ファーストペンギン! (第2話・2022/10/12) 感想

日本テレビ系・水曜ドラマ『ファーストペンギン!』
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第2話『海の男たちと決裂!?"魚の直販"大ピンチ!』、ラテ欄『爽快で感動的な実話をドラマ化… お魚BOX大ピンチ! ママをいじめないで』の感想。
魚の直販事業‘お魚ボックス’が漁協組合長の杉浦(梅沢富美男)の怒りを買い、片岡(堤真一)は漁協に平謝り。めげない和佳(奈緒)は知人から直販注文を受け、魚を仕入れようとするが、杉浦から妨害され、事業の理解も得られない。その様子に片岡の心が揺れる一方で、和佳は仲買人の梨花(ファーストサマーウイカ)に呼び出される。そんな和佳にさらなる難題が降りかかる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
実話:「荒くれ漁師をたばねる力 ド素人だった24歳の専業主婦が業界に革命」坪内知佳(著)
脚本:森下佳子(過去作/義母と娘のブルース、JIN-仁-、ごちそうさん、天国と地獄)
演出:内田秀実(過去作/あな番、恋です!ヤンキー君と白杖ガール) 第1,2話
小川通仁(過去作/恋のから騒ぎドラマ、天才バカボン3)
今和紀(過去作/恋です!ヤンキー君と白杖ガール 第6話のみ)
チーフプロデューサー:三上絵里子(過去作/逃亡医F、ダマせない男、金田一少年の事件簿S5)
音楽:菅野祐悟(過去作/半分、青い。、シャーロックUS,テセウスの船、危険なビーナス、恋はDeepに、日本沈没-希望のひと-)
主題歌:緑黄色社会「ミチヲユケ」
42分過ぎからの「企画の説明」を前回、今回の序盤でやるべきだった…
前回の感想にも書いたが、今作の主人公の実在のモデルである “坪内知佳さん” のことも知っているし、ご本人が書いた自伝的小説も既読だから、映像作品としてこれくらい雑でも、描きたいこと、伝えたいことは理解できるが。
正直、42分過ぎの 片岡(堤真一)が県のお偉いさんたちに「資料の ここ… ここ見てください」からの “主人公がやろうとしていることの説明” を本当なら前回で、少なくとも今回の冒頭で視聴者に提示すべきだったと思う。
要するに、まずは “主人公がやろうとしていることの説明” を提示してから “あれこれ” を描かないと、主人公が何を目指して何をやろうとしているのか全く見えてこないってこと。
もっと本質的に言うなら、42分までのほぼすべてが “表面的な主人公の言動” だけを追って、それに振り回される脇役たちを描いているだけで、何も伝わってこないのだ。
今回の、いや今のところは今作の最大の懸念材料だ。
今の主人公が、次の何に向かって、何をしようとしているのか?
こうやって書くと、「いやいや、主人公が抵抗勢力に必死に頑張って立ち向かって、仲間を増やすために意欲的に駆け引きしてるじゃないか!?」との意見が飛んできそうだが。
冷静になればわかると思うが、劇中で描く仕事や目的や性別は違っても… 「サクセス・ストーリー」の主人公が “抵抗勢力に必死に頑張って立ち向かって、仲間を増やすために意欲的に駆け引きする” のは当然のことでは?
だって、結果的に “成功する主人公” なんだから!
だから、“成功する主人公” を描く “ドラマ” として不可欠なのは、「今の主人公が、次の何に向かって、何をしようとしているのか?」を常に視聴者に提示し、納得させることだと思う。
例えば、女性が主人公のサクセス・ストーリーとして有名で成功した作品と言えば、『わたし、定時で帰ります。』(TBS/2019年)『重版出来!』(2TBS/016年)『これは経費で落ちません!』(NHK/2019年)『地味に凄い!校閲ガール・河野悦子』(日テレ/2016年)などがあるが…
いずれも「主人公が、何を目的として、何を頑張っているのか?」が常に明示されていたから、主人公の言動に感情移入できたと思う。
抵抗勢力が納得、賛成、協力すること=企画が成功なのか?
こうやって「サクセス・ストーリー」の基本的なことを掘り下げると、今作も課題が見えてくる。
それは、和佳(奈緒)が思いついた “企画・提案” が具体的に見えてこないこと。
だから、和佳の言動が思い付きばかりに見えてしまっていること。
そのために、抵抗勢力が反対する理由もわかりづらいから、あたふたしているだけに見えること。
こうやって書くと、今度は「漁協が既得権益を守りたいから、抜け駆けするやつににらみを利かせているのでは!?」と言われそうだが。
もしも、主人公の行動原理が “漁協が既得権益を守りたいから、抜け駆けするやつににらみを利かせているから” だとすると、次の疑問が浮上してこないだろうか?
抵抗勢力が納得、賛成、協力すること=企画が成功なのか?
いや、好意的に解釈したり、今の現実の魚の流通事情を知っているから、「お魚ボックス」が商売的に十分成立することはわかるが、“ドラマ” の中では、何一つ「企画が正しい」とも「企画が成功する」とも不確定なのだ。
だから、本来は、まず主人公自身が、提案した「魚の直販ビジネス」が、“魚を取って漁協に卸すこと” しかしてこなかった漁師にとって “有益なビジネスモデル” であるかどうかを研究・検証する過程や経緯を描くべきだと思う。
それが、「風が吹けば桶屋が儲かる」ような、原因と結果の “因果関係” を説明は難しいとは思うが、そこをすっ飛ばして進めるのは、「サクセス・ストーリー」として最大の面白みを描かないことだと同義だと思う。
もったいない…
あとがき
明確に描かれていませんが、主人公って一応 “元コンサル業” をやっていたのですよね。
ならば、そのコンサル業務を描くだけで良いような。
これでは、漁協と戦う主人公とその仲間たちの話になってしまいませんか。
そもそもの話は、漁船団「さんし船団丸」を率いる船団長から「漁船団の立て直しに力を貸してほしい」と懇願され漁業の世界に飛び込んだのですから、コンサル業に奮闘する主人公をメインに描いて欲しいです…
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【これまでの感想】
第1話
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