連続テレビ小説「舞いあがれ!」 (第66回・2023/1/6) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『舞いあがれ!』
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第66回〔全?回〕/第14週『父の背中』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
IWAKURAでは浩太(高橋克典)が、めぐみ(永作博美)や各部署の代表を集め、試作で合格をもらったネジが100万本以上の大量発注を受けることになるが、納期期限は2週間後かもしれないと説明する。浩太の工場で1日に作れるのは5万本ほど。直ぐにフル稼働で作り始めないと納期に間に合わすことができない。しかし、まだ正式な本発注は受けていない。浩太は、本発注の前にそのネジの生産を始めるかの決断を迫られる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:桑原亮子(過去作/心の傷を癒すということ) 第1~7,12~14週
嶋田うれ葉(過去作/朝ドラ「エール」) 第8,9週
佃良太(過去作/星とレモンの部屋) 第10,11週
演出:田中正(過去作/ウェルかめ、ひよっこ、なつぞら) 第1,3,4,5,7,13,14週
野田雄介(過去作/スカーレット、マッサン、六畳間のピアノマン) 第2,8,10週
小谷高義(過去作/スカーレット、おちょやん) 第6,12週
松木健祐(過去作/ひよっこ、いだてん、晴天を衝け) 第9,11週
音楽:富貴晴美(過去作/花嫁のれんシリーズ、西郷どん、それでも恋する)
主題歌:back number「アイラブユー」
語り:さだまさし
制作統括:熊野律時(過去作/おちょやん)
管原浩(過去作/これは経費で落ちません!、いいね光源氏くんシリーズ)
※敬称略
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
もう少し、良い部分も探してみようと思って見始めました…
あがだ、お元気と? おいが管理人の “みっきー” です!
(皆さん、お元気ですか? 私が管理人の “みっきー” です!)
ほんなこて、さんかけん、風邪ば引かんごてねー。
(本当に、寒いから、風邪を引かないようにね)
年末放送分から、よろしくない部分ばかりが目に付いてしまい、感想全体が批判的ではないとは思いますが、閉塞感が漂って、それはそれでよろしくないなと、昨夜から考えておりまして。
もう少し、良い部分も探してみようと思って見始めました…
今回のように、もっと「働いてる舞ちゃん」を盛り込めば…
いいこと探しをしようと思ったら、冒頭から描写不足で困っていた「働いてる舞ちゃん」の登場だ。
主題歌明けの「働いてる舞ちゃん」なんて、一心不乱に仕事をしている(苦笑)
「スピードアップしたなぁ」の母・めぐみ(永作博美)の台詞もあって、描かれていないうちに、舞(福原遥)はだいぶ仕事を頑張って作業にも慣れたようである(失笑)
まあ、「描かれない」より「描かれる」ほうがマシだし、「描かれなかったこと」なのに「さも、あったことのよう」に進められるのも納得できないから、これ見よがしではあるが「働いてる舞ちゃん」を盛り込んだのは評価できる。
それこそ、明日の「土曜日版」で今回の「働いてる舞ちゃん」を上手く使えば、主人公がず~っと悩んでいたように見えると思うし…
単純に、黙々と検品している舞を盛り込むだけで良かった
ここで、久し振りに「こうすれば良かったのに…」を書いてみる。
「働いてる舞ちゃん」を描くのは、本来そんなに難しいことではない。
そのことは、今回を見て分かったと思う。
そう、舞が働く部門は「基本的に、舞しかいない」ってこと。
だから、昨今のコロナ禍の撮影事情も比較的容易にクリアできるはず。
従って、わざわざ昼食中に仕事の話をしたり、作業場に入ってあれこれやるより、単純に黙々と検品している姿をワンカットでもいいから多く盛り込むだけで良かったのだ。
更に欲を言えば、自宅での食事中なり家事中に仕事のことを両親に話せば、なおのこと良かったと思う。
それこそ、「今日は、めっちゃ不良品が少なかったで」とか喋るだけで、それこそリストラされたパートの女性3人分も頑張ってると見えたと思う。
やはり、何度もいうが “ちょっとした描写” がへたなのがメインの脚本家と監督なのだと思う。
メインの脚本家と監督の"ちょっとした描写"がへたについて
さて、何とか頑張って「だからダメ!」でなくて、「こうすれば良かったのに…」に留めておこうと思ったが…
やはり、メインの脚本家と監督の “ちょっとした描写” がへたなのだ。
例えば、今回の15分間は、「三幕構成」になっていた。
「三幕構成」とは「起承転結」のような4つのパートから物語を構成するのに対して、次の三幕で構成する、ハリウッド映画でよく用いられる構成手法のことだ。
「三幕構成」を簡単に箇条書きで表すと次のようになる…
●第一幕:発端→状況や設定の説明と、主人公の目標を提示
●第二幕の前半:葛藤1→主人公が目標に向って前進
●第二幕の後半:葛藤2→主人公がどんどん窮地に陥っていく
●第三幕:解決→主人公が目標に向って再び前進
今回で例えるなら…
●第一幕(発端)→ 父の工場の最大のピンチが到来と、主人公と母の現状提示
●第二幕の前半(葛藤1)→ 父の夢を聞き、主人公が目標を定め始める
●第二幕の後半(葛藤2)→ 父の急死で、主人公がどんどん窮地に陥る
●第三幕(解決)→ 次週へ…
この「三幕構成」において第三幕(解決)に興味を持たせるには、第二幕の前半(葛藤1)と第二幕の後半(葛藤2)の転換部分を徹底的に丁寧に描いて、父の死による主人公の心理変化を的確に描くべきなのだ。
これを「起承転結」になぞるなら、「承から転」だからお分かりいただけると思う。
しかし、今作では第二幕の前半(葛藤1)の主人公と父のやり取りの中に、父が心臓発作を起こすような “フリ” が殆どない。
“フリ” がないのに、工場で倒れているのである。
これでは、ダメなのだ。
それ以前に、私が常日頃言っている、「劇中で、登場人物の死を扱う時は、細心の注意と丁寧さが必要」に反しているのだが(今回は省略)
折角(という表現は適切でないが)、父・浩太(高橋克典)の突然死を盛り込むなら、最大限に活用して、主人公の物語に反映して欲しかった。
そのためにも、第二幕の前半(葛藤1)で浩太がせき込むなり、舞が背中をさするなありの動作があって、第二幕の後半(葛藤2)で舞が窮地に陥るのがドラマチックになるのに、それをやらない意味が分からないのだ。
私も一定の評価はしている「五島編」でも…
もう、へたと書いてしまったから、ついでに書いてしまうが。
メインの脚本家と監督は、どうも “ちょっとした描写” がうまくないと思うのは、今さら始まったことではない。
私も一定の評価はしている「五島編」でも、評価の対象の大半は「五島の美しい風景」であり、「名子役たちの活躍」であり、「祖母と孫、ご近所さんたちの微笑ましいやり取り」であって、「主人公の描写」や「物語自体」は普通か、やや物足りないくらい。
だから、難しく考えないで見ている多くの視聴者は登場人物たちのやり取りだけで紡いだ「なにわバードマン編」や「航空学校編」のほうが分かりやすかったし、馴染みやすかったと思う。
そして、満を持して再登板したメインだが、「五島編」よりも、シーン毎の “つなぎ目” が雑で、ほぼ出来事の箇条書きになっている。
このことは、今回の「三幕構成」の解説を読んでいただけたら分かると思う。
映像がないなら、もっとナレーションを活用したら良いのに
例えば、今回だって「映像がない」なら、後付けで良いからナレーションを活用すれば良かったと思う。
そう、舞ちゃんを幼い頃から見ている設定の “ばらもん凧” の声だ。
でも、今作のナレーション担当はさだまさしさんだから、急な出番は作れないと思う。
だったら、「土曜日版」の武田真一アナに依頼して、何とか補強したら良いと思う。
それこそ、“舞ちゃんが作った手作りの操縦かん” 役でも “IWAKURAの螺子” 役いいから…
ラストで久留美(山下美月)が泣き崩れる母子を見かける… なんて非情な描写をやるなら、武田アナに「いよいよ舞に決断の時が来たようです。頑張れ、舞!」くらいのほうが良かったと思うが。
あとがき
完全に「主人公がパイロットになる朝ドラ」の既定路線から外れましたね。
どうやら、「主人公が父の工場を継いで “ものづくり” の夢を叶える朝ドラ」になるのかな?
どちらに進むにせよ、メインとかサブとか関係なしに、全員で楽しい朝ドラを作ってほしいです。
※岩倉浩太役の高橋克典さんが、1月13日『あさイチ』プレミアムトークに出演します!
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17539/
【これまでの感想】
第1週『お母ちゃんとわたし』
1 2 3 4 5 土
第2週『ばらもん凧(だこ)、あがれ!』
6 7 8 9 10 土
第3週『がんばれ!お父ちゃん』
11 12 13 14 15 土
第4週『翼にかける青春』
16 17 18 19 20 土
第5週『空を飛びたい!』
21 22 23 24 25 土
第6週『スワン号の奇跡』
26 27 28 29 30 土
第7週『パイロットになりたい!』
31 32 33 34 35 土
第8週『いざ、航空学校へ!』
36 37 38 39 40 土
第9週『私らはチームや』
41 42 43 44 45 土
第10週『別れと初恋』
46 47 48 49 50 土
第11週『笑顔のフライト』
51 52 53 54 55 土
第12週『翼を休める島』
56 57 58 59 60 土
第13週『向かい風の中で』
61 62 63
総集編(前編)
第14週『父の背中』
64 65
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