新春ドラマスペシャル「ホリデイ~江戸の休日~」 (2022/1/7) 感想 ※控えめにいって“意外とおすすめ”です

テレビ東京系・新春ドラマスペシャル『ホリデイ~江戸の休日~』
公式リンク:Website、Twitter
『若かりし頃の徳川三代将軍・家光には「ローマの休日」ならぬ「江戸の休日」というべき秘められた恋の逸話が存在した…!?時空と身分の差を超えた時代劇ラブストーリー!』の感想。
なお、原作となった映画『江戸っ子祭』(大映/1958年・小國英雄(脚本)、島耕二(監督))は鑑賞済み。
決められた三代将軍の座に嫌気が差した家光は「魚屋になった方がマシ!」などと言い出し、周囲を困らせる。一計を案じた大久保彦左衛門は知り合いの魚屋・一心太助に預け、修行させることにするが、偶然出会った町娘・お仙と恋に落ちてしまう…。そんな中、次期将軍の座を争う別の一派が「家光暗殺計画」に乗り出してくる。果たして家光の命は無事なのか?そして二人の恋の行方は…?
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:映画『江戸っ子祭』(大映/1958年・小國英雄(脚本)、島耕二(監督))
脚本:山本むつみ(過去作/相棒シリーズ、ゲゲゲの女房、八重の桜、コウノドリ2015、伝七捕物帳、小吉の女房)
演出:山下智彦(過去作/柳生一族の陰謀、緊急取調室1,2,3、民王)
音楽:遠藤浩二(過去作/雲霧仁左衛門、とと姉ちゃん、幕末相棒伝、いちげき)
黒木千波留二(過去作/石出祐輔監督の短編映画「風呂屋の御主人」2021
主題歌:里見浩太朗「約束-Forever-」<br />
※敬称略
笑いと涙の人情時代劇に新解釈をプラスしてファンタジーに
原作は、長谷川和夫さん、川口浩さん(のちに「探検隊シリーズ」で有名になる)、野添ひとみ(3年後、川口浩さんとご結婚)による映画『江戸っ子祭』(大映/1958年・小國英雄(脚本)、島耕二(監督))で、リバイバル上映にて鑑賞済み。

更に、1981年に井上順さん、田中健さん、友里千賀子さんによってドラマ『江戸っ子祭-太助・家光・彦左-』としても放送された、時代劇好きなら知る人ぞ知る原作だ。
“竹千代” と呼ばれていた若き日の三代将軍になる前の徳川家光が、魚屋の江戸っ子・一心太助のもとで “竹” と名乗り人生勉強することになるが、竹の素性を知らない八百屋の娘はぶん殴る、バカにするの日々の中で… そんな笑いと涙の人情時代劇ファンタジー。
そこを基礎にして、今作では江戸時代と令和5年を行き来して、江戸時代の徳川家光(望月歩)とお仙(葵わかな)の切なくも胸キュンの恋バナと、令和の鍵山孝平(望月歩/二役)と戸倉詩織(葵わかな/二役)の幼なじみの、二つの恋バナを重ねた、新たな解釈の時代劇ラブストーリーに仕上がっていた。
時代劇レジェンドたちの所作の美しさだけでも見る価値あり
本来は「感想を書く予定」以前に「見る予定」もなかったのだが、直前の番宣で “侍姿の里見浩太朗さんや高橋英樹さん” を目の当たりにしたら、時代劇好きなら見ないわけにはいかないわけで(笑)
とにかく、時代劇ファンなら、まあ出るわ出るわ、日本の時代劇を支えてきたレジェンドたちに歓喜しまくるのは間違いなし!
里見浩太朗さん、高橋英樹さん、二代目 中村梅雀さん、名取裕子さんなどなど。 もう、令和5年にレジェンドたちの和服を着た際の所作の美しさだけでも見る価値がある。
中でも、里見さんが「本格時代劇での大立ち回りは最後」と公言した、終盤の素晴らしい殺陣は見ごたえ十分、いや必見!
高嶋政伸さんの"一心太助"は"卓ちゃん"の10倍以上ハマり役
また、数々の大河ドラマで時代劇を演じてきた髙嶋政伸さんと戸田菜穂さんの夫婦役もピッタリ。
特に、高嶋政伸さんが演じた「一心太助」は、先日放送された『DOCTORS~最強の名医~ファイナル』(テレ朝/2022)の “卓ちゃん” の 10倍以上のハマり役。
江戸弁を使いこなす粋な魚屋を演じる楽しいそうな高嶋政伸さんを見るだけでも面白い。
主演の望月歩さんと、葵わかなさんも時代劇に馴染んでいた
主演は、2014年公開の映画『ソロモンの偽証』で中学生・柏木卓也 役で注目され、ドラマ『アンナチュラル』(TBS/2018)第7話でキーパーソンとなった法医学に興味を持つ高校生・白井一馬 役の好演が記憶に残る望月歩さん。
望月歩さんといえば、これまで学生役の印象が強かったが、22歳となった今作では青年から大人の男性の役も演じられる俳優さんであることが分かった。
相手役の葵わかなさんも、朝ドラ『わろてんか』(NHK/2017年度後期)の主演を経て、最近ではドラマ『教場1,2』(テレ朝/2022,2021)など仕事を選んでいるようで。
着実に “ヒロイン・てん” のイメージからの脱却に成功しているように思う
できれば今作を見てほしいから、意図的に内容には触れない
さて、当ブログの感想にしては出演者に関しての内容ばかりで「?」と思われた読者様の多いのでは?
それもそのはずで、できれば今作を見てほしいから、意図的に内容には触れない。
ちょっとでも書いちゃうと、せっかくの脚本家の工夫が台無しになってしまうからだ。
江戸時代劇を、令和5年に放送する意味と価値を考える
でも、ちょっとだけ…
私は、時代劇、特に江戸時代を舞台にした時代劇モノの良さや楽しさは、江戸っ子の粋な生き様や、江戸弁による元気の良さにあると思う。
それだけに、コロナ禍、経済、戦争、エネルギー問題など混とんとした令和5年の日本で、江戸時代劇ドラマを放送するのは、見る人に元気や勇気や希望を与えると思うのだ。
その意味でも、こうやって時代劇の文化、時代劇の撮影を支える環境を残すことは、大いに応援したい。
そして、一人でも若い人にも見てもらえる時代劇ドラマとして、今作のように「分かりやすいストーリー」、「テンポの良い展開」、「時代劇を演じられる若いキャスト」で、連ドラでなくても、年に数回放送してほしい。
あとがき
長年、『水戸黄門』、『大岡越前』、『江戸を斬る』で撮影にかかわってきた山本辰也さんの撮影だったので、時代劇ならではのオープンセットに見せ方や、和装での所作の魅せ方など、安心して見ることができたのも良かったです。
それにしても、少ない出番なのに柳生十兵衛(上川隆也)がカッコ良すぎるし、いいとこ持っていきすぎ! です(笑)
おまけ情報
劇中に登場した家光が描いたとされる「兎図」等の解説を、山田五郎さんが楽しくやっている動画があります。
こちらも、是非ともおすすめです。
ホリデイ~江戸の休日~《新春ドラマスペシャル》※TVerによる見逃し配信
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17540/
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