相棒 season21 (第4話・2022/11/2) 感想

テレビ朝日系・『相棒 season21』
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第4話『最後の晩餐』の感想。
右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、タクシーの忘れ物のマフラーから、堂島(矢柴俊博)という人物にたどり着く。彼は誰かを殺害し、自殺を考えている可能性があった。そこで右京は、バーでマスターのミツル(長村航希)と話す堂島に接触。薫は、堂島を知る高級クラブなどで聞き込みをするうちに、資産家で遊び人の堂島が若い女性と何かのトラブルになったと推理する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●脚本:光益義幸/演出:橋本一(敬称略)
"クレバーな右京"と"フィジカルな薫"の持ち味が強調された
右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)の「シン特命係」の実質的な第3回。
ということで、まだまだ過大な期待は禁物だと自分に言い聞かせて見始めたのだが。
ツカミとしては、『相棒シリーズ』ではお馴染みの…
右京さんが「おや?」、「妙ですねぇ」と遺留品に興味を抱いて、「細かいところが気になるのが僕の悪い癖」と言わんばかりに、事件に干渉し深入りしていくパターンである。
その後の展開も出来るだけ右京と薫を物理的に離そうとするストーリーになっており、“クレバーな右京” と “フィジカルな薫” の持ち味が強調されて、往年の特命係を思い出させる物語だった。
更に、捜査一課も上手く流れに組み込んで、より『相棒』らしさを醸し出した。
映画『街の灯』のラストシーンを『相棒』風にアレンジか?
特に面白いと思ったのは、チャップリンの名作映画『街の灯』(米/1931)の “解釈が分かれる名ラストシーン” の詳細を明かさないこと。
視聴者に対して分かり易く説明しないからこそ、「先が見たくなるドラマ」になっているし。
『街の灯』の結末を知っている人なら、光益義幸氏の描いた結末がなかなか工夫されていると感じたのではないだろうか?
それは、私が考える『街の灯』の結末の解釈の深読みでは…
映画『街の灯』が本当に描こうとしているのは「ラストシーンでは描かれていない… 盲目の花売り娘が経済的に成功したのち金持ち側に回ったら、最初に出会った放浪者と前のような感覚にいられるだろうか?」ということ。
で、『相棒』では独身の遊び人・堂島志郎(矢柴俊博)がショットバー「CITY LIGHTS」バーテンダー・久保ミツル(長村航希) を最初は「自分が好きなカレーを作る若いバーテンダー」という認識でいるが、事件の真相が明るみに出ると “息子” であることが分かり、そのご堂島がミツルにどう接したのか描かれていない。
そう、ここの「自分の立場が変わったら、関係性が変わった相手をどう受け入れるか?」について、『街の灯』と同様に描いていない。
これは、私は脚本の光益義幸氏が、私が考える「チャップリンの笑いの裏には必ず残酷が隠れている」 を、『相棒』に度々登場する “皮肉なハッピーエンド” や “苦笑のバッドエンド” に重ねたように思う。
あとがき
まさか、第4話で「シン特命係」を使いこなしたエピソードが登場するとは思いませんでした。
若干の粗さはありますが、黄全体の仕上がりが良いので不満無し。
「泣ける結末」も、あざとくなくて良かったです。
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