クロサギ(2022) (第2話・2022/10/28) 感想

TBS系・金曜ドラマ『クロサギ(2022)』
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第2話『契約の罠!カード詐欺の闇を喰う』、詐欺『出合わせ屋詐欺』の感想。
原作となった漫画・原作・原案:夏原武/作画:黒丸「クロサギ」は、未読。
2006年4月期に同枠で山下智久さん主演で放送された「クロサギ」は、鑑賞済み。
探偵の川中(新納慎也)に「好きな人と出会わせる」と言われ契約を結んだ被害者・美知留(八木莉可子)から話を聞いた黒崎(平野紫耀)。一方、氷柱(黒島結菜)は、自分の住むアパートの大家が父(船越英一郎)の詐欺被害で知り合った黒崎だと知り、名前も偽名だったことに衝撃を受ける。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:漫画・原作・原案:夏原武/作画:黒丸「クロサギ」
脚本:篠﨑絵里子(過去作/クロサギ2006、朝ドラ「まれ」、竜の道 二つの顔の復讐者)
演出:田中健太(過去作/半沢直樹、陸王、下町ロケット、マイファミリー) 第1,2話
石井康晴(過去作/花より男子シリーズ、逃げ恥、ドラゴン桜2、オールドルーキー)
平野俊一(過去作/インハンド、TOKYO MER、日本沈没、マイファミリー)
音楽:木村秀彬(過去作/小さな巨人、ブラックペアン、グランメゾン東京、ドラゴン桜2、DCU、オールドルーキー)
主題歌:King & Prince「ツキヨミ」
感想の前に、二つだけ言いたいこと…
感想を書く前に一言だけ。
私が “ジャニーズ俳優推し” なのは認めるが、基本的にそのことで作品の評価を曲げることはないし、見たくもない作品を見て褒めることはしない。
それは、この秋ドラマで毎日ジャニーズ俳優たちが出演している連ドラがあるくらいの “ジャニーズ俳優推し” のシーズンなのに、目黒蓮さんが今後出演予定の朝ドラ『舞いあがれ!』と今作しか感想を書いていないことからも明らかのはず。
従って、今作も色眼鏡を賭けてみるようなことはないことをお断りしておこうと思う。
もう一つ、お断りしておきたいのは、基本的に原作に対してと同様に、リブート作品であろうと以前に制作された同じ原作の映像作品とは比較しない立場であること。
是非とも、この二つはご理解いただきたい…
今作で描くべきことが、第2話で出来ていたのか?
さて、本題。
第1話の感想に書いた通り、知る人ぞ知る… 詐欺師を騙す詐欺師 “クロサギ” の話だ。
勧善懲悪サスペンスだから、考察マニア向けの引き延ばしも不要で…
とにかく、巧妙な “シロサギ” のやり口と、それに対抗する “クロサギ” の上回る戦術を、いかに視聴者に伝えられるか? が肝になる… と、書いた。
しかし、今作で描くべき大切なことが、もう一つある。
それは、“クロサギ” が “シロサギ” を≪喰って≫、詐欺師技師として成長して本当の敵を探し出し打倒できるかどうか? の、復讐劇的なサスペンスの面白さを引き出すこと。
これが第2話で出来ていたのか? について書いてみる。
決して悪くないが、やや味気ない仕上がりになったような…
第2話も、第1話同様に、全体的には “勧善懲悪サスペンス” らしさに “人情系” が加わっており、決して悪いとは思わない。
ただ、第1話で感じたような “ワクワク感” が足りずに、やや味気ない仕上がりになったのが残念)だ。
その理由は簡単で、大きく二つある…
クロサギの "勝ち方" が第1話と同じ "振り込ませる手口"
一つ目は、クロサギの “勝ち方” が第1話と同じで、シロサギに “振り込ませる手口” だったことだ。
もちろん 、“令和4年らしさ” を今作に組み込むなら、偽装口座に振り込みするのは今風で悪くないが、流石に始まったばかりの連ドラで早くの2回連続で同じというのは、ちょっと…
やはり、クロサギらしい “あの手この手” を描いて欲しかった。
最大の見せ場が意外にあっさりしてしまった…
二つ目は、“令和4年のドラマらしさ” を意識過ぎたからこそ、陥ってしまった “失敗” ともいえるかもしれない。
それは、今作の最大の見せ場であるべきの、“クロサギ” が “シロサギ” を≪喰う≫場面が、意外にあっさりしてしまったことに尽きる。
何となく、‘クロサギ’こと黒崎(平野紫耀)が今回の‘シロサギ’である探偵の川中(新納慎也)を≪喰う≫場面が今一つ盛り上がりに欠けたように感じてしまったのだ。
これは、夕幻荘・101号室の独居老人である天野(津嘉山正種)が被害にあった宅食サービス詐欺を含めて、全編で「銀行振込」を描き過ぎてしまってから、最大の見せ場である黒崎の “振り込ませ” が際立たなかった… と思う。
必要以上に "警察の捜査" を描くと、本来の面白さが…
更に、前述の “令和4年のドラマらしさ” を意識過ぎて、考察ドラマや謎解きドラマっぽく仕立てようとした結果、必要以上に “警察の捜査” を描いて、過剰に緊迫感を加味したのが原因だと推測する。
良く考えれば分かることだが、勧善懲悪モノで、“クロサギ” が “シロサギ” を≪喰う≫場面が最大の見せ場なのだから、過激に言っちゃえば、探偵の川中や黒崎が警察に逮捕されるかどうかなんて、どうでも良いのだ。
要するに、悪い輩を “もっと悪い輩” が騙して面皮を剥(は)いでダメージを与えると場面が、ドラマチックになっていれば良い… ってこと。
例えば、勧善懲悪モノで悪人が悪人を裁くドラマのお手本として『必殺仕事人シリーズ』を思い出して欲しい。
『必殺シリーズ』も、仕事人たちが奉行らに捕まることを恐れて “裏稼業” になっているが、決して奉行らの動きを強調しない。
あくまでも「捕まらないように極秘裏に殺(や)る」ことを集中して描いているのだ。
だから、今作も必要以上に警察の動きを描くと、ただの復讐劇と刑事ドラマになってしまう可能性がある。
ここは何とか、第3話からでも間に合うから、軌道修正して欲しい…
あとがき
大好きな『クロサギ』のリブート作品なので、敢えてもう一言。
黒崎の過去が今作の “縦軸” で重要なのは分かりますが、まだ始まったばかりで “縦軸” を印象付ける展開にしちゃうと、復讐劇の方が強めになって、今の≪喰う≫が薄まると思います。
全体のバランスを精査するだけなので、是非ともやって欲しいです。
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【これまでの感想】
第1話
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