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silent (第1~11話/最終回) 全話総括の備忘録

silent

フジテレビ系・木曜劇場『silent』
公式リンク:WebsiteTwitterInstagram
第11話/最終回15分拡大『変わったもの、それでも変わらないもの』と全11話の総括の備忘録。



「一緒にいるほど、好きになるほど辛くなっていく。…声が聞きたい。もう聞けないなら、また好きになんてならなきゃよかった」と青羽紬(川口春奈)に想いを伝えた佐倉想(目黒蓮)。紬はそんな想に自分の気持ちを伝えるが、想には響かない。お互いの気持ちがすれ違う中で、紬は戸川湊斗(鈴鹿央士)から、想は桃野奈々(夏帆)から、それぞれある言葉を投げかけられる。
そして、2人は別々にある場所へと向かう…。
変わったものがあって、それでも変わらないものがある。8年という時を経て再び出会った2人がたどりつく結末とは…?
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:なし
脚本:生方美久(過去作/踊り場にて)
演出:風間太樹(過去作/30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい) 第1,2,5,9,最終
   髙野舞(過去作/アライブ がん専門医のカルテ) 第3,6,8,10
   品田俊介(過去作/ルパンの娘1-2、ナオミとカナコ、ミステリと言う勿れ) 第4,7
音楽:得田真裕(過去作/監察医 朝顔シリーズ、家売るオンナシリーズ、アンナチュラル、インハンド、恋です!ヤンキー君と白杖ガール)
プロデュース:村瀬健(過去作/信長協奏曲、いつ恋、映画「帝一の國」、映画「約束のネバーラント」)
主題歌:Official髭男dism「Subtitle」

折角毎週見てはいたので、備忘録として残しておこうと思う

私が今作について放送前から一切触れなかったことは、当ブログの勘のいい常連さんなら気づいていたはず。

しかし、せっかく毎週見てはいたので、思ったことを備忘録として残しておこうと思う。

いろんなことを知らないとか気付かない人ほど…

いろいろと覚書をしておきたいことがあるから、思いつくまま羅列しようと思う。

まず、私自身が全知全能でないことは百も承知。

むしろ、知らないことばかりで、知っているとするならそれは自分が興味関心のある一部のことだけ。

だから、“この手のドラマ” は、多少の不自然さや粗雑さ、誤った描写や誤解を招く表現があろうと、一定の人数は感動するし、共感もすると思う。

更に、いろんなことを知らないとか気付かない人ほど、その感情は強くなるとも思う。

私自身も、好きなテーマや俳優さんというだけで、評価のハードルが下がるだけでなく、感動量まで上昇してしまうことがあるから、否定もしないし、むしろ自然なことだと思う。

更に今作においては、一部の出演者やそれに関する大人の事情や熱烈なファンがいるから話題性もあって、ネットニュースの立場なら「話題にしてPVを稼ぐ絶好のチャンス到来」なわけで。

まあ、こうして私も最終回だけではあるが感想を投稿するのだから、見事にやられたわけである(苦笑)

"ドラマ"で"身体的障がい"の設定を使う場合は…

いつもドラマの感想に書くことだが、基本的に “ドラマ” の登場人物の初期設定で “身体的障がい” を使う場合は「絶対的な必然性があること」と「最大限の配慮をすること」と「不要な特別扱いはすべきでない」と思っている。

なぜなら、“ドラマ” とは “人間そのものを描くこと” であり、それを達成する重要な手段が “登場人物(時には動物の場合もあるが)同士の意思疎通=やり取り” だと思うから。

従って、身体的障がいに限らず、例えば “不運な生い立ち” や “不幸な境遇” や “優位な立場” や “個性的な見た目” などは、あくまでも各登場人物の特徴や特性の一つに過ぎず、いわば個性である。

だから、“人間そのものを描くこと” においては、個性を含めて “その人” なのだから、わざわざ強調しなくても自然に視聴者(観客)に伝わっていて当然であり、そこだけを強調して話を広げたり膨らませるのは、おかしなことだと思うのだ。

"設定"を"きれいごと"として気にせず受け入れられれば…

従って、今作でいうなら、“聴覚障がい” という設定があり、劇中では分かり合えるか分かり合えないか、相手の心を理解できるか理解できないか… について強調して描写しているが…

むしろ重要なのは「自分の気持ちをどう相手に伝えるか?」や「自分の気持ちが相手にちゃんと伝わっているかどうか?」であり、成功しているかどうかは相手の反応で分かる… これが意思疎通の本質ではないだろうか?

だから、今作を見ていると、「伝わらないこと」を差別的に描写しているように見えてしまう。

もちろん、障がいの有無にかかわらず、誰しもがコミュケーションの過程で「伝えたい」と思うのは当然だし、「伝わっているのか?」と不安になるとは思う。

ただ、そのことを描くなら、そもそも “聴覚障がい” という設定は不要なわけだ。

結局、意図的だろうが無意識だろうが、「伝わらないこと」を不用意に強調するがために、結果的に想の言動(特に台詞)が聴覚障がいの人の身勝手な思い込みによる愚痴的な言動にまで見えてしまって、私はちょっとげんなりしてしまった…

もちろん、意図的に、且つ意識的に “ドラマ上のきれいごと” として美しく感動的に描いているのは間違っていないし、認めるところだ。

好き嫌いは別にして… の大前提ではあるが。

風間太樹氏って演出家には"ワンカットの美学"があるのか?

折角だから、演出についてチラッと書くと。

今作のメイン監督である風間太樹氏って演出家には “ワンカットの美学” みたいのがあるんじゃないかと。

逆にいうと、カットが連続したシーンとしての存在理由や、シーンとシーンとのつながりの重要性よりも、“ワンカットの美学” が好きなのかなぁって。

そう思うと、絵画のような余白を使った画角とか、スマホのコミュケーションツールとしてのスマホの見せ方とか、他にもあるが。

一つずつは悪いとは思わないが、“ドラマ” としてつながった映像物語として見ると、「頑張って描くところって、そこじゃないじゃないの?」 と、いつも見ていた。

結局、彼の演出は脚本中に盛り込まれた “設定” を利用して、“ト書き” を≪飾りつけ(デコレーション)≫するような、要するに台詞を強調したり煽ったり盛り上げるための瞬間芸的な演出の連続に見えてしまった。

やはり、私が考える優れた演出は、“脚本の見栄えをより良くする映像化” ではなく、虚構の中の真実を観客に信じ込ませる魔法であり、むしろ “演出されていることを意識させない裏方に徹した描写力” だと思っている。

だから、私が日ごろ感想でやっている「演出のここがスゴイ!」の種明かしは野暮なのが、でもそれはそれで気づいてほしいのだ。
で、気づいた上でドラマや映画を見て、何度もマジックにかかってほしい… これが “ドラマ” を更に深く楽しむ一つの方法だと思っている。

番組宣伝を含めた戦略が程度を超えている(いた)のが残念

さて、あまりダラダラ書くのもなんだから、ぼちぼち本論

繰り返すが、“この手のドラマ” も “今作” も全否定するつもりはない

見たい人は見ればいいし、見たくない人は見なければいい、それだけのこと。

で、最終回になって総括を書くくらいだから、面白くなかったわけでもない

ただ、これまで綴ってきたように、『ボクらの時代:生方美久×村瀬健×風間太樹』(2022年12月18日放送 ※見逃し配信)を見ても分かったように、作り手たちの意図は大いに理解するが、やはり全体的には番組宣伝を含めた戦略が程度を超えている(いた)とは思う。

むしろ、度を超えすぎたために、逆に「見てたまるか!」と思う人もいたはず。

この辺は、特に俳優さんたちの演技が素晴らしかったので、多くの人にも見てほしかったから、程々にすべきだったとは思う。

『silent』なのに、どうして主人公を想にしなかったのか?

もう一つ悔やまれるのは、タイトルが『silent』なのだから、どうして主人公を想にしなかったのか? という素朴な疑問。

いや、私がジャニーズ、Sonw Man、目黒蓮さんも好きだからというわけではない。

ただ、前述の『ボクらの時代』によれば、脚本家はラブストーリーにはあまり興味がないようにおっしゃっているし、むしろ書きたかったのは恋の当て馬の二人だと公言しておられたから、当初から無理だったかもしれないが。

でも、最終的に、この『silent』というタイトルと、主人公を紬(川口春奈)にしたことの大きな乖離が、全体に漂う不自然さや違和感のもとではないかと。

結局は、袖と想の恋バナを焦らしまくるために、あれこれ仕掛けた分だけ、袖と想が互いに抱く感情描写が雑になり…
逆に、その他の部分、袖と湊斗、袖と袖の家族、春尾正輝(風間俊介)と桃野奈々(夏帆)、湊斗と奈々のやり取りのほうがずっと自然に描かれていた。

やはり、二兎追うものは一兎も得ず… だと思う。

あとがき(その1)

最近ちょっと書かなくなっていたことですが。
やはり、回想シーンを多用する “ドラマ” は私基準だと、やや洗練さに欠けるなぁと感じてしまいます。

理由は幾つもありますが、回想シーンに頼ると “物語” が過去に縛られて前進しにくいから。
そして、ちょっと前進しただけで相当に進んだような錯覚を与えるから。

やはり、回想シーンはピンポイントで使ってこそ過去の重みを表現し、今の主人公が前進するエネルギーが輝くのです。
まあ、終わったことですけど。

あとがき(その2)

とはいえ、見逃し配信に視聴者を誘引して話題性を固める… などの、個人視聴率重視時代の番宣、ドラマ制作を上手く使った作品だとは思います。
諸手を挙げて賛同しませんが。

この件については、過去の投稿↓に詳しく書いているので、読んでみてください。

テレビは終わる?いずれの目論見も逆効果…“テレビだから”の強みを見直せ!

※自分用の備忘録なので、コメント欄は封鎖します。
※こちらは、あくまでもバックアップ用で拡散用ではありません…


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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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