連続テレビ小説「舞いあがれ!」 (総集編(前編)・2022/12/29) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『舞いあがれ!』
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『総集編(前編)』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
今年10月にスタートした連続テレビ小説「舞いあがれ!」。年内に放送した前半分の、物語の見どころを紹介。「幼少編」、「人力飛行機編」、「航空学校編」など、それぞれの魅力ある物語やシーンを再編集。まだ番組を見たことがない方や番組のハイライトをもう一度見てみたい舞いあがれ!ファンの方も、これを見れば『舞いあがれ!』の魅力や面白さがわかります!出演は福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美/高畑淳子ほか
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:なし
脚本:桑原亮子(過去作/心の傷を癒すということ) 第1~7,12,13週
嶋田うれ葉(過去作/朝ドラ「エール」) 第8,9週
佃良太(過去作/星とレモンの部屋) 第10,11週
演出:田中正(過去作/ウェルかめ、ひよっこ、なつぞら) 第1,3,4,5,7,13週
野田雄介(過去作/スカーレット、マッサン、六畳間のピアノマン) 第2,8,10週
小谷高義(過去作/スカーレット、おちょやん) 第6,12週
松木健祐(過去作/ひよっこ、いだてん、晴天を衝け) 第9,11週
音楽:富貴晴美(過去作/花嫁のれんシリーズ、西郷どん、それでも恋する)
主題歌:back number「アイラブユー」
語り:さだまさし
制作統括:熊野律時(過去作/おちょやん)
管原浩(過去作/これは経費で落ちません!、いいね光源氏くんシリーズ)
※敬称略
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
当ブログ史上、初の「朝ドラの総集編」の感想です!
あがだ、お元気と? おいが管理人の “みっきー” です!
(皆さん、お元気ですか? 私が管理人の “みっきー” です!)
ほんなこて、さんかけん、風邪ば引かんごてねー。
(本当に、寒いから、風邪を引かないようにね)
恐らく、「ディレクター目線blog」史上、初の「朝ドラの総集編」の感想です。
朝ドラ『あまちゃん』(NHK/2013年度前期)以降のほぼすべての「朝ドラの総集編」は見てきましたが、感想は投稿しておりません。
理由は、書いたところで「終わったこと、過ぎたこと」であり、「面倒くさい」から… です。
しかし、今回に限って備忘録を兼ねて書き残したい理由がありました。
それは、本編で目障り&耳障りに感じていた “視聴者をミスリード=誤った印象に導く演出” が<全編>を通して<大量>に<削除(消去)>されていたからです。
これは、脚本と演出について語る当ブログとしては書き残さずにはいられなかった… ということです。
では、初めてを始めます(笑)
「総集編(前編)」の全体像を把握しよう!
では、細かい演出の話に入る前に、この度の「総集編(前編)」の全体像を把握しておく。
まず、今作の特徴として、一般的な朝ドラは公式サイトや Wikipediaサイトで「○○編」のように分かりやすく “区切る” ことが多いのに、今作は基本的に「○○編」という表現を用いるのは、視聴者側の都合によるものが多い。
そこで、今回の放送を私の判断で計測したところ、下記のようになった。
※区切りのポイントは人それぞれ違うと思います。
●幼少期の五島編:19分36秒
●人力飛行機編:20分22秒
●貴司の五島放浪編:07分30秒
●航空学校編:25分58秒
●少年・朝陽の五島編:05分43秒
●リーマンショックで就職1年延期編:05分50秒
■合計:1時間25分
要するに、明らかに編集で “区切り” を設けて、「○○編」仕立てになっていたのだ。
因みに、見逃し配信「NHKプラス」では、「幼少編」、「人力飛行機編」、「航空学校編」など区分けされています。
そのことから分かるのは、全体の「約1/3」が「航空学校編」であり…
柏木(目黒蓮)の出演シーンは主人公・舞(福原遥)と同等レベルまで残されていたから…
大人の事情があるにせよ、個人的な印象は「航空大学校編」も柏木も印象強すぎ!
…とは思ってしまった。
ただ、NHKとはいえ、視聴率や世間での話題瀬は無視できないとの “大人の事情” があるから、ここは止むを得ないとは思う。
妙な印象操作の描写が、大量に削除(消去)されていた!
さて、今回の感想の本題。
本編で目障り&耳障りに感じていた “視聴者をミスリード=誤った印象に導く演出” が<全編>を通して<大量>に<削除(消去)>されていたことについて。
消された演出を一つひとつ挙げることは難しい。
ただ、分かりやすく説明するなら演出を含めた脚本上の描写として挙げてみると、次のような印象だった。
要するに、私にとっては大して重要とは思っていなかった…
「幼少期からの貴司と舞とのやり取り」
「子どもの頃からの久留美の家の事情」
「なにわバードマンの部員たちの青春」
「航空学校の同期生たちのプライベートネタ」
「柏木と大河内教官、柏木のトラウマなどなど」
…が、《本編や土曜日版》 と比べた印象として、ほぼ無かったことに等しいくらいに削除されていたのだ。
もちろん、完全になかったわけではない。
ただ、本編や土曜日版でも、それなりに強調されていた「数々の脇役たちによるエピソード」が意外過ぎるくらいに見当たらなかった… そういう意味だ。
しかし、総集編だから、無駄を省くのは当然だ。
土曜日版が「毎回15分弱×12週分=180分」で、それを「85分-6分=79分」に切り詰める必要があるのだから、「マイナス100分」、「55%削る」必要があるのだから。
総集編の主人公は「人のためにあれこれやる人」に変身…
今度は分かりやすい例を示してみる。
例えば、本編の記憶が新しい所でいうなら「リーマンショックで就職1年延期編」(この呼称が正しいかは別にして)での「一体、主人公は何のために工場を手伝ってるの?」の曖昧さ。
本放送では、1年間暇ができたから社長令嬢として暇つぶしを兼ねて工場体験しちゃおうかな?」的な感じだったのに、この度の総集編(前編)では、「父のため、母のため、従業員のため、工場存続ために色々と行動している」ように見えたのだ。 いや、正確には「見えるように再編集している」と思う。
更に、ひねくれ者らしく表現するなら「主人公が自分の境遇に落ち込まず、自分以外の人たちのために頑張ろうとしているように見えるように必死に印象操作をしている」である(苦笑)
少年・朝陽に向き合う主人公なんて、ほぼ別キャラの印象に
もう一つ挙げるなら、第12週『翼を休める島』で感じた違和感だ。
そう、航空学校編を過ぎた時点での主人公は、積極的に周囲とかかわって嫌なことがあると自分から問題解決する人なのに、少年・朝陽のことになったら、朝陽少年と距離を置いて座って操縦のイメトレはするものの… だったのだ。
しかし、総集編(前編)では、積極的に朝陽とかかわって問題解決しようと試みる人の印象になっていたと思う。
もはや、第12週の主人公は本編とは別人であり、“ドラマ” としても別の “ドラマ” の印象に作り替えられていた。
私なりに、今作が迷走してしまった理由の仮説を示します
こうして考えてみると、一つの仮説が導き出せる。
それは…
「長崎・五島列島」を盛り込むことに必死になり過ぎたメイン脚本家とメイン監督が、前半の前半の「幼少期の五島編(第1,2週)」と「貴司の五島放浪編(第7週)」で張り切り過ぎちゃった…
そのために、“五島” が舞台でないパートとの “一貫性の欠如” が大きくなっちゃって…
そこで、メイン以外の脚本担当と演出担当が必死に元来のプロット(“ドラマ” の流れ、世界観、キャラの設定や出来事、展開と結末をまとめたもの)に戻そうとしたが…
最新週(第13週)で “当初の舞ちゃん” に戻しちゃったから、総集編で再度軌道修正しときました…
では、ないかと。
総集編(前編)の主人公が<正しい>なら、当初の主人公は?
この仮説を推したい理由は簡単で。
だって、総集編(前編)の “最新の舞ちゃん” の印象が本放送とは違っていたから。
軌道修正する必要がないなら、主人公を “人のために頑張っている” ように印象操作をする必要はないからだ。
本放送の時の「少年・朝陽に対する舞ちゃん」のように、父や工場経営についても積極的にかかわるのではなく、さり気なく気遣いしながら相手が心を開くまで待つ舞ちゃんで良いのだから。
ネット上では先週末あたりから「メイン脚本家とメイン監督をアゲまくる記事」を多く見かけるが。
総集編(前編)を見れば、「メイン脚本家とメイン監督が戻ってきてよかった」と喜んでいる場合かと思ってしまう。
私は、メイン脚本家とメイン監督が、“連ドラ” としての全体の構成の統一感や一致性をもっと重要視して「○○編」と「△△編」の “連結部” を馴染ませるなり、注意を払うべきだったと思う。
まあ、とっくに過ぎたことだが(悔)
あとがき
もう一つ、印象操作がありました。
それは、本放送では柏木の告白が、土曜日版ですら “プロポーズ(求婚)” の印象だったのに、今回は “真面目な交際宣言” 的な印象に変わっていたことです。
まとめ
今回の感想を自分なりにまとめてみますと。
メインやサブにかかわらず、個々に「キャラクターの設定」や「エピソードの端々」や「章と章、編と編のつなぎ目」を広げ過ぎたような気がします。
要は、風呂敷を広げすぎじゃあございませんか? と。
だから、土曜日版や総集編で更に軌道修正が必要なのでは? と。
広げるのは自由ですが、あとで軌道修正するなら最初から “語り” やナレーションで修正や補完できる程度にしておいた方が無難だと思います。 だって、古本屋「デラシネ」の主人・八木、なにわバードマンのメンバーたち、航空学校の同期生だって、あそこまで描かれた気にするな! という方が野暮ですよ。
やはり、メインの脚本家と監督がサブのスタッフを常に見渡した方が良いと思います。
ということで、来年からの後半に期待… しておきましょう(苦笑)
最後に、今日は看護師の妻の意見で「今年も感染対策として “幸先詣” にしよう」ってことで。
本日の昼間、愛車の交通安全祈願を兼ねて成田山新勝寺で幸先詣をしてきたので、投稿が遅くなりました(謝)
今年もあと二日、ドラマについて語りたいと思います。
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【これまでの感想】
第1週『お母ちゃんとわたし』
1 2 3 4 5 土
第2週『ばらもん凧(だこ)、あがれ!』
6 7 8 9 10 土
第3週『がんばれ!お父ちゃん』
11 12 13 14 15 土
第4週『翼にかける青春』
16 17 18 19 20 土
第5週『空を飛びたい!』
21 22 23 24 25 土
第6週『スワン号の奇跡』
26 27 28 29 30 土
第7週『パイロットになりたい!』
31 32 33 34 35 土
第8週『いざ、航空学校へ!』
36 37 38 39 40 土
第9週『私らはチームや』
41 42 43 44 45 土
第10週『別れと初恋』
46 47 48 49 50 土
第11週『笑顔のフライト』
51 52 53 54 55 土
第12週『翼を休める島』
56 57 58 59 60 土
第13週『向かい風の中で』
61 62 63
第14週父の背中』