エルピス―希望、あるいは災い― (第1話/初回15分拡大・2022/10/24) 感想

関西テレビ制作・フジテレビ系・新 月10ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』
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第1話/初回15分拡大『冤罪とバラエティ』の感想。<
元人気アナウンサーの恵那(長澤まさみ)は路上キス写真でエースの座から転落、現在は深夜の情報番組を担当している。ある日、恵那は番組の若手ディレクター・拓朗(眞栄田郷敦)に10年近く前の連続殺人事件で犯人とされる死刑囚が冤罪の可能性があり、真相を追求するために力を貸してほしいと頼まれるが、それを一蹴。拓朗は報道局の敏腕記者・斎藤(鈴木亮平)を頼る。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:渡辺あや(過去作/火の魚、朝ドラ「カーネーション」、ロング・グッドバイ)
演出:大根仁(過去作/湯けむりスナイパー、モテキ、ハロー張りネズミ、共演NG)) 第1話
下田彦太(過去作/農家のミカタ)
二宮孝平(過去作/共演NG)
北野隆(過去作/半径5メーtル)
音楽:大友良英(過去作/あまちゃん、いだてん、しもべえ)
主題歌:Mirage Collective「Mirage」
プロデューサー:佐野亜裕美(過去作/99.9-刑事専門弁護士-、カルテット、大豆田とわ子と三人の元夫)
※敬称略
関テレ制作ドラマの "起死回生の本気度" が見えたような
「期待度」の投稿に “この放送枠に期待をしても騙されるだけなので期待しません。第1話の感想すら書かないかも…” と書いた通り、第1話だけ見て終わろうと思っていたから、一切の番宣も見ずに第1話に臨んだ今作。
漏れ伝え聞くところによると、関テレ制作・フジ放送の連ドラが、火曜夜10枠、9時枠から、月曜夜10時枠に移行してから、『アバランチ』(2021)と『ドクターホワイト』(2022)はそこそこ視聴率を取ったが、次の恋バナの2作品が連続くして視聴率を稼げなかったため、火曜日時代の路線に戻すのではないか? との噂があった。
そのことは既に、2023年1月期に草なぎ剛さんが「復讐シリーズ」の最新作で戻ってくることからも明らかだ(情報源)
従って、今作が路線変更、いや私にとってはある種の原点回帰として成功すれば、偉そうに言うが、私のこの放送枠への信頼感も復活するというわけだ。
主人公が騒動に巻き込まれるまでのアバンタイトルが秀逸
早速、今作、第1話の感想。
スキャンダルで落ち目になったアナウンサーが、同僚たちと共に連続殺人犯の犯人とされる死刑囚の冤罪疑惑を追う社会派エンターテインメント作品のようだ。
冒頭からナレーション三昧で説明ばかりが続いたため、そろそろ離脱か… と思い始めた12分過ぎ、「チェリー」ことヘアメイクの大山さくら(三浦透子)が拓朗(眞栄田郷敦)にICレコーダーの録音を聞かせるシーンから一気に物語が動き出した。
そこから、卓朗が主人公・恵那(長澤まさみ)を騒動に巻き込むまでの約20分間のアバンタイトルが秀逸だった。
拘りのスタッフと曲者俳優陣で、挑戦的なオリジナル脚本
スタッフは、『カルテット』(TBS/2017)や『大豆田とわ子と三人の元夫』(関テレ制作/2021)などを手掛けたプロデューサー・佐野亜裕美氏をはじめ、脚本は朝ドラ『カーネーション』(NHK/2011後期)の渡辺あや氏、演出は『モテキ』(テレ東/2010)などの大根仁氏など、個性派揃い。
また、独特なカメラワークを見て気づいた撮影監督は、携帯キャリアKDDI auの「三太郎シリーズ」など大手企業CMやMV、映画の撮影を手掛ける重森豊太郎氏で、彼らしい小型カメラを使用した個性的な映像が今作でも生かされていた。
更に主題歌は、『大豆田~』の主題歌の作編曲・プロデュースを担当して一躍有名になったSTUTS(スタッツ)氏が音楽プロデュースを手掛ける音楽集団・Mirage Collective(ミラージュ・コレクティブ)の新曲「Mirage」が採用されている。
まあ、これだけ拘りの強いスタッフを集めた上で、俳優陣も個性派が集結し、ドラマで扱うネタが “冤罪” と “マスコミ” のオリジナル脚本だから、相当チャレンジングな作品を作ろうとしているのは伝わって来た。
この手の作品こそ、恋バナ以上に好みが分かれる作品になる
こうなると、「ドラマの質≠視聴率」なのだが、やはり依然と視聴率主義ははびこっているのがテレビ業界で、これだけ挑戦的な内容だと、視聴者にとっては一点突破でも良いから “俳優目当て” でも何でも良いから 「ここが見たい!」がないと、つらいものだ。
従って、この手の作品こそ、恋バナ以上に好みが分かれる作品になる。
ただ、勝手な意見を言わせていただけば、私のように離脱する気満々で見始めた視聴者でも最後まで釘付けになったのだから、ひょっとしたら? が、ある可能性はあると思う。
関テレドラマの本気度を見たような気がして嬉しくなった…
私としては、『トラベルナース』(テレ朝/2022)と並ぶくらいに、今期の連ドラの第1話では引き込まれた。
脚本が主演の長澤まさみさんの “当て書き” であることも功を奏しているが。
何より良いのは、「耳が…」とか「寮母が…」とか「霊媒師が…」などのウケ狙いの奇を衒った設定を用いておらず、民放ドラマでは扱いにくいであろう、あらゆることの「“正しいこと” の危うさ」に真っ向から焦点を当てた骨太の社会派エンターテインメントになっていること。
脚本や演出を始めとしたスタッフはもちろん、俳優さんたちもマジで挑戦しているのが伝わって来ただけでも、捨て鉢で見てみた甲斐があるというものだ。
ようやく、関テレ制作のドラマの本気度を見たような気がして嬉しくなった…
あとがき
最近のドラマに慣れている人たちには重厚過ぎるでしょうね。
でも、私はいつも話しているように映像作品については “テーマ主義者” なので、明確なテーマの提示がある作品は応援したいです。
それにしても、岡部たかしさんは、今年だけでも『明日、私は誰かのカノジョ』(毎日放送/2022)、『空白を満たしなさい』(NHK/2022)、『夜ドラ あなたのブツが、ここに』(NHK/2022)などアタリ作品が多い!
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