アトムの童 (第3話・2022/10/30) 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『アトムの童』
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第3話『銀行からの使者』の感想。
隼人(松下洸平)が那由他(山崎賢人)とアトム玩具でゲームを作り始める中、海(岸井ゆきの)の元上司の銀行支店長・小山田(皆川猿時)が融資額のうち3千万円を1カ月以内に返すよう要求してきた。海は、会社売却を提案する財務顧問の鵜飼(林泰文)を押し切って資金集めに奔走。この窮地を救おうと那由他と話した隼人は、開発者支援を行うパブリッシャーの晶(玄理)を連れてくる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:神森万里江(過去作/ラヴソング、相棒シリーズ、この恋あたためますか)
脚本協力:畠山隼一(過去作/大阪環状線シリーズ、世にも奇妙な物語21) 第2,3話
兒玉宣勝(過去作/PTAグランパ!゙、闇芝居 第8期) 第2,3話
演出:岡本伸吾(過去作/インハンド、病室で念仏を、この恋あたためますか) 第1,2話
山室大輔(過去作/天皇の料理番、グランメゾン東京、テセウスの船) 第3話
大内舞子(過去作/この恋あたためますか、TOKYO MER)
多胡由章(過去作/美味学院、TAXMEN)
音楽:大間々昂(過去作/地味にスゴイ!校閲ガール、ファイトソング、マイファミリー)
ナレーター:神田伯山
※敬称略
1年の時間経過で、今作が描くことの方向性が明瞭になった
冒頭でいきなりの “1年の時間経過” があるとは思わなかった(驚)
この構成で分かったことは、今作がゲーム開発やアトム玩具の立て直しよりも、アトム&ジョン・ドゥ VS SAGASU陣営に主軸を置いて今後が進んで行くことだ。
要するに、アトム陣営が50年余の “ものづくりのプライド” を懸けて、ゲーム業界で大企業と覇権争いに挑むドラマってことが明瞭になったわけだ。
個人的にはもう少し “ゲーム制作” の部分に焦点を当てるのかと思っていたから意外といえば意外だが、『日曜劇場』ファン層を考えれば、必要以上に分かり難い “ゲーム制作” を描くよりも…
中国の古い兵法書『三略』のことば「柔よく剛を制す」から転じた「小よく大を制す」が指すように、精神的にも技術的にも “小さい者でも柔軟に立ち向かえば大きな者を倒すことができる” ことを描いた方が、放送枠的にも合致すると考えたのだろう。
まあ、放送枠の特徴や特性を重んじるのは “固定客(今作的に言えば "ファン")” の心を掴むには正しいと思う。
もう少し隼人がゲーム開発にかかわっているように描けば…
私としては上記のことを “日曜劇場のファン” として一定は納得しているが。
やはり「ゲーム開発のドラマ」なのだから、せめてゲーム開発に直接携わっているのが那由他(山崎賢人)だけでなく、‘ジョン・ドゥ’ として隼人(松下洸平)も積極的に参加しているようには描いて欲しいと思う。
現状では、那由他の “ファン” 的な存在になっており、ちょっともったいないなと。
とはいっても、ダブル主人公やダブル主演ではないから、那由他がメインなのも納得してはいるが…
「アトム玩具の立て直し」以外のネタが多いのは気になる…
いろいろ思うところはあるが、何とか納得しているように書いてはいる。
でも、今一つ解せない部分もある。
それは、主人公とその仲間たちがやろうとしているのが、時代の変化についていけなくなった老舗おもちゃメーカーが、更に火事によって大損害を被ったことによる「アトム玩具の立て直し」なのに…
過去の興津社長(オダギリジョー)との因縁や、銀行融資の返済による経営危機など、ちょっと脇道に逸れたところで騒動を作っていること。
ただ、今回から『天皇の料理番』、『グランメゾン東京』、『テセウスの船』などを手掛けた山室大輔氏の演出になって、『日曜劇場』らしい “おじさんキャラのどアップ” や “これ見よがしの焦らし” などが復活したせいもあって、映像的には、より “らしく” なったのは間違いない。
もちろん、評価も好みも分かれるところだが…
少しづつ"日曜劇場らしさ"を構築しているのかも知れない…
それでも、終盤近くでは “救世主” が現れて、≪奇跡的な展開≫になるが、この辺も実に “日曜劇場らしさ” を感じたし…
ラストでの「データ消滅」について、仕事でパソコンを使っているなら今どき “バックアップ” は当然やってるはずだし、消去されたとしても履歴等で犯人の目星は付くだろうから、≪分かり易いスリリングな騒動≫も、正に “らしさ”) だ。
この辺りを含めて、少しずつ “日曜劇場らしさ” を作り上げているのかも知れない。
あとがき
「みんなで一緒に ここを乗り越えたい」なら、アトム玩具には長きにわたって “熱烈なファン” がいるのだから、カプセルトイの造形師や ‘ジョン・ドゥ’ も揃っているのだから、クラウドファンディング “も” やって、5,000万円の足しにしても良かったと思います。
そういうのを描いてこそ、今回で描かれた一連のエピソードが、那由他の「俺はアトムのファンです」に帰着したとは思います。
決して、面白くないとは思いませんけど、もっと他の手もあったなぁと思うので、次回に期待します。
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