アトムの童 (第2話/15分拡大スペシャル・2022/10/23) 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『アトムの童』
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第2話/15分拡大スペシャル『敵はかつての親友』の感想。
那由他(山崎賢人)は、「アトム玩具」を継いだ海(岸井ゆきの)らと新ゲーム開発に挑むが、世界観を考える作業に苦戦する。海は、かつて‘ジョン・ドゥ’として共にゲームを作った隼人(松下洸平)に相談するよう提案。だが、隼人が因縁のある興津(オダギリジョー)の会社「SAGAS」に勤めているため、那由他は断固拒否する。那由他と海は他の相談相手を探してゲーム制作イベントに出向くが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:神森万里江(過去作/ラヴソング、相棒シリーズ、この恋あたためますか)
脚本協力:畠山隼一(過去作/大阪環状線シリーズ、世にも奇妙な物語21) 第2話
兒玉宣勝(過去作/PTAグランパ!゙、闇芝居 第8期) 第2話
演出:岡本伸吾(過去作/インハンド、病室で念仏を、この恋あたためますか) 第1,2話
山室大輔(過去作/天皇の料理番、グランメゾン東京、テセウスの船)
大内舞子(過去作/この恋あたためますか、TOKYO MER)
多胡由章(過去作/美味学院、TAXMEN)
音楽:大間々昂(過去作/地味にスゴイ!校閲ガール、ファイトソング、マイファミリー)
ナレーター:神田伯山
ジョン・ドゥのルーツと興津とのヒストリーのエピソード0
「展開が早過ぎる」、「海社長が図々しい」、「爺さんズって何やってるの?」的な声が聞こえた来そうな『アトムの童」の「第2話/15分拡大スペシャル」。
第1話が主人公・那由他(山崎賢人)とアトム玩具の新社長・海(岸井ゆきの)の “奇跡の出会いのストーリー” で、そこに登場しなかった今作の “もう一人のキープレーヤー” である<ジョン・ドゥ>のピース、隼人(松下洸平)を主人公たちに絡めさせて、那由他と隼人の人物描写を更に掘り下げたのが、この第2話。
具体的な内容は、<ジョン・ドゥ=那由他+隼人>のルーツと、<ジョン・ドゥ>とSAGAS興津社長(オダギリジョー)のヒストリーを遡って描いた前日譚(エピソード0)である。
従って、スピンオフ的な意味合いも出てくるから、個人的には15分拡大無しに収めて欲しかったというのが本音。
もちろん、物語全体の方向性については納得しているし、良かったと思っている。
だって、今作は当初から「ゲーム業界を舞台に、若き天才ゲーム開発者が大資本の企業に立ち向かい成長していく姿を描く」とされていたのだから、<ジョン・ドゥ>が第2話で再結集したっておかしくないし、むしろ第2話で再結集したのだから、残りで何を描くのか期待が高まったくらいだ。
私が好きな演出"2選"
さて、今回も、私が好きな演出があったから、そこをご紹介したい。
53分頃、那由他と隼人の歩道橋(中央区日本橋・竜閑さくら橋)の上でのやり取りで、隼人が「ここまで来て 俺 引き返せねえわ」と言った後の那由他のバストショットの背後を、JR中央線快速が走る場面。
「演出の掟」の話は省略するが、中央線も隼人も画面の右から左に移動するから “マイナスイメージ” だが、この直後の隼人は今後は画面の左から右に移動するため “プラス思考” になっていることから、この先の “契約破棄” が暗示されるといった演出だ。
電車の通貨音に最後はエコーが掛かって印象的な決別のシーンに仕上がっていると思う。
もう1か所は、55分頃の那由他がゲームセンター前を歩くシーンから回想シーンを経由して、SAGASUのオフィス、そしてゲーセン内まで繋がる約5分にわたる一連のシークエンス。
現在の那由他と、<ジョン・ドゥ>と公哉(栁俊太郎)の3人が合成されて時間を巻き戻し、対戦型格闘ゲーム『ストリートファイターII』(ストリートファイターツー)を軸に、ゲームでの戦い方と人生の向き飼い方を重ねて描く場面だ。
私は隼人が言っていた≪ストIIも やったことないような人≫の一人だが(汗)、ちゃんと『ストII』での対戦攻略術が人生にも生かされることが伝わって来た。
この辺は、ゲームをやらない人にも楽しめるドラマとしての工夫を感じる。
この工夫を爺さんズがやっていることについても対応すれば、もっとドラマの深みは増すと思う。
森田店長の登場が唐突過ぎて物語の流れが止まってしまった
あとは、ちょっと、まあ多くの人は気にならないと思うが、私は気になったので書いてみる。
それは、24分頃、それまでのシーンに “居ない” ネットゲームカフェ「MOCCHO CAFE」の店長・森田(岡部大(ハナコ))が登場し、海が因縁について聞き出そうとする場面だ。
明らかに、流れが止まっている。
これ、解決策はいろいろあるが、最もガッツリとやっちゃうなら、序盤の「ゲームジャム」の会場で海が隼人から「働き蟻」のことを聞いた直後に、隼人に過去の話を聞き出す場面を入れて、回想シーンを挟み、森田の話から再び回想に戻れば良いだけ。
やはり、時間軸をやたらと前後させるのはテンポが悪くなるだけでなく、分かり難くなるから、ここは王道の構成にした方が良かったと思う。
「SAGASUはアトム玩具の持っている特許が欲しい」のでは?
もう1つ気になったのは、前回で描かれたことが…
例えば、SAGASUはアトム玩具の持っている特許が欲しいとされていたのに、今回は? である。
これによって、興津の立ち位置というか、やろうとしていることの意図がぼやけてしまった。
だって、金儲けできるゲームを作りたいだけなら、アトム玩具と戦う必要が見えないのだから。
それこそ、2人組の<ジョン・ドゥ>でなくても契約するなら、一体何をしたいの? ってこと。
そして、終盤にあったようにゲーム「ダウンウェル」が<ジョン・ドゥ>制作でなくても良いなら、2人と興津の因縁も必要なくなってるし。
前述のように、私は今作を面白いと思って見ているから好意的に脳内補完しているが、そうでない人は大風呂敷が広がっているばかりで、方向性すら見えなくなっている可能性がある。
やはり、もう少し主人公がやりたいことだけでも明瞭にした方が良いと思う。
あとがき
今回を見て率直に思ったのは「第1話は必要だったのか?」です。
アトム玩具が経営危機に陥って、新社長が再起するために<ジョン・ドゥ>を探すって部分を今回に足せば良かったのでは?
それと、なぜ、今回から脚本協力が2人も追加???
でも、俳優さんたちの演技も良いし、まだまだ期待しています。
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【これまでの感想】
第1話
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