ザ・トラベルナース (第1話/初回10分拡大・2022/10/20) 感想

テレビ朝日系・木曜ドラマ『ザ・トラベルナース』
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第1話/初回10分拡大・ラテ欄『エリート医師を脅す嘘つき看護師!? 最強ナースコンビ誕生!!』の感想。
一定の医療行為が可能な看護資格を手に米国内を渡り歩いた‘トラベルナース’の歩(岡田将生)は、天乃(松平健)が院長を務める病院へ。同院は人手不足で、看護部長の塔子(寺島しのぶ)も疲弊していた。そんな中、天乃は転院してきた議員・一ノ瀬(津田篤宏)の執刀をスター外科医の神崎(柳葉敏郎)に一任。術中、異変に気付いて中止を訴え、手術室を出された歩の前に、九鬼(中井貴一)が現れる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:中園ミホ(過去作/ドクターX 1,2,3,4,6,7)
演出:金井紘(過去作/ラジエーションハウス1,2、信長協奏曲) 第1話
片山修(過去作/相棒シリーズ、家政夫のミタゾノ4、ドクターX 7)
山田勇人(過去作/ドクターX 3,6,7)
音楽:沢田完(過去作/ドクターX 1,2,3,4,5,6,7)
主題歌:DISH//「五明後日」
ナレーター:遠藤憲一
エグゼクティブ・プロデューサー:内山聖子(過去作/ドクターX大門未知子6,7、妖シェアハウス1,2、七人の秘書)
※敬称略
"残り物には福がある" が現実に!
あまり期待度の高い作品が揃わない今期の連ドラの中で(も?)、幾つかある医療ドラマの中では最も期待度が高かったのが今作。
予想通りに次々と医療ドラマから離脱して最後に残ったのが、この『ザ・トラベルナース』で、まさかこれほどまでに “残り物には福がある” が現実になるとは思わなかった。
アメリカで「NP=ナース・プラクティショナー:診療看護師(日本には無い資格)」として働いていた優秀な看護師である主人公は、プライドも意識も高く、物怖じしないちょっと感じの悪い若きトラベルナース。
彼は未だ “看護師は医師のもとで働くべし…” の旧態依然の日本の病院へ帰国。
すると、同僚には圧倒的スキルを持つトラベルナースが現れて…
こんな話のようだ。
アバンタイトルから、ツカミはオッケー!
ご存じの通り、脚本、演出、音楽など、ほぼ大人気医療ドラマシリーズ『Doctor-X 外科医・大門未知子』のスタッフで、設定も “フリーランスの看護師” だから、似た雰囲気になるのは当然であり、むしろ作り手としては “敢えて狙った企画” ではないかと思う。
まずは、アバンタイトルから、お約束の「突然、急病人が出て助けちゃう」くだりつが始まるだけで、もう、ツカミはオッケーだ。
あとは、主人公・那須田歩(岡田将生)と、“相棒” になるであろう九鬼静(中井貴一)のキャラ設定、並びにドラマ全体の設定を描くだけ…
前半30分間は、華麗にきれいにまとめ上げた!
ここも “華麗に” と褒めたいくらいに、「間食はしない主義なので」まで鮮やかに “30分” できれいにまとめた。
歩と静のスキルを見せるだけでなく、病院全体の人脈のピラミッド構造、脇役たちの個性、舞台設定まで、 “30分” がまるで “総合カタログ” のような秀逸さ。
更に、『ドクターX』の「神原名医紹介所」的な “憩いの場” として、看護師寮「ナースハウス」が設置され、寮母・土井たま子 役にドラマ『妖怪シェアハウス』(テレ朝/2020,2022)でシェアハウスの管理人を演じた池谷のぶえさんを配置とは恐れ入った(先日の寮母ドラマとは雲泥の… 自粛)
"中村主水"を彷彿させる、中井貴一さんの"九鬼静"が秀逸!
前半の30分で “総合カタログ” を見せちゃったら、残りの時間は “本日のおすすめコーナー” を見せるだけだ。
良く作り込まれているのは、中井貴一さん演じる “九鬼静” のキャラ設定。
普段は医師に歯向かうことはしないし、同僚にも意見をすることはしないが、いざって場面では痛烈な一言で一刀両断。
掴みどころのないおじさんに見えて、ここぞの時には… は痛快時代劇『必殺仕事人シリーズ』(テレ朝/1979-1981)などの “中村主水” を彷彿させた。
いや、表家業と裏稼業の色分け然り、医療現場改革的には、現代の医療版『必殺仕事人』なのかも?
「トラベルナース」や「NP」を知ってもらうのに最適ドラマ
それにしても、「トラベルナース」や「NP」など、まだまだ一般的でない看護師資格を取り上げるのはスゴイこと。
看護師の妻からの受け売りだが…(汗)
「トラベルナース」は、就職サイトでは「応援ナース」、「応援看護師」と呼ばれて、「新しい看護領域をチャレンジしたい」、「いろんな土地でレジャーを楽しみながら働きたい」、「特定の地域医療を応援したい」、「短期で稼ぎたい」などの希望が叶えられるとして、最近注目されている働き方。
また「NP」は、日本看護協会では2040年が超高齢化社会のピークとしており、そこまでは医師不足が問題視されており、急に医師を増やせないから日本の看護師にも「NP」の資格を作りましょう… なんて、日本看護協会がやっと2年ほど前から動いてるくらいに遅れている… らしい。
だから、この二つを同時に、しかも、2018年統計で 7.8%しかいない男性看護師(情報源)を “イケメン” と “イケおじ” のナースで描いて、更に特権階級意識の高い医師たちをギャフンと言わせる… まで、プロットを考えただけでお見事と拍手を送りたい。
満足&納得の第1話
それにしも、中井貴一さんのコミカルな演技は本当に楽しい。
そこに、岡田将生さんの真面目キャラの演技も素敵だし。
とにかく、弱点らしきものが、ほぼ無いドラマを久しぶりに見たという感じだ。
「ドクターXのナース版?」程度には期待をしていたが、今期の新作ドラマではナンバーワンの予感がビシバシ!
(まだ、放送が始まっていない作品はあるが…)
満足&納得の第1話。
この配役を見る限り、シリーズ化を狙っている可能性ある。
エピソード次第だとは思うが、期待したい…
あとがき
ふたを開けてみたら、“ほぼダブル主演” ですね。
やはり、演技力と存在感のある俳優さんが揃って、脚本も演出も劇伴もしっかりしていると見ごたえがあります!
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