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エルピス―希望、あるいは災い― (第6話・2022/11/28) 感想

エルピス―希望、あるいは災い―

関西テレビ制作・フジテレビ系・新 月10ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』
公式リンク:WebsiteTwitterInstagramYouTube

第6話『退職届と異動辞令』の感想。



西澤(世志男)が松本(片岡正二郎)を見たという証言は虚偽だった。逮捕の決め手を覆す拓朗(眞栄田郷敦)のこのスクープにより、再審は現実味を帯び、恵那(長澤まさみ)は再び奮い立つ。番組放送後、日本の司法を揺るがす新事実に世間はすさまじい反応を示す。だが、恵那らにとって予想外のことが起きてしまい、恵那は古巣の番組に‘事件を追っていた記者’として出演することが決まる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:なし
脚本:渡辺あや(過去作/火の魚、朝ドラ「カーネーション」、ロング・グッドバイ)
演出:大根仁(過去作/湯けむりスナイパー、モテキ、ハロー張りネズミ、共演NG) 第1~6
   下田彦太(過去作/農家のミカタ) 第4,5
   二宮孝平(過去作/共演NG)
   北野隆(過去作/半径5メーtル)
音楽:大友良英(過去作/あまちゃん、いだてん、しもべえ)
主題歌:Mirage Collective「Mirage」
プロデューサー:佐野亜裕美(過去作/99.9-刑事専門弁護士-、カルテット、大豆田とわ子と三人の元夫)
※敬称略



第3話で第1章が、第6話で第2章が完結したことになる

これまで取り上げてこなかったこと。

それは、今回の第6話で「第2章」が完結し、且つ第3話で「第1章」が完結していたこと。
このことは公式サイトで発表されている。

放送上のサブタイトルには “章立て” 表記はないから、あくまでも内部的な区切りだと推測するが。

逆に考えれば、作り手側は「第1章」で「八頭尾山連続殺人事件」に巻き込まれる恵那と拓朗(眞栄田郷敦)を描き、「第2章」では今回劇中に登場した深夜の情報バラエティ番組『フライデーボンボン』で緊急放送された「特集VTR」制作に奔走する恵那と拓朗、そして背後で暗躍する斎藤(鈴木亮平)も描き、『退職届と異動辞令』のサブタイトル通りの三者三様の分岐点に進んで行くことが描かれた。

この “章立て” によって見えてくる作り手の真意は、恐らく “特に” 恵那と拓朗のあらゆる面での変化を丁寧に描写しつつ、明確に切り分けることで “連ドラ” としての進捗状況も分かりやすくする意図があったと思う。

今回も登場した目玉焼き「サニーサイドアップ」

さて、今回のモノローグ兼ナレーションは恵那(長澤まさみ)が担当。
今回はほぼ全編が恵那の進退を描いた展開だったから当然といえば当然だ。

ただ、当ブログとしては、これまで拓郎の母・岸本陸子(筒井真理子)登場のシーンに(勝手に)今作の重要なキーワードが秘められていると考えているから、陸子が登場しない第6話は何もないかと思いきや…

いたぞ、いた、いた、今週のキーパーソンは報道番組『NEWS8』をかつて担当した、前述の『フライデーボンボン』のチーフプロデューサーの村井(岡部たかし)だ。

その前に、今回の序盤で恵那の家に泊まった拓朗が恵那が作った目玉焼き「サニーサイドアップ」を朝日の差し込む部屋で食べるシーンを見て「ああ、やっぱりポイントだったんだ!」と思われた読者様もいたのでは?

やはり、目玉焼きだけに目の付け所が違うでしょ? ってことだ(笑)

深煎りキリマンジャロ or 濃厚ミルクココア

さて、話を村井に戻すと、私が気に留めたキーワードが2つあった。

1つ目は、休憩室で『NEWS8』に出演する直前の恵那に村井が話しかけるシーンで、村井が次のように言っていた。

村井「えぇ~ 深煎りキリマンジャロ あっ 濃厚ミルクココアっちゅうのもあるな」


これ、完全にネタかもしれないが「(コーヒーの)深煎り」と「(事態への)深入り」をかけているのではないかって。

まあ、流石にダジャレはないと思うが、但し村井が恵那に対して「深煎りキリマンジャロ or 濃厚ミルクココア」と尋ねたのは、恐らく村井が恵那に「このまま事態に‘深入り’する or 斎藤との‘甘~い’恋愛を取る」の最終選択を暗示しているとは思う。

カラオケ大会で村井が作った「おしぼりウサギ」

もう1つは、最終回の打ち上げカラオケ大会で村井が作った「おしぼりウサギ」だ。

ここ、脚本的に「ウサギ」である必然性はないはずだ。
おしぼりアートなら他に、ペンギン、ヒヨコ、ゴジラ、イヌなんてのもある。

だ・か・ら、「おしぼりウサギ」である必然性が作り手にはあったってことだ。

ここで、30年以上婚礼を見てきた私が、食事用テーブルナプキンの折り方もつぶさに見てきた経験から勝手に推測したい。

それは、「ウサギ」には “跳びはねる=飛躍”、“高い妊娠率=子孫繁栄”、“長い耳=福を集める” などの「家庭安泰や平和」の象徴とされている。

更に、「ウサギ」は “群れで行動する=高い社会性” や “速い足=避難回避” の象徴ともされている。

ここまで書けばもうお分かりだろう… 村井が折った「おしぼりウサギ」は “異動辞令” をもらった会社組織内での負け組の立場を象徴しているのだと思う。

♪俺も頑張るよ 退職金 満額獲得するまで ぜってぇ辞めねぇぞ

と、いつもの私ら深読みを終わるのだが、今回は更に一言。

「ウサギ」を使ったことわざ「年劫の兎(ねんごうのうさぎ)」をご存じだろうか。

「劫」とは仏教用語で、宇宙論的な極めて長い時間の単位のことで、「年劫の兎=超高齢の悪賢いウサギ」で “一筋縄ではいかない人” という例えとして使われる言葉だ。

これを加味すると、村井が「♪俺も頑張るよ 退職金 満額獲得するまで ぜってぇ辞めねぇぞ」と絶叫しながら歌った姿に、どことなく “年劫の兎” の強かさが飼いまみれたような気がするのだが。

きっと、「おしぼりウサギ」は監督・大根仁氏の裁量だとは思うが、これが当たっていたら他にも数多くの秘めたヒントがあったが、これ以上は大変だから割愛させていただく…

今回の"経緯と結末"は今の民放ドラマでは相当な冒険だった

さて、もう今作が破天荒な内容であることに半ば麻痺してしまっているから気づきにくいが、冷静に見たら今回の “経緯と結末” は今の民放ドラマでは相当な冒険だったと思う。

まあ、カンテレ制作だからできたともいえるが、それでもフジテレビのネットワークで放送するのだから、よくやったと思う。

やはり、「スキャンダルとマスコミ」を真正面から描くなら、これくらいのタブーは無視して描いてもらってこそ見ごたえがあると思う。

あとがき

恵那と拓朗だけでも “ドラマ” が成立しそうなのに、ここまで斎藤を絡めてくる理由って何なんでしょう?

今回で一番気になったのは、終盤で「退職願」を提出した斎藤が乗り込んだエレベーターの扉が閉まる速度が、通常のエレベーターの扉の速度よりも僅かに速く見えたこと。 「終わりました」というより「これから行きます!」的な印象になっていたから。
今後が楽しみです。

それと劇中では短くカットされていた「特集VTR」の全編がTVerで見られます。
【TVer限定】八頭尾山連続殺人事件 特集VTR

11/29のWeb拍手コメントへにお答えいたします(2):「エルピス―希望、あるいは災い―(第6話)」※“おしぼりウサギ”の更なる深読み(図解付き)!


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★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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