ドラマ「岸辺露伴は動かない」(第7,8話) (第7話「ホットサマー・マーサ」・2022/12/26) 感想

NHK総合・ドラマ「岸辺露伴は動かない」(第7,8話)
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第7話『ホットサマー・マーサ』/strong>の感想。
なお、原作となる、荒木飛呂彦原作の漫画『岸辺露伴は動かない1,2』は既読。『岸辺露伴は叫ばない 短編小説集』は、未読。また、2020年3月に発売された『「岸辺露伴は動かない」OVA コレクターズエディション (2枚組) [Blu-ray]』は、鑑賞済み。
露伴は妖怪伝説を取材するためだけの理由で「六壁坂村」の山林を買い破産してしまう。「財産よりもネタが大事」な露伴は妖怪伝説の謎を追って京香と村を訪れるが、手掛かりは見つからない。そんなとき露伴の前に現れたのは、村一番の名家の跡取り娘、大郷(おおさと)楠(な)宝子(おこ)だった。楠宝子は露伴が村を訪ねた理由を探ってくるが、自らも何かを隠しているようだ。楠宝子の記憶をヘブンズ・ドアーで読んだ露伴は、楠宝子と六壁坂にまつわる驚がくの真実を知ることになる。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:『JOJO magazine 2022 SPRING』など
脚本:小林靖子(過去作/:岸辺露伴は動かない2020,2021、映画「劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!」)
演出:渡辺一貴(過去作/岸辺露伴は動かない2020,2021、高橋一生主演「雪国-SNOW COUNTRY-」)
音楽:菊地成孔(過去作/機動戦ガンダム サンダーボルト1,2)
新音楽制作工房
人物デザイン監修:柘植伊佐夫(過去作/映画「おくりびと」、「十三人の刺客」、「シン・ゴジラ」、「翔んで埼玉」)』
※敬称略
露伴の日常に非日常が襲来する"ドラマ"の王道展開の強さ!
多くの人が見ている(読んでいる)わけではないと思うから、いつも以上に思ったことを綴ってみる(苦笑)
※原作は未読。
「岸部露伴の世界もコロナ禍である」、「岸部露伴も外出自粛で鬱になる」で始まった第7話『ホットサマー・マーサ』。
当ブログでは “ドラマ” と何かを常に本質的に考えようと試みているが、明確な答えは出るはずもない。
しかし、数ある中の一つとして “ドラマ” とは “主人公の日常を描くこと” であり、日常の中に突然 “非日常” が襲ってくることで “物語” が動き出す… という定義を作っている。
その点で今回を見ると、正に岸辺露伴(高橋一生)の “日常に非日常が襲来して…” なのだ。
更に今回では、露伴の編集担当・泉京香(飯豊まりえ)や露伴の飼い犬・バキンにまで “日常に非日常が襲来して…” とテンコ盛りなのだ。
もうそれだけで、どんな “物語” が動き出すのか、ウキウキワクワクである。
やはり、妙な初期設定に頼らない “ドラマ” の王道の展開こその強さを感じた1時間だった…
恐怖と狂気の二重構造で描く、本当の日常の怖さとは何か?
更に今回で興味深いのは、恐怖と狂気の二重構造だ。
一つは、樹の中に住む「藪箱法師」と呼ばれる、六壁神社のイチイの古木の根元にある祠に入ることで現れる、鏡に映った人物の分身である “摩訶不思議な存在”。
もう一つは、“スタンド” を使うわけでもないし、超常現象でもないのに、露伴(実は「藪箱法師」)の子どもを身ごもり、京香を殺害し露伴を独占しようと企てる謎の女・イブ(古川琴音)の “自宅凸(推しの自宅を突き止めて突入するのネットスラング)ファンの狂気的な行動” だ。
この二つが、「3つの丸」と「3か月」をキーワードに怒涛の如く展開していく。
詳細な解説は敢えてしないが、この世で一番怖いのは、言い伝えや都市伝説や自宅凸ファンでもなく、最も信頼している人物である… というのが現代社会を痛烈に比喩しているように感じた。
一瞬たりとも目が離せない、“テレビドラマ” のために作り込まれた劇画チックでありスリリングで動的な映像美にも見入ってしまった。
あとがき
原作は未読ですが、原作があるとはいえ、ここまで映像をつけて、今どき設定もいかしつつ、“ドラマ” として魅せるのはスゴイと思います。
3年目なので、今や年末の風物詩でもありますが、マンネリ化していないのも素晴らしいです。
今夜の第8話『ジャンケン小僧』も楽しみです。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17515/
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