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アトムの童 (第1話/初回25分拡大スペシャル・2022/10/16) 感想

アトムの童

TBSテレビ系・日曜劇場『アトムの童』
公式リンク:WebsiteTwitterInstagram

第1話/初回25分拡大スペシャル『バカにするなよ!! ゲーム産業へ挑戦!』の感想。



那由他(山崎賢人)はかつて正体不明のゲームクリエーター‘ジョン・ドゥ’として活動していたが、現在はゲーム業界を離れ、自動車整備工場で働いている。一方、銀行の融資課に勤める海(岸井ゆきの)は、老舗玩具メーカーの社長で父親の繁雄(風間杜夫)と、会社の再建案を巡りぶつかり合っていた。ある日、海は繁雄に同行したゲーム・玩具の展覧会会場で那由他と遭遇する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:なし
脚本:神森万里江(過去作/ラヴソング、相棒シリーズ、この恋あたためますか)
演出:岡本伸吾(過去作/インハンド、病室で念仏を、この恋あたためますか) 1
   山室大輔(過去作/天皇の料理番、グランメゾン東京、テセウスの船)
   大内舞子(過去作/この恋あたためますか、TOKYO MER)
   多胡由章(過去作/美味学院、TAXMEN)
音楽:大間々昂(過去作/地味にスゴイ!校閲ガール、ファイトソング、マイファミリー)
ナレーター:神田伯山



私の "期待度" なんて全く当てにならないことに(笑)

若き天才ゲーム開発者が倒産寸前の老舗玩具メーカーと手を組んで、大資本の企業に立ち向かい成長していく復讐&サクセス・ストーリー… のようだ。

「期待度」の投稿でも書いたように、今作を見る前の懸念材料はたった一つ「脚本力の弱さ」だった…

しかし、ふたを開けてみると、私の “期待度” なんて全く当てにならないことに(笑)

脚本に、音楽や落語に通じる "音としての面白さ" がある!

とにかく、まず脚本が良い。

特に、序盤での海(岸井ゆきの)と父親の繁雄(風間杜夫)の会話が劇に代表されるように、脚本の文章に心地よいテンポがある。

これは言葉で説明するのは難しいが、台詞には音楽の歌詞のように「言葉自体が持つテンポや尺」があって、落語や講談などはそれを活かして話を展開していくわけで、今作の台詞のやり取りには音楽や落語に通じる “音としての面白さ” がある。

それを更に効果的に魅せたのが、台詞の長さと言葉のリズムを大切にした演技指導と俳優陣の演技。

まるで “言葉のキャッチボール” のように相手との “間” を活かしたやり取りになっており、映像的にはカット割りもリズミカルで、会話劇を一層面白く見せた。

常に"映像"で見せよう、伝えようとしているのが分かる演出

映像についてもう少し話すと…

台詞が畳み掛けられるような場面は、敢えて劇画タッチの “寄りと引き” の画を組み合わせた、ノリの良いカット割りでサクッと描き、台詞の “間” を使う場面は “俯瞰のアングル” を挟んで、フィックス(固定)と動的なカメラワークを組み合わせて描いていた。

後者の代表的な場面は、病院で海(岸井ゆきの)が自販機で買い物をしながらの回想シーンがそれに当たると思う。

また、今回のクライマックスと言える那由他(山崎賢人)が6年間手にしなかったゲームをやって早朝に覚醒するシーンは、その直前のアパートのシーンを “雨天” にして、朝焼けを印象付けた。

あれ、“雨天” だから、那由他が白のパーカーのフードを被っているところから、フードを外して金庫からノートを取り出して、ネットゲームカフェに移動して朝焼けに映える展開で、那由他の心情の変化が描けるわけで、“雨天” でなければ薄味なシーンになったと思う。

とにかく、台詞がある場面でも、無い場面でも、“映像” で見せよう、伝えようとしているのが分かる演出になっていたと思う。

進む方向性さえ間違えなければ、久しぶりに大当たりする?

さて、個人的には、『ドラゴン桜(2021年版)』(TBS/2021年4月期)以来、「日曜劇場」では6作ぶりに面白い作品が登場したと感じている。

原作無しの「日曜劇場」では『天国と地獄~サイコな2人~』(TBS/2021年1月期)以来か…

王道の “弱者が試行錯誤して強者に立ち向かう展開” に、今風の “ネトゲ要素” を盛り込んで新鮮味を加えた… ということだろう。

従って、ストーリー展開や演出を含めて既視感はあるものも、オリジナル脚本らしさもあり、俳優陣には意外性もあっても悪くない

いや、進む方向性さえ間違えなければ、久しぶりに大当たりすると思う。

危惧しているのは "どこにフォーカスしていくのか?"

では、「進む方向性さえ間違えなければ」の真意を書こう。

まあ「日曜劇場」のお約束ではあるが、今作も当然に “盛り込みすぎ” なのだ。

恐らく、「因縁 → 復讐 」が基本骨格になっており、そこに様々な肉付けをして描くのだろうが、危惧しているのは “どこにフォーカスしていくのか?” だ。

第1話を見た限りでは、「因縁 → 復讐 」を “やる主人公” は、「那由他」と「アトム玩具」の二つ(1人と1つ)であり、「那由他」と「海」でもある。

今後、どっちにフォーカスしていくのか? それとも、両方を描くのか?
これによって、焦点ボケする可能性を含んでいると思う。

それこそ、「那由他」にフォーカスするなら、第1話から、火事や特許の話を盛り込まなくても、時代遅れで倒産寸前の玩具メーカーが、社の存続を賭けて “業態転換” するために、素性不明の若き天才ゲーム開発者「ジョン・ドゥ」を探す… だけでも成立したわけで…

で、「ジョン・ドゥ」を見つけてネトゲ業界に参入すれば、自然にインターネット検索サービス「SAGAS」も、社長の興津(オダギリジョー)とも対立構造になるのは当然なのだから。

更に、今後はもう一人の「ジョン・ドゥ」である菅生隼人(松下洸平)も絡んで来るから、シンプルに進めた方が良いと思う。

まあ、第1話を見ただけでは今後がどんな仕上がりになるかなんてわかるはずないから、久しぶりの「面白い日曜劇場になりそう!」の感覚を信じて、第2話以降にも期待しようと思う。

あとがき

ご存知の方も多いでしょうが、今作は放送前からゴタゴタがありましたよね。

でも、個人的には「今作もあの人が敵役?」と思っていたので、結果的に今回のキャスティングは新鮮味だけでなく、日曜劇場のマンネリ化からの脱却の意味でも良かったと思います。

 

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内容老舗玩具メーカー“アトム玩具”に、“やよい銀行”融資課の富永海(岸井ゆきの)が融資の説明でやって来る。海を見て、専務の八重樫(でんでん)や、造形師の各務(塚地武雅)は大喜び。“姫”が帰ってきたと。海は、“アトム玩具”の社長・富永繁雄(風間杜夫)の娘だった。不要なモノなどの整理をするよう、父に命じる海だが、父は聞こうとしない。が、突然、繁雄が海を連れ出すのだった。向かったのは、ホビーショー...

アトムの童 #01

『バカにするなよ!!ゲーム産業へ挑戦!』
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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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