連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全125回〕 (第25週/最終週 土曜日版・2022/10/1) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
公式リンク:Website、Twitter、Instagram
第25週/最終週『やんばる!ちむどんどん!』の「土曜日版」の感想。
※ 本作は、2022年8月31日、NHK東京放送局で撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も毎日変わります。ご理解を。
暢子(黒島結菜)が沖縄やんばるに移住してから、毎日の畑仕事が楽しくてたまらない。和彦(宮沢氷魚)も、健彦(三田一颯)もここでの暮らしを満喫、歌子(上白石萌歌)は無事に智(前田公輝)と結婚した。暢子はさらに、地元野菜などを生かして、やんばるで食堂を開きたいと思いつく。そんな中、東京からフォンターナのオーナー・房子(原田美枝子)がやってくる。房子の用件は意外なもので…。そして順調に見えた比嘉家に、思いもしなかった大きなわざわいが…。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/羽原大介・作「サイン-法医学者 柚木貴志の事件-」脚本協力)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6,10,14,15,18,22,最終週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7,12,17,19,24週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8,13,16,20,23週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
田中陽児(過去作/きれいのくに、麒麟がくる 総集編) 第11,21週
寺崎英貴(※)(過去作/オーディオドラマ 青春アドベンチャー「嘘か真か」) 第17,19週
内田貴史(過去作/「なつぞら」助監督) 第22週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※「崎」の漢字は本来「たつさき」
※敬称略
作品の粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくること、脚本家などの人格否定や俳優の個人攻撃が目的ではないことをご理解ください。
沖縄方言でご挨拶するのも最後となりました…
ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
もう、こうして挨拶するのも最後かと思うと、しからーさん(寂しい)です。
「もう みなさんも 慣れちゃいましたよね」でしょ?
さて、冒頭からポカ~ンである。
N「突然のことですが もう みんな 慣れちゃってます」
とにかく、相当量のナレーションでごまかしてくるとは予想していたが、間違いなく予想以上だった。
これ、本編が終わった後に言ってもしょうがないことが、もうこんな↑ナレーション原稿を作った時点で、ある意味で視聴者を馬鹿にしている。
だって、これ、明らかに新垣カメ(きゃんひとみ)や安室トメ(あめくみちこ)の心情ではなくて、視聴者の気持ちを代弁しちゃってるんだから、登場人物の感情を補強するべき「土曜日版のナレーション原稿」としては適切とは思えない。
それこそ、百歩譲って「もう みなさんも 慣れちゃいましたよね」とジョン・カビラさんが視聴者に寄り添い、それこそ謝意さえ述べても良いくらいなのだ。
まあ、今さら提案したところで、どうにもならないが…
「東京&鶴見編」がない方がスッキリ!
さて、最終回の感想に書いたように、第1週の「土曜日版」と、おまけで第2、3週の「土曜日版」も合わせて見てみた。
これ、第1~3週と第25(最終)週の「土曜日版」を直結しても違和感はほぼ無かった(苦笑)
もちろん、「どの子役がどの俳優?」だけ教えてもらう必要はあるが、それさえあれば不自然さはない。
むしろ、「東京&鶴見編」がない方がスッキリ!
もっと丁寧に「生き残った人たちの物語」を描くべきだった
少し視点を変えてみる…
今作が最近では朝ドラ『おかえりモネ』がそうだったように「生き残った人たちの物語」であることはわかると思う。
だったら、なぜもっとヒロインの成長物語、ヒロインの人生に重ねなかったのか?
それこそ、父・賢三(大森南朋)の “死” の展開を無駄遣いに終わらせないためにも、事あるごとに仏壇に手を合わせたり、墓参りをしたり、盆休みに帰省したり。
そうそう、第15週『ウークイの夜』にあった嘉手刈(津嘉山正種)の語りや、大里五郎(草刈正雄)が登場した 9月27日放送の第122回、更に終盤に登場した戦争体験者であるまもるちゃん(松原正隆)をもっと重要視するべきだったと思う。
本編の感想では一度も言及しなかったが、まもるちゃんこそ、今作の「生き残った人たちの物語」の代表的キャラクターとして、戦争や収容所の苦しみを知った人だからこその、隣人と故郷の料理を味わう幸福感を創出できるわけで。
もちろん、「すべてを映像で語る必要ない」との意見はわかるし、私もそう思う。
ただ、今作が「NHKの連続テレビ小説」という放送枠の作品であることを考えれば、ある程度の “わかりやすさ” は必要だし、公共放送として “伝える意味” もあると思う。
そこをないがしろにして、結果的に「生き残った人たちの物語」を「勝ち残った人たちの物語」に仕立ててしまった作り手たちの責任は重いと思う。
どこかの時点で軌道修正はできなかったのか?
最終回が終わって驚いたのは、ネット記事のほとんどが「ちむどんロス」「反省会ロス」を始めとした “アゲ記事” の類の多いこと。
そして、勝利宣言をしても良いくらいの夜ドラ『あなたのブツが、ここに』の記事がないこと。
う~~~ん、だから、マスコミは信用できん!
ってほどではないのだが、それでも数多くのプロが書いた “アゲ記事” を素人の私が読んで気づいたことがある。
それは、撮影と放送は同時並行してて、スタッフとキャストは少なくとも「#ちむどんどん反省会」が盛り上がっていることや、巨大掲示板やブログなのでも酷評が多いことは知っていたと思う。
だって、当ブログの読者様なら “ドラマの演出家さん” が当ブログを読んでくださっている事実はご存じのはずだから。
もちろん、私の声が NHKに届いているなんて、微塵も思っていない(届いて欲しいとは思うが)。
だったら、どこかの時点で軌道修正はできなかったのか? と。
それこそ…
●朝ドラ『マッサン』の執筆経験のある脚本家
●『ひまわり』、『梅ちゃん先生』、『ごちそうさん』、『なつぞら』のメイン監督を務めた演出家
●『てっぱん』、『純と愛』、『ごちそうさん』の演出経験のある制作統括
この “中年男性トリオ” が「結末から逆算して作った物語」であったとしても、どこかで軌道修正はできなかったのか?
いや、そんなことよりも、撮影に入る間に誰かが「これ、おかしくね?」と思わなかったのか?
まあ、じっちゃんの名にかけて推理すると、私は “中年男性トリオ” が “結末から逆算” は “事実でない” と思っている。
あくまでも放送直前に発売された「連続テレビ小説 ちむどんどん Part1 (1) (NHKドラマ・ガイド)」で自己防衛をやったと思う。
要するに「3人でやったことにしましょうよ」的な。
正に、いつぞやの賢秀(竜星涼)がマルチ商法に引っ掛かって暢子(黒島結菜)が200万円で悪党たちと話をつけようと和彦(宮沢氷魚)と智(前田公輝)と共に乗り込んでいき、三郎(片岡鶴太郎)が警察に行って、何となく犯罪行為がうやむやに終わったやつだ。
まとめよう。
もしも、“中年男性トリオ” が “結末から逆算” は “事実” なら、何のために3人が協議して作る必要があったのかを知りたい。
それこそ、 “料理に精通する若い女性” を数名参加させても良かったと思う。
別に男女差別をするつもりはない。
数名で全体の構成を考えるなら、立場や年齢や性別に多様性を持たせた方が、ドラマ制作の現場においては良いと思うから。
逆に、“中年男性トリオ” が “結末から逆算” は “事実でない” なら、罪をかぶったつもりの “中年男性トリオ” のやったことは罪深い。
やはり、朝ドラは日本を代表する映像コンテンツだから、真摯に向き合ってほしかった、ただそれだけ…
そして、くれぐれも俳優陣は悪くないことを、視聴者もわかってほしい…
"生き残った人たち"と"子孫たち"の人生ドラマで良かった…
ちょっと真面目に書こうと思う。
私は、今作の最重要放送回は、実は「第4回」だと思っている。
そう、賢秀たちが飼っていた豚の “アブブ” を食べること、そして末妹の歌子が「アベベは お正月に食べるの?」の放送回だ。
あれで今作は “命の大切さ” や “食育” だけでなく、「人が生きていくためには、何かの犠牲が欠かせないこと」や「生きていく上で、感謝は欠かせないこと」、要するに「死生観=生きることと死ぬことの価値観や自分の考え方を示す… の意味」を描こうとしたはず、いや、そう信じたい。
でも、私を含めて “中年男性トリオ” は戦争未経験のオジサンたちだから、やはり、「沖縄戦」をベースにして “死生観” を描くのは難しかったと思う。
「だったら、やるな!」と思わない。
むしろ、クリエイターなら果敢に攻めるべきだ。
しかし、いつの間にか “自分勝手な人たち” が大腕を振って歩くような作品に仕上がったのは…
やはり、前述の「生き残った人たちの物語」を強調し、貫いたら良かったと思う。
“生き残った人たち” と “その子孫たち” が出会い、恋をして、夫婦になり、家族を作り、 故郷・沖縄の歴史、死生観、文化、料理などを大切にし愛おしく思う人たちが生きている “ドラマ” にするだけで良かったと思う。
あとがき(その1)
今作も「総集編」は放送すると思いますが、どう再構成するんでしょう?
前回のように暢子(黒島結菜)の語りを盛り込むのかな?
どちらにしても、放送された映像ではどこを摘んでも(削除しても)大きく内容は変わらないと思うので、撮影素材を全部見直して、作るくらいのことをやらないと、ごまかせないと思います。
あとがき(その2)
最後の最後に。
「土曜日版」の感想まで、お付き合いくださった読者様、ありがとうございました。
そして、お互いにお疲れさまでした。
次作の『舞い上がれ!』は、ナント “3人の脚本家のリレー” です。
これにも不安要素がありまして、機会があったら書きます。
では、迷昨『ちむどんどん』に思いをはせて…
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【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
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第2週『別れの沖縄そば』
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第3週『悩めるサーターアンダギー』
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第4週『青春ナポリタン』
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第5週『フーチャンプルーの涙』
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第6週『はじまりのゴーヤーチャンプルー』
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第7週『ソーミンチャンプルーvsペペロンチーノ』
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第8週『再会のマルゲリータ』
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第9週『てびち!てびち!てびち!!』
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第10週『あの日、イカスミジューシー』
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第11週『ポークとたまごと男と女』
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第12週『古酒(くーす)交差点』
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第13週『黒砂糖のキッス』
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第14週『渚の、魚てんぷら』
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第15週『ウークイの夜』
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第16週『御三味(うさんみ)に愛をこめて』
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第17週『あのとき食べたラフテーの』
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第18週『しあわせのアンダンスー』
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第19週『愛と旅立ちのモーウイ』
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第20週『青いパパイアを探しに』
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第21週『君と僕のイナムドゥチ』
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第22週『豚とニガナは海を越えて』
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第23週『にんじんしりしりーは突然に』
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第25週/最終週『やんばる!ちむどんどん!』
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