連続テレビ小説「舞いあがれ!」 (第6回・2022/10/10) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『舞いあがれ!』
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第6回〔全?回〕/第2週『ばらもん凧(だこ)、あがれ!』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
めぐみ(永作博美)が東大阪へ帰ったことで、舞(浅田芭路)と祥子の二人暮らしが始まる。祥子は、舞が自分のことは自分で出来るようにとしつける。そして、いろんなことに舞を挑戦させる。しかし、舞は洗い物の皿を割ったり、寝坊して学校に遅刻したり、失敗ばかり。祥子はそんな舞を叱ることなく「失敗は悪いことではない」と舞を励まし、出来ないことは次に出来るように。出来ないなら、出来ることを探すようにと助言する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:桑原亮子(過去作/心の傷を癒すということ) 第1,2週
嶋田うれ葉(過去作/朝ドラ「エール」)
佃良太(過去作/星とレモンの部屋)
演出:田中正(過去作/ウェルかめ、ひよっこ、なつぞら) 第1週
野田雄介(過去作/スカーレット、マッサン、六畳間のピアノマン) 第2週
小谷高義(過去作/スカーレット、おちょやん)
松木健祐(過去作/ひよっこ、いだてん、晴天を衝け)
音楽:富貴晴美(過去作/花嫁のれんシリーズ、西郷どん、それでも恋する)
主題歌:back number「アイラブユー」
語り:さだまさし
制作統括:熊野律時(過去作/おちょやん)
管原浩(過去作/これは経費で落ちません!、いいね光源氏くんシリーズ)
※敬称略
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
冒頭 "約1分間のおさらい" の編集が見事
あがだ、お元気と? おいが管理人の “みっきー” です!
(皆さん、お元気ですか? 私が管理人の “みっきー” です!)
アバンタイトル、特に冒頭 “約1分間のおさらい” の編集が見事だ。
「土曜日版」を見た人ならわかると思うが、第1週の「土曜日版」は “ほぼダイジェスト版” だったから、あれもこれも残してほしかったのに… とのプチ欲求不満が残った。
しかし、今回のアバンの “約1分間のおさらい” は、たいへん満足だ。
なぜ、15分間の「土曜日版」より満足感があるのかといえば、一言、第5回のラストにあった次のナレーションにヒントがある。
N「よく知らない島で よく知らないおばあちゃんと 2人きり。
果たして どんな毎日が待っているのでしょうか」
そう、1分間の編集が、舞(浅田芭路)と母・めぐみ(永作博美)の関係性よりも、舞と祖母・祥子(高畑淳子)との関係性を重視した編集になっており…
第1週、そして今週で描こうとしている方向性として、「よく知らない島で よく知らないおばあちゃんと 2人きりの毎日」を明確に示したからだ。
このことが顕著にわかる編集が、次の舞の台詞の時だ。
舞「お母ちゃん 私に ここに残ってほしいと思てる」
先週では、めぐみがフェリー船のタラップを歩いて乗り込むカットのあとに台詞があったのに、今回は台詞の中にインサートカットとして挿入されていた。
このことで、物語が第2週に向けて、演出意図が「舞とめぐみ」から「舞と祥子」にシフトしたことがわかる。
「六畳間のピアノマン」で秀逸なアバンを作った野田氏の演出
この編集を見て気がついた…
ディレクターが野田雄介氏に交代したな? と。
それは、今作の演出チームに、『六畳間のピアノマン』(NHK/2021)のメイン監督だった野田雄介氏が加わっているからピンと来たのだ。
それは、『六畳間のピアノマン〔全4回〕 (第3話・2021/2/20) 感想』を読んでいただけると良くわかるが、野田氏は “視聴者を先が見たくなる気持ちにさせるアバンが秀逸過ぎ” たからだ。
知らない人のためにちょっと話すと『六畳間の~』は全4回でオムニバス形式のドラマだったから、連ドラで間違いないが、厳密にはつながっているようでつながっていない… のだ。
そこを、全4回の折り返し地点の第3話のアバンで、見事に前2回をまとめて見せたのが、私の脳裏に今でも鮮明に残っているから「野田雄介氏に交代したな?」と直感したのだ。
"約2分10秒" のアバンタイトルで最も褒めたいのは…
更に今回のアバンで褒めたい部分がある。
それは脚本と演出で、“先週のおさらい” から自然な流れで “ばらもん凧” を経由して「主人公と空」の関係性を印象付けた上に…
この先で描かれることは、公式サイトにある ≪空を見上げて飛ぶことをあきらめないヒロインの物語≫ であることも強調することに成功したからだ。

©NHK
その意図がわかるのが、舞が一太(野原壱太)から借りた “ばらもん凧” を落下させてしまい、がっかりした表情の舞のアップで、メインタイトルにつなげた流れ。
これによって、みんなが思ったと思う… 「先が見たい…」、「舞ちゃんを応援したい…」と。
“約2分10秒” のアバンで、ここまで内容を凝縮して伝え、更に本編に訴求するのはお見事と言って良いと思う。
今作のキャラには"学び""躾(しつ)け""思いやり"の心がある
小学三年生の舞が “岩倉” と漢字で書かれたシールを貼ったマイ電子体温計で朝から検温しているという… どこか切なくむなしいカットから始まった主題明け。
五島から一人で大阪の自宅に帰って来ためぐみと夫・浩太(高橋克典)とのやり取りも良かった。
めぐみ「お母さんがな しばらく 舞から離れた方がええて。
(ため息)そうかもて 思てしもた」
浩太「めぐみが悪いんやない」
フィクションの登場人物に対して言うことではないかもしれないが、どの朝ドラと比較したのかは別にして、今作の登場人物たちには “学び” や “躾(しつ)け” や “思いやり” の心がある。
決して舞が「まさかや~! うちがせっかく会いに行ってあげたのに、うちに<お母ちゃんが帰れ>だって?」なんて、口が裂けても言わない作風だ(苦笑)
そして、今作にあるのは…
祥子「こん島では 自分のことは自分でやる」
某四兄妹に祥子の爪の垢を煎じて飲ませたかったほど。
まあ、たったこれだけのことだが、朝から “ちむわじわじー” しなくて済むのは嬉しいことだ(笑)
「こういうのが朝ドラで見たかった」のオンパレード
一言でいうなら、当たり障りのない第2週のスタートだ。
とにかく、徹底的に丁寧に “家族” を描いている。
主人公が成長して夢を叶えるサクセスストーリーとしても、家族を描くホームドラマとしても、「こういうのが朝ドラで見たかった」のオンパレードである。
夜、ペンダントライトを消すのに延長された紐をちょっとだけ背伸びをするとか、お母ちゃんのぬくもりが残っているだろう布団を愛おしく思うとか、寝坊してパジャマ姿のまま家中を歩き回るとか、前髪ボサボサで投稿して、水道の水で直したりとか。
"共感力"の強さは半年間も毎朝見続ける朝ドラには必修科目
まあ、今回の学校でのエピソードは少々 “?” と思ってしまったが、子どもたちの茶化し合いだろうし、先生もいるし。
こんなところまで、流行りの “○○警察” のごとく「誤解を招く表現では?」なんて粗探しを始めたらキリがない。
それに、今回の五島弁かるたの一件は、次の舞の台詞に重要なフックになっていた。
舞「私な 何やっても うまいことでけへんねん」
あの一件があったから、“しょげた舞” がみじょか(可愛らしい)く見えるし、多くの視聴者が次の祥子の心情、子育て論とシンクロしたのではないだろうか?
祥子「できんことは 次 できるようになれば よか。
そんでな できんなら できることば探せば よかとよ」
この辺の “共感力” の強さは、毎朝、半年間も見続ける朝ドラには必修科目のようなもの。
どうか、このまま続いて欲しいと願うばかりだ。
第2週までを"起点"として、今後をじっくりと楽しむべき!
さて、もう少しだけ深掘りしてみよう。
いよいよ「よく知らない島で よく知らないおばあちゃんと 2人きりの毎日」が始まったのは前述の通り。
母親からの自立の第一歩を踏み出した主人公だが、友だちの大切なものを壊してしまうし、自分のミスで寝坊して遅刻もしちゃうし、慣れない五島弁だからうまくは言えずに… を描いた今回。
そして、この “しょげた舞ちゃん” である主人公は当然のこと、主人公に影響を受ける周囲の人間関係の “変動” による歩みや経緯を描いていくことこそが、今作の “命題” であり “核心” だろう
だから、むしろ第2週までを “起点” として、粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくることはせずに、今後をじっくりと楽しむべきだと思う。
あとがき
「無理に学校に行かせる必要ある?」とか「方言がいえないから笑うのはイジメでは?」とか、先週の「不登校児への学校の対応が変?」なんて意見がネットに挙がっていますが…
※実は、非公開希望コメントでも届いてますよ(困)
そんなのと言っては語弊があるかもしれませんが、そんなの単なる “設定の一つ” であって、劇中は1994年で今から二(ふた)昔も前の時代の話なので、もはや言いがかりに近いような。
毎日イライラさせられていた2週間前を思い出せば、毎日が楽しみなだけで満足のはずですから、「フィクションだから」のポジティブ思考で楽しんだ方がしあわせな毎朝を迎えられると思いますけれど…
何はともあれ「明日も楽しみ~ぃ」と思えるのは良いことですね。ですね。
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【これまでの感想】
第1週『お母ちゃんとわたし』
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第2週『ばらもん凧(だこ)、あがれ!』
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