父を励ますための模型飛行機” が、いつの間にか “旅客機のパイロット” に変化し、前回までには “ネジの検品とこん包” になり…
でも、当の舞ちゃん本人は、まだ次のように言っていた。
舞「工場なくなんのも嫌や。今は それしか考えられへん」
言わば、好意的に見れば「パイロットも工場も諦めきれない頑張り屋さんの舞ちゃん」に見えるが、パイロットを意識するのは柏木との電話の時だけだし。
要するに、その時々で都合よく初期設定や積み重ねてきた設定をいじっちゃうのがメインの脚本家と監督の作風だということだ。
話を進めるために、前回までの"舞ちゃん"とはまるで別人に
普通に考えれば、年明けから今回が 6回目で「週5放送」なら「週明けの月曜日分」に相当する。
順当に考えても、水曜日だから転換点でもある。
だから、終盤で「歩みノート」を唐突に盛り込んで “めぐみの決意” を盛り込んで、話を勧めざるを得なかったのだろう。
それに合わせて、まず、次の貴司の台詞を盛り込んだ。
貴司「誰かのために頑張ってる時の舞ちゃん 幸せそうやし」
これで、何とか舞が “先頭を切っていくタイプではなくて、周りにいる人を感じながら幸せになることを一緒に見つけて、難局をどう乗り越えていくか一緒に考えていくヒロイン” であることを思い出させた。
そして、前述の兄へのお願いを入れて、人のために頑張ってる舞ちゃんも描いた。
前回までの “舞ちゃん” とは、まるで別人だ(苦笑)
もう少し、主人公の言動の整合性は精査した方が良いと思う
確かに、ストーリーは前進した。
きっと、今回が “本当の主人公・舞” にとっても、“朝ドラ” や “連ドラ” としても、今作最大級の「運命の分かれ道」だったと思う。
何度も書くが、「亡き夫の思いを受け継ぐ新たな主人公・岩倉めぐみの朝ドラ」としては、それなりにいい感じの再スタートには見えた。
しかし、「旅客機パイロットを目指す本来の主人公・岩倉舞の朝ドラ」としてはさらに混迷してしまったし。
「工場を守りたい主人公・舞の朝ドラ」としては、あまりにも舞の言動がことごとく連続性に欠けるし意味不明。
もう少し、主人公の言動の整合性は精査した方が良いと思う。
あとがき
終わったことにあれこれ言っても意味はないですが、今後を語っても意味がないので(笑)
以前(第56回)に、“バブル崩壊も阪神淡路大震災もない世界” を描いてきたのに、どうして “リーマンショックだけがある世界” にしたの? と疑問を投げかけました。
今回のような展開になるなら、むしろ “バブル崩壊も阪神淡路大震災もリーマンショックない世界” を踏襲して、浩太は交通事故か何かで急死してしまい、工場の経営が傾いて、母めぐみが、そして娘の舞が、「歩みノート」がつなぐ親子の強い絆で再建するために、舞はパイロットになる夢を封印して頑張っちゃって、兄も妹の本気度に心を動かされて! …で良かったような。
それこそ、逆に “バブル崩壊も阪神淡路大震災もある世界” だったら「バブルも震災も乗り越えられたんだから、お母ちゃん、一緒に頑張ろう!」で良いし…
次回が週明けなら、「あれから5年が経ちました。IWAKURAの経営は順調で、新しい仕事の依頼が入って来ました」で良かったのでは?
何か、やらなくてよいこと、盛り込む必要がないことをやり過ぎて、崩壊しているような気がします。
朝ドラなので、老若男女問わず楽しめるように、できるだけ分かりやすくシンプルなストーリーのほうが喜ばれると思います。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17550/
【これまでの感想】
第1週『お母ちゃんとわたし』
1 2 3 4 5 土
第2週『ばらもん凧(だこ)、あがれ!』
6 7 8 9 10 土
第3週『がんばれ!お父ちゃん』
11 12 13 14 15 土
第4週『翼にかける青春』
16 17 18 19 20 土
第5週『空を飛びたい!』
21 22 23 24 25 土
第6週『スワン号の奇跡』
26 27 28 29 30 土
第7週『パイロットになりたい!』
31 32 33 34 35 土
第8週『いざ、航空学校へ!』
36 37 38 39 40 土
第9週『私らはチームや』
41 42 43 44 45 土
第10週『別れと初恋』
46 47 48 49 50 土
第11週『笑顔のフライト』
51 52 53 54 55 土
第12週『翼を休める島』
56 57 58 59 60 土
第13週『向かい風の中で』
61 62 63
総集編(前編)
第14週『父の背中』
64 65 66 土(第13,14週分)
第15週『決断の時』
67 68
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